富山地方鉄道は、中田邦彦社長が相談役に退き、後任に新庄一洋専務(63)が昇格するトップ人事を発表した。深刻な経営不振が続くなか、「組織の若返りを図り、未来に向けた新体制に移行する」というのがその理由だ。鉄道線の再構築という大きな岐路に立つ地鉄が、新体制でどう動き出すのか注目が集まる。
1986年入社、自動車部長・企画部長を歴任
次期社長に内定した新庄一洋専務は、1986年に富山地方鉄道へ入社。自動車部長や企画部長などの要職を歴任してきた。2022年からは県の地域交通戦略のメンバーとしても参画しており、鉄道再構築をめぐる経緯を最初から知る人物でもある。
一方、3年間にわたって社長を務めた中田邦彦氏(68)は相談役に就任する。新たな人事は、6月26日の取締役会を経て正式に決定する見通しだ。
廃線か存続か、沿線自治体との協議が続く

富山地方鉄道が直面しているのは、鉄道線の「再構築」という喫緊の課題だ。一部区間を存続させるのか、それとも廃線とするのか—。県や沿線自治体との話し合いは現在も進められており、地域住民の暮らしにも直結する重大な局面を迎えている。
こうした状況のなか、富山地方鉄道は「組織の若返りを図り、未来に向けた新体制に移行することにした」と説明。新庄新社長は就任にあたって次のようにコメントしている。
「鉄道の再構築という大きな経営環境の変化にも対応し、地域の発展や活性化に寄与できるようスピード感を持って推進してまいります」

新田知事「より前向きな検討を加速できると期待」
トップ交代を受け、地鉄の再構築をとりまとめている新田富山県知事も率直な期待を語った。
「退任される中田邦彦社長には、自治体と再構築事業についても一緒に取り組んでいただいたことに心から感謝をしたいし、お疲れ様でしたと申し上げる。新庄さんは令和4年から県の地域交通戦略のメンバーで、経緯を終始ご存じの新庄新社長とはより前向きな検討を加速できるのではないかと期待している」
地域の足をどう守るか、問われる新体制の決断
富山地方鉄道の鉄道線は、富山県内の地域を結ぶ重要な交通インフラで、沿線に暮らす住民にとって、路線の行方は日常生活に直接かかわる問題だ。
「スピード感を持って」とした新庄新社長の言葉どおり、新体制がどれだけ迅速かつ丁寧に関係者との合意形成を進められるかが、今後の焦点となる。
(富山テレビ放送)

