学校の統廃合に伴い、来年度から新たにスクールバスを3台運行させる方針の富山市。市議会では「二種免許を前提にすべき」との声が上がったが、市側は運転手不足を理由に「検討する」と述べるにとどまった。子どもたちの安全をどう守るか、地域の課題が浮かび上がっている。

富山市議会 経済教育委員会(22日)
富山市議会 経済教育委員会(22日)
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山田中学校の閉校で新たにバス3台を運行へ

富山市の山田中学校は来年3月に閉校し、生徒は八尾中学校と城山中学校に編入する。通学距離が長くなることを受け、市の教育委員会は新たにスクールバスを3台運行する方針を示した。6月22日の市議会委員会では、車両のリース料などを含む補正予算案が審査された。

審査の中で議員から相次いで出たのが、運転手の「免許」についての質問だ。

「子どもたちの命の軽視」 議員が二種免許を強く求める

久保大憲市議は委員会でこう述べた。

「二種はまず大前提になると思っている。『一種でもいいよ』とか『二種推奨』というのは、子どもたちの命の軽視であったり、地元のみなさんの理解が得られない」

磐越道マイクロバス事故(福島県・5月)
磐越道マイクロバス事故(福島県・5月)

二種免許とは、有償で客を運ぶ際に必要な免許だ。先月、福島県の磐越道で高校生が死亡したマイクロバス事故では、逮捕された運転手が二種免許を持っていなかったことが問題となり、生徒の移動が適切に行われていたかが焦点となっている。

ただし、法律上は貸し切りバスでなければ、スクールバスの運転に二種免許は必ずしも必要ではない。

現在の運転手18人中、二種免許保有者はわずか7人

この問題は、すでに運行中のスクールバスにも及ぶ。富山市が現在所有するスクールバスの運転手18人のうち、二種免許を持っているのは7人にとどまり、残りは一種免許のみで運転しているのが実情だ。

市教委の担当者は現状をこう説明する。

「二種免許を持つ運転手の確保が難しい状況になっている。市所有の自家用バス方式を拡大することで、旅客運送事業者に限らず、物流・配送にも広げることで運転手の確保を図り、安定的な運行に努めたい」

全国的な運転手不足が深刻化する中、二種免許保有者を確保することの難しさが、富山市でも現実の課題として立ちはだかっている。

安全と人手不足の間で、市の判断が問われる

子どもを乗せるバスだからこそ、より高い資格を求めるのは自然な考え方である。一方で、担い手が確保できなければバス自体が運行できないという現実もある。市議会で「二種免許を前提にすべき」との意見が出たにもかかわらず、市側が「検討する」と述べるにとどめたのは、こうした板挟みの状況を反映している。

学校の統廃合が全国各地で進む中、スクールバスの安全基準をどう設けるかは、富山市だけの問題ではない。地域の子どもたちの安全な通学を守るための議論は今後も続きそうだ。

なお、今月19日に東京都の小学校で児童など11人がケガをする火事が発生したことを受け、富山市教育委員会は臨時で校内の安全点検などを行うよう市内の小中学校などに通知したという。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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