FIFAワールドカップ2026のグループステージ第一戦で、強豪オランダを相手にして二度も追いつく展開で引き分けに持ち込み、貴重な勝ち点1を獲得したサッカー日本代表。
試合後の会見に臨んだ森保一監督からは、かつて自らが指導を受けたオランダの名匠を引き合いに、「オランダの指導者の方々が日本のレベルアップに貢献して頂いたので、感謝したいと思います」と述べ、異例の形で敬意と感謝を表明した。この言葉に、オランダから多くの感動の声があがった。
森保監督は、「オランダ相手にワールドカップで勝ち点1を取るのはそう簡単じゃない。選手達を称えたい。価値ある勝ち点1だった」と振り返った。
会見の最後に司会者が場を締めようとした際、森保監督はおもむろに、「オランダ人の記者もいっぱいおられると思うので、改めてオランダの皆さまに感謝申し上げたいと思っています」と話し始めた。
森保監督は、「私が日本代表になった時、当時プロはまだない時代でしたが、ハンス・オフトさんというオランダ人のコーチに育てていただいた。私だけでなく、日本人の指導者が大きな大きな影響を受けて、今の日本のサッカーの発展に繋がっています」、自ら日本代表選手だったときの恩師オフト監督を紹介。
さらに、「ヤンセン監督というオランダのレジェンドの監督もJリーグ広島の監督をやっていただいて、そしてJリーグ浦和のコーチもやって頂いて、本当に日本のサッカーに貢献して下さったと思っています。ヤンセンさんはすでに亡くなられていますが、去年、私自身もフェイエノールトのクラブハウスに彼が眠っていると家族の方々に聞いて、そこにお参りに行かせていただいた」とオランダ人の恩師との秘話も明かした。
その上で、「その2人だけではなくて、たくさんのオランダの指導者の方々が日本のレベルアップに貢献して頂いたので、感謝したいと思います。ありがとうございました」と述べた。
相手国への敬意と感謝に溢れた言葉に、会場からは拍手も聞かれた。
この森保監督の言葉はオランダでも報じられた。SNSにはオランダ語で、
「この人とチームに敬意を」
「サッカーでこんなに敬意あるスピーチは聞いたことがない」
「とても美しく敬意のあるスピーチだった。日本には素晴らしい伝統がある。昨日の試合後、日本の観客がスタジアムを掃除していたのを見てほしい」
「ここから学べることがたくさんある」
「この正直なメッセージに本当に感謝します」
「世界中の人が日本の礼儀正しさを見習えば、世界はもっと良くなる」
など、感謝や感動を表明し、森保監督や日本を称賛するコメントが多数寄せられた。
一方で、
「つまりこの試合は自分たちのおかげで引き分けたってこと?この監督を育てたのは自分たちだから?」
「日本は良いプレーをしたが、オランダは消極的だった」
と、引き分けという結果で悔しさを滲ませる声もあった。
だが、
「オランダは400年以上日本と良い関係を築いてきた。だからこそ敬意があるんだ」
「日本に旅行に行かないといけないね。本当に素晴らしい人たちだ」
など、森保監督のスピーチで日本のイメージが上がる様子もあったほか、天皇皇后両陛下がオランダ訪問中という事もあり、
「ウィレムアレクサンダー王が天皇陛下と一緒に観戦していたと考えるとすごいね」
とのコメントもあった。
対戦相手への深い敬意と感謝が込められた森保監督の言葉は、オランダの人々に強い印象を与えたようだ。
