山形県内を含む東北南部は6月20日に梅雨入りした。県内では2024年7月に庄内・最上エリアを襲った豪雨災害があったが、これからの大雨シーズンに向け気をつけるべきことの1つが“道路の冠水”。特に、低い位置にある「アンダーパス」は周辺からの雨水が集中し、短時間で水かさが一気に増すため警戒が必要だ。万一に備え、アンダーパスの危険性を理解しておこう。
アンダーパスには大量の水が一気に流れ込む
6月22日、天童市で、大雨でアンダーパスが冠水し、水没した車の中に運転手が取り残されたとの想定で、警察と消防の2班に分かれ救助訓練が行われた。

このうち消防の救助隊は、特殊な機材を使って車の屋根を切断し、車内に取り残された人を救助する流れを確認した。
訓練:
要救助者30代男性。少し疲労。

訓練の場所に選ばれた久野本地下道のアンダーパスは、2023年の豪雨で車1台が水没する被害が実際にあった場所だ。
訓練:
OKー! 救出完了!

全国で毎年のように発生する集中豪雨の際、大量の水が一気に流れ込む位置にある「アンダーパス」。
アンダーパスは、交差する道路や鉄道をくぐり抜けるような構造となっている箇所で、周辺より道路の高さが一段低くなっているので冠水しやすい。

黄色と赤の浸水ライン表示が目安
県内の、冠水の危険性があるアンダーパスには、黄色い50センチのラインと赤い1メートルの危険水位を示すラインが引かれている。

県によると、「黄色の50センチ」は水圧で車のドアを開けることが難しくなる水位。
「赤の1メートル」は、車が浮いて流されてしまうおそれがある水位。

県内では、冠水したアンダーパスに進入してしまい、車が動けなくなる立往生の被害がたびたび起きている。

立ち往生したタクシーの運転手によると、「水に入った瞬間に『ヤバい』と思ったが、その時にはブレーキが効かなくなっていて、反動で水の中へ行ってしまった」とのこと。
30センチでも冠水侮らず迂回(うかい)を
冠水したアンダーパスに車で入ることはどれだけ危険なのか、JAFの実験映像を見てみる。

水深60センチの冠水箇所に車が突っ込むと、途中でエンジンが止まってしまった。
アンダーパスに進入した車が水をかぶると、ボンネットなどから水がエンジンルームに入り込む。
その水がエンジンの空気の取り入れ口から入ると、エンジンは止まってしまう。

天童警察署の半澤警備課長によると、「浸水しているところに車で進入してエンジンが止まった場合、エンジンをかけ直したりしている間に、短時間でみるみる水位が上がる。そうなると車のドアを開けることもできなくなり、車内への浸水のおそれもあるので非常に命に危険が及ぶ」とのこと。
JAFの実験では、深さ30センチ程度の冠水でも、走り方次第でエンジン内に水が入ることが確認された。

天童警察署・半澤邦浩警備課長:
「前の車が行けたから」ではなく、あくまでも自分の目で見て、少しでも冠水が認められたら、決して進まず迂回(うかい)するのが最善の道になる。
ぜひその判断をしてほしい。

県内には、冠水の危険があるアンダーパスは78カ所ある。
このうち県が管理するアンダーパス22カ所にはそれぞれ番号がついていて、地名がわからない場所でも通報できるようになっているという。

万一の場合は、その番号を警察・消防に連絡することを覚えておきたい。
(さくらんぼテレビ)

