宮城県の中学校には、ラグビー部がありません。そんな中、ラグビーをしたいという中学生のためのクラブチームが、仙台にあります。
チームの名は「ゼルコバ仙台」。ラグビーを愛してやまない、宮城の中学生の受け皿として発足しました。

「よろしくお願いします!」

礼儀正しさは、このチームの文化の一つ。
ラグビーのクラブチーム「ゼルコバ仙台」。ゼルコバは、宮城県の木「ケヤキ」を意味します。おととし4月にできたばかりの、若いクラブチームです。

所属する選手は中学1年生から3年生までの47人。4人の女子選手も男子に混じり、同じメニューをこなします。

山田笑里選手(3年)
Q.練習きつくない?
「全然きつくなくて、楽しくやってます」
Q.きっかけは?
「2019年のラグビーワールドカップ(日本大会)で、弟がやりたいって言って、ラグビースクールに通い始めたのに引っ張られて、いつの間にか大好きに」

小学生でラグビーを始める子の多くは、ラグビースクール出身。宮城県内には、小学生向けのラグビースクールが7つあります。
しかし小学校を卒業すると、県内の中学校にはラグビー部がないのが現状で、中学でラグビーをあきらめる選手も少なくなかったそうです。
「ゼルコバ仙台」は、ラグビーを真剣にやりたい中学生の、言わば「受け皿」として発足しました。

畑中克文コーチ
「我々はボランティアでやらせていただいております」
―自分の時間を使って?
「そうですね、その分子供たちに楽しませてもらっているので、ボランティアで現状はやっている」

入会金や毎月の会費を集めてはいますが、スタッフはボランティア。そこには、クラブチーム特有の事情があります。

畑中克文コーチ
「(会費は)グラウンドの確保だったりあとは遠征費用に充てたりとかですね、あとは道具関係だったりとかそういったものに充てさせていただいています。子供たちの成長を見るとか、子供たちが一生懸命ラグビーに向き合ってくれるとかが我々のモチベーションなので、ちょっとそこはお金を超えたところかなと」

週に1回は仙台市青葉区にある体育館で練習が行われます。この日は、ヘッドコーチが指導。コーチ陣も仕事の合間など自分の時間をやりくりして、指導にあたります。

菊池翔ヘッドコーチ
―屋内でラグビーは意外…
「確かにそうですよね、屋内でやるスポーツではないんですけど、スキル的なところは練習できる。あとは(ラグビーの練習ができる)仙台市内の施設が少ないというのが一つネックになっているところがあるので、毎回しっかり練習をやるためにもちょっと工夫をして、室内練習ということをしています」

練習が始まると、中学生とはいえ、どんどん強度が上がっていきます。

選手たちは
―練習きつくない?
「きついっす」
―なんで頑張れる?
「みんながいつも頑張ってるから、一緒に頑張ろうと思っています」

―練習きつくない?
「きついです」
―なんで頑張れる?
「ラグビーで当たったりするのが好きだからです」
―頑張って!
「はい!」

みんな、ラグビーが好き。キャプテンの工藤暖生選手もその一人です。

工藤暖生主将
―中学校では部活に所属?
「バスケットボール部やってます。今日も一応、練習試合の後に来ました」

バスケをやりながらも、工藤キャプテンの中心にあるのは、ラグビーであり、ゼルコバ仙台です。

工藤暖生主将
「(ラグビーを)やりこむ場所がほしかった。小学校の時からやってたメンバーも一緒に上がってきて、新しい仲間もできてみんなと仲良くできるし、(ゼルコバ仙台は)とってもいい場所だなって、ラグビーにも打ち込みやすい」

一方、県内の高校ラグビー部は1990年代初頭の34校から、現在は18校にまで減少。
「ゼルコバ仙台」は、そんな宮城の高校ラグビー界に新たな風を吹きこむ可能性も秘めています。

菊池翔ヘッドコーチ
「私はラグビーを通していろんないいこと、感謝することがいっぱいあったので、それを次の世代に還元したいなというところがありますので、楽しくラグビーをできる環境をしっかり持って、それを(中学卒業後)各高校にしっかりつなげていって、宮城県全体のラグビーが元気になることを願っている」

仙台放送
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