鹿児島のとある田んぼで地元の小学生やボランティア総勢およそ200人が集まり田植えが行われた。この田んぼは毎年、稲穂が実る前に「見頃を迎える」のだという。実は田んぼが壮大なキャンバスになっていたのだ。
230人参加の田植え 田んぼに描かれた謎の模様の正体は
田植えが行われたのは鹿児島県南九州市川辺町田部田(たべた)地区の田んぼ。6月28日、地元の川辺小学校の児童120人や住民、ボランティアなど230人が集まり盛大に行われた。画像をよく見ると田んぼに何やら模様のようなものが描かれている。主催者に聞くとこの“模様”は前日の27日に準備されたという。

実は毎年、この田んぼをキャンバスに見立てた「田んぼアート」が制作されている。地元の農事組合法人「たべた」の有志が2011年に始め、法人内に組織された実行委員会によって現在まで毎年続けられている。謎の模様はアートの下書きなのだ。
過去には地元マスコットも登場
2023年には地元・川辺小学校創立150周年とこの年開催された「かごしま国体」が描かれるなど、見事に地域に密着している田んぼアート。2026年の完成予想図を見せてもらうと、ボールを投げバットを打つ野球選手らしき絵柄と「野球しようぜ!」というメッセージが。実行委員会の南田祥作事務局長は、ドジャース・大谷翔平選手をテーマにしていると話す。横に描かれているのは米作りをテーマにしたゲーム「サクナヒメ」のキャラクターだ。

田植え当日、用意されたのは成長するにつれて色が変化する4種類の苗。参加者は下絵に合わせて、それぞれの色の苗を植え分けていった。この日は天気も良く、休憩時間には甘いトウモロコシや温かい豚汁が振る舞われ、にぎやかな田植えイベントとなった。
謎の1文字「パ」には驚きの演出が!
ところで2026年の図面にある「パ」という謎の文字が気になる。南田事務局長は「全国田んぼアート連絡協議会」という組織の田んぼアートによる「リレーメッセージ」の1文字と話す。メッセージは大谷選手第二子誕生にちなみ「オオタニショウヘイパパ」。全国11団体の田んぼアートが1文字ずつ受け持ち、田部田地区の担当は2つある「パ」の1つというわけ。リレーメッセージの詳細は全国田んぼアート連絡協議会の公式インスタグラムに掲載されている。
田んぼアートの見頃は意外と早く7月25日ごろからお盆過ぎまで。稲穂が出る頃には色が変わり、かえって見づらくなってしまうそうだ。田んぼの脇にはやぐらが設置され、7月18日から自由に見学できる(午前8時~日没)。
制作にあたり大谷選手の両親の了解を得ていることから、本人もアートの存在自体「知ってはいる」ようだ。南田事務局長は「本人にも見てもらいメッセージが欲しい」と話す。鹿児島の田んぼに出現した大谷選手の巨大なアートはまさに、農業と芸術の「二刀流」だ。本格的な夏到来を前に、一度足を運んでみては?
(画像提供:農事組合法人たべた田んぼアート実行委員会)

