富山県内の漁港では今年、黒いダイヤ「クロマグロ」が急増しています。本来なら「豊漁」とも言える状況ですが、売りに出すことができません。その理由とは。
今年、富山市の四方漁港で水揚げされたクロマグロ。大型のマグロがズラリと並びなかには200キロ近いものもあります。
*大門漁業(四方) 門島衛漁労長
「マグロは増えている。大型魚がこんなにとれるのは今までない。4月に獲ったときは富山市漁協として1日で14~15本あがった」
水産庁によりますと、今年県内で水揚げされた大型のクロマグロは4月末時点で17.2トン。過去2年の同じ時期と比べると172倍です。
しかし、漁師たちは手放しで喜べない事情があります。
*大門漁業(四方) 門島衛漁労長
「今は放流している。うちの網は開放する場所があるのでそこからマグロを逃がす」
国は資源管理のため、クロマグロに漁獲枠を設定しています。
県によりますと、氷見と新湊を除く県内の漁港で4月と5月に獲れた大型のクロマグロはすでに今年度の漁獲枠の9割に達しています。
そのため、四方漁港では4月末から大型のクロマグロを水揚げしないことを決め、網に入っても海へ逃がしています。
*大門漁業門島 衛漁労長
「正直なところ邪魔。本当は売ることができればと思う。黒のダイヤモンドといわれているが、今はもう石ころ。出すということはほかの魚も出て行ってしまう。一度マグロ放流のため、網に入った魚がすべてなくなったことがあった」
なぜクロマグロが増えたのか。実は富山だけでなく、全国でも同じ状況が続いているといいます。
*国立研究開発法人 水産研究・教育機構 広域性資源部 田中寛繁さん
「資源管理の影響が出ている。各国による管理が始まって資源が回復してきた。小型魚の保護をしたことで、小型の時期にとられなかった個体が生き残って大きくなったのでは」
*国立研究開発法人 水産研究・教育機構 広域性資源部 塚原洋平さん
「ISC(北太平洋マグロ類国際科学委員会)の方で資源評価している内容では、将来的にどこかで高止まりするだろうと考えている」
水産庁はクロマグロの資源が回復傾向にあることから、来年以降の漁獲枠を25%拡大したいとしていて、来月開かれる国際会議で提案する方針です。
