全国的に人がクマに襲われる被害が相次いでいる。四国に生息するクマの実態はどうなっているのだろうか。林野庁などが実施した生息調査の結果が公表された。

絶滅の危機に瀕する四国のツキノワグマ

林野庁四国森林管理局によると「ツキノワグマ」は四国では徳島県にある剣山の山系とその周辺地域にのみ生息していると推測されている。

「ツキノワグマ」の生息エリア
「ツキノワグマ」の生息エリア
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2020年に公表された環境省のレッドリストでは「絶滅のおそれのある地域個体群」となっている。四国森林管理局は環境省や認定NPO法人と連携し、約10年前からツキノワグマの生息調査を続けている。

生息域の「はしっこ」を知るプロジェクト

この調査は「はしっこプロジェクト」と銘打って実施されている。

ツキノワグマの生息域の外縁、つまり人との接触が起きてしまわないよう生息域の一番外側、“はしっこ”を把握するのが目的である。

胸に白い三日月模様があるツキノワグマ
胸に白い三日月模様があるツキノワグマ

今回公表された2025年度の調査では、高知県の香美市と安芸市、そして徳島県内の計25カ所、59地点にセンサーカメラを設置。

その結果、25カ所中16カ所でツキノワグマの存在が確認された。

ツキノワグマは胸に白い三日月模様があり、この模様が個体ごとに異なる。カメラが捉えた映像を精査した結果、少なくとも25頭がいたと判明した。

高知県内では香美市の6カ所で計9頭が確認されたが、そのほとんどが徳島県へ移動していることもわかっている。

新たな命の確認も

全体の調査で2026年に生まれたとみられる子グマ2頭を連れた親子2組も確認。

ツキノワグマの親子
ツキノワグマの親子

さらに、子グマを除いた21頭のうち4頭はこれまで確認されていなかった「新たな個体」であることも判明した。

「駆除」を避けるために

全国的にクマの目撃や被害が相次ぐ中、四国でも生活圏への接近が懸念されるが、生息エリアはこれまでと同様、限定的だそう。

人とクマの共存について語る見市課長
人とクマの共存について語る見市課長

四国森林管理局計画課の見市課長は「人と軋轢が生まれるとどうしても『駆除』とかそういう話になりかねない。外縁を調べて、できる限りツキノワグマと人間が軋轢を生まないようにすみ分けができたらなと考えている」と語る。

四国森林管理局では、さらに調査の精度を高めるため、カメラの設置地点を適度に変えながら2026年度も引き続き調査を行うことにしている。