本来あるべき看板メニューとは異なる“なのにグルメ”を、福井の身近な疑問「なんだー?」を解き明かし驚きいっぱいの「ワンダー!」を見出す福井テレビのローカル情報バラエティ番組「なんだー?ワンダー!」で徹底取材。その店とメニューの“ギャップ”の裏には店主の思いや偶然の出合いがあった。
「おいしくて衝撃」偶然の出合いがきっかけ
最初の舞台は福井市の繁華街、通称・片町にある韓国料理店「鉄鍋屋」。この店で人気をあつめる異色のメニューが、メキシコ発祥の「タコス」だ。
店長が「初めてタコスを食べた時にすごくおいしくて衝撃を受けた」ことがきっかけだという。
鉄板でこんがりと焼き上げた生地に、チェダーチーズとミックスチーズを焼き付ける。そこに、千切りキャベツを山盛りにし、塩こしょうとガーリックで軽く味付けした豚のハラミをのせ、ピクルスベースのソースと、韓国料理の味付けを施した甘酢玉ねぎをかけて完成だ。
さらにもう一つ、豚バラ肉をラードでじっくり煮込んだメキシコ料理「カルニタス」を使ったタコスは、自家製サルサソースで味付けし、チーズをまぶしてこんがり焼き上げる。
ハンバーガーほどの“罪悪感”がなく、野菜をたくさん食べられるのもタコスの魅力だと店長は語る。
「採れたての野菜をそのまま味わって」自販機に絶品サンドイッチ
続いてやってきたのは、のどかな田園風景が広がる越前町。
ぽつんと置かれた1台の自動販売機で売られていたのは「農家のレタスサンド」「野菜とたまごのサンド」「季節替わりのフルーツミックスサンド」。自販機の商品ラインナップとしては“異色”だ。
販売元の「クロダ農園」では「採れたてのおいしさを直接味わってもらうために、加工するならサンドイッチ」とこの自販機での販売を始めたという。
収穫したばかりのレタスを使って毎朝手作りするサンドイッチは、個包装されて自販機へ。みずみずしいレタスとふわふわ卵が入ってボリューム満点だ。
この自販機があるのは越前町営野球場の西側駐車場。販売主の黒田さんによると、正午過ぎが比較的買いやすいという。
深夜のキッチンカーに集う常連たち…目的は「そば」
続いては、ちょっと変わったメニューを提供するキッチンカー。キッチンカーといえば日中に公園などに出店するイメージが強い中、午後9時から深夜にかけて福井市内で営業するのが「蔵の蕎麦」。
友人同士で始めたというキッチンカーには、地域への思いがあった。「豪雪があったでしょ。8号線で車がいっぱい並んだとき。あの時に、何か人の役に立ちたいという思いになって…キッチンカーがあれば何かできるかもと思って」と店主。
一押しメニューは「あさりとしじみのレモン蕎麦」。アサリとシジミの出汁に醤油ベースを合わせたスープに、コシがしっかりとしたそばが、味わい深い。
途中でレモンを絞ると、香りがふわりと変化する仕掛けも楽しい。
「捨てるのはもったいない」から生まれた“幻のラーメン”
所変わって勝山市には、土曜の夜に限定10食という“幻のラーメン”があると聞いてやってきた。
国産鶏にこだわった串料理を提供する炭火串焼き串揚げ「一克」は毎週土曜日の22時半から24時のわずか1時間半だけ、限定10食でラーメンを提供している。
串焼き店がラーメンを提供する理由は材料にあった。店主は「焼き鳥を刺すときに鶏のガラが出るんです。それを捨てるのがもったいないと思ってラーメンの出汁に使うことにした」という。
鶏ガラを約5時間かけてじっくり煮込み、旨みを引き出した醤油スープの一杯だ。
韓国料理屋のタコス、自販機のサンドイッチ、深夜屋台のそば、串焼き店のラーメン。そのギャップには、店主や農家の確かなこだわりと、作り手の“本気”が生み出した至極の一品だった。

