気になる疑問やニュースのナゼを解き明かす「どうなの?」です。

高額な海外視察が問題視されている福岡県議会が再び揺れています。

新たに県議会の議長ポストなどをめぐって、ある現職の県議が自民党の幹部から多額の金銭を要求されたと告発し、今、波紋が広がっています。

山崎夕貴キャスター:
議長って議会を代表する大切な役職ですよね。それになるために多額の金銭が要求されたってことなんですか?

証言によりますと、2人の県議が渡した金額は合わせて2840万円にも上るといいます。

この告発があってから双方が会見を開くなど、対応しているんですが、その主張が食い違っているんです。

そこで、9日のどうなの?は「『議長』めぐり金銭授受か。カツアゲ証言に県議会のドンは?」について見ていきます。

まずは、この渦中の人物たちについて見ていきます。

自民党の県議団の幹部から金銭を要求されたと告発したのは、もともと自民党会派に所属していて現在は無所属の吉松源昭県議です。

2020年から1年間議長を務めていましたが、2018年ごろから議長就任への“根回し”として、自民党幹部が「汗をかく」というような表現を使って金銭を求められたと吉松氏は主張しています。

そして吉松県議の告発の中で名前が挙がっているのが、自民党の県議団の幹部である中尾正幸副議長、そして“県議会のドン”と呼ばれることもある蔵内勇夫議長などです。

遠藤玲子キャスター:
「汗をかく」、この表現、隠語みたいな感じで金銭を要求しているという意味ですよね。そういう言葉があるということですよね?

そう我々は受け取ってしまいます。

どのような理由で今回金銭を要求されてきたのか、吉松県議の主張を見ていきますと、議長就任への根回しとして証言したものの中には、他の会派などとの懇親のためのゴルフ代で約1000万円。

また、高級料亭で幹部5人との食事代で約49万円。

さらには、お車代として1人50万円、5人分合わせて250万円と、これは出席した元副議長の自民党の江藤秀之県議と折半して125万円だったといいますが、吉松県議はこの他にも小さな飲食代などを含めて2人で合わせて2840万円に上ったといい、会見の中では「カツアゲされたようなものだ」と述べていました。

吉松県議は、中尾副議長との金銭のやり取りだと主張する音声データも公開しています。

中尾副議長?:
ことしは「蔵内会」をやってマスターズ(ゴルフ)。マスターズ(ゴルフ)というのは他会派も含めやってる。明日預かります。責任もってちゃんと立ち会いますから。ちょっと大金やけんね、管理しとかんと。

現在の議長・蔵内県議の名前を挙げて現金を要求されたケースもあったといいます。

また当時、副議長に就任した自民党の江藤秀之県議はFNNの取材に対して「中尾副議長に500万円を手渡した」と証言しています。

これに対して金を渡したとされた中尾副議長は記者会見を開き、「事実無根である」と真っ向から否定したということです。

中尾正幸副議長:
よく似てるんですけど、記憶にない。そもそもお金を受け取っていないので、このようなやりとりをするのは信ぴょう性において乏しいのかな。

遠藤玲子キャスター:
中尾副議長本人も似ているというふうに言っていて、現段階では同一人物かどうかは分からないということなんですね?

現段階では分かっていません。

お金のやり取りをした理由について、それぞれこのように主張しています。

告発した吉松県議は「出世コースから外されたり、自民党から外されることもあり得るから応じた」としています。

一方で、中尾副議長は吉松県議の方から「お金がいるんでしょ」と持ち掛けられたと、「会長と私は丁寧にお断りした」として本当に真っ向から対立しています。

また、ゴルフ会の名前にもなっていた“県議会のドン”とされる蔵内議長は「蔵内会とかマスターズ(ゴルフ)という話が出ているが、これは全くプライベートな友人の会。そういった金銭うんぬんの会ではない。全て割り勘です。(Q.議長1000万副議長500万のウワサ)全くウワサであって、2回議長選挙出たが、一切そういったことない」と主張しています。

また、自らが議長に就任する際にも「金銭のやり取りは一切なかった」と否定しました。

本当に何が真実なのか判然としない問題ですが、政治学が専門の拓殖大学の丹羽文生教授はこのように指摘しています。

まず、地方議会における議長というのは、野党を含めて公平・公正な議会運営を担っていく役割があるものです。

通常の議員よりも報酬としてはやはり高くつきます。

あと、公用車も付くような名誉あるポストで、議会を代表して街の中様々な場所に顔を出すので、名前も顔も知れて次の選挙に有利になる場合もあるということです。

その上で、もし今回、吉松県議の証言が事実であれば、公平・公正であるはずの議長のポストというのがお金で買われたという疑念を抱かせてしまって、地方政治への信頼を揺るがしかねないとして、やはり県議会としては全容を明らかにすることが求められるとしています。

榎並大二郎キャスター:
福岡県議会はきょう、外部有識者によるこの調査を全ての議員を対象に行うと発表しました。県民の皆さんからしてもこれは気になることだと思いますから、一刻も早い真実の究明というのが待たれます。