国際オリンピック委員会(IOC)は、次回2030年の冬季大会からノルディック複合を外すと発表しました。長野県関係のオリンピアンからも残念がる声や、復活を目指し活動するべきなどの声が上がっています。
日本スキー連盟・河野孝典 競技本部長:
「残念の一言です。五輪を目指してきた選手、それを支えているスタッフ、そういう人たちの目標がなくなることを考えれば非常に残念」
7月8日午前、東京都内で記者会見を開いた野沢温泉村出身で日本スキー連盟の河野孝典競技本部長。
「残念」と語ったのは、自身も若いころに打ち込んだノルディック複合の五輪種目からの除外です。
冬季五輪がスタートした1924年から採用されている「ノルディック複合」。
「ジャンプ」と「クロスカントリー」の両方の技術が求められ、王者は「キング・オブ・スキー」とも呼ばれます。
日本は、河野さんや長野市長の荻原健司さんらが出場した1992年のアルベールビル大会と1994年のリレハンメル大会で複合団体2連覇を達成。
近年は、渡部暁斗さんがけん引し、2014年のソチ大会以降、個人種目で3大会連続のメダルを獲得。
2022年の北京大会では、弟の善斗選手、山本涼太選手らと出場した団体でも銅メダルを獲得しました。
数々のオリンピアンを輩出している信州にとって「ノルディック複合」はなじみの深い種目です。
一方で、競技人口や競技国数が少なく、メダル争いが一部の国に限られていることや、五輪で女子の種目が実施されていないことなどから、北京大会以降、存続するか議論が続いていました。
2026年春に現役を引退した渡部暁斗さんはIOCのアスリート委員に手紙を送るなど存続に向けた働きかけを続けてきましたが、願いはかないませんでした。
渡部暁斗さん:
「長い歴史の中で女子種目の普及に対して力を入れてこなかったことが一番の要因だと思っています。正直、自分でも今は頭の整理が追いついていなくて現役の選手に対して一番言葉が見当たらない」
現役を続けている弟の善斗選手は、若い世代の選手への影響を懸念しています。
渡部善斗選手:
「率直に言うとすごく残念ですし、悔しい思いはある。五輪種目ではなくなった時点で、諦める選手、転向する選手も出てくると思う。これで何かが終わったわけではないと思っているので、選手としてこの競技を選んで強くなりたいという思いは変わらない。やるべきことは自分の中で変わっていない」
IOCは、2030年大会からの除外は決めたものの、34年大会以降での復活の可能性も示唆しています。
2大会連続で金メダルを獲得した荻原市長は、34年大会での復活を目指して今から活動していくべきとしました。
長野市・荻原健司市長:
「自分をつくってくれた五輪という舞台が30年(大会)から除外されたというのは、切ない気持ちでいっぱい。34年(大会)の復帰に向けて、何をすべきか今から考える」
渡部暁斗さんも―。
渡部暁斗さん:
「改めて複合競技のベースをつくり直して各国の強化、競技普及が進んでいけば34年の可能性もまだある。8年というのはすごく長い時間だと思うので、手遅れにならないうちに今度は早めに行動していくべき」
