宮崎県椎葉村の山深い不土野(ふどの)地区で、村の未来を背負う熱い挑戦が続いている。椎葉鉱蔵さんが手がけるのは、自ら育てた無農薬米と山の水だけで醸したこだわりの「どぶろく」だ。村を盛り上げたいと、四輪バギーも乗りこなす椎葉さんを追った。
自家製米と山の水で醸す「みつめて」
宮崎市から車で約3時間半、まさに「秘境」と呼ぶにふさわしい椎葉村の不土野地区。

この地で生まれ育った椎葉鉱蔵さんは、林業や民宿を営む傍ら、ある大きな目標を掲げてきた。それは、村に対し「どぶろく特区」を国に申請するよう働きかけることだった。

人口減少と高齢化が進む故郷を何とかして盛り上げたい。その情熱が実を結び、2023年1月に特区として認定された。

椎葉さんは2025年秋から念願の製造に乗り出し、翌年の1月から、どぶろく「みつめて」の販売をスタートさせた。

椎葉さんが手掛けるどぶろくには、不土野の豊かな自然が凝縮されている。原料となるのは、椎葉さん自らが農薬を使わずに育てた自家製の米と、もち米だ。自ら草取りを行い、丹精込めて米を作り上げた。仕込みに使われる水も、山にある水源から直接引いている。

富どの亭 椎葉鉱蔵さん:
いいものを目指して、求め続けないと方法がないです。
県内外の醸造所を視察して研究を重ね、試行錯誤の末に、不土野の素材を最大限に活かしたこだわりの一杯を完成させた。
椎葉さんは「椎葉村の人口がどんどん減少し、高齢化もしているので、何とか盛り上げていきたい。どぶろくをきっかけに、地域の交流人口を増やしたい」と話す。
大自然を五感で楽しむ体験メニューも
椎葉さんの活動は酒造りにとどまらない。

四輪バギーでの散策や山菜の収穫体験など、不土野の大自然を活かしたアクティビティも提供し、地域の魅力を多角的に発信している。

「夢はありすぎるが、この地域が発展することが一番」と笑顔で話す椎葉さん。
不土野の恵みと作り手の思いが詰まったどぶろく「みつめて」は、椎葉村の民宿「富どの亭」で販売されている(どぶろく「みつめて」720ml・2300円)。秘境の地で生まれた至高の一杯を味わいに、足を運んでみてはいかがだろうか。
現在、国に認められた宮崎県内のどぶろく特区は、椎葉村、高千穂町、門川町、小林市、国富町、高原町、三股町の7カ所だ。それぞれの土地に思いを馳せながら、飲み比べを楽しむのも一興ではないだろうか。
(テレビ宮崎)
