暑くなるこの季節、スタミナ補給といえばウナギだ。富山県内でも、こだわりのウナギ専門店が増えており、その独自の技法や素材へのこだわりが注目を集めている。富山市にオープンしたばかりの炭火焼き専門店と、黒部市で生まれた「温泉水仕上げ」のウナギ。それぞれの個性が際立つ2店を訪ねた。

ウナギが「富士山」のようにそびえ立つ 富山市「炭焼うなぎ ふじさん」

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富山市元町に先月オープンしたばかりの「炭焼うなぎ ふじさん」は、注文を受けてから職人が生のウナギを炭火でじっくりと焼き上げるスタイルが特徴だ。

店の名物が『富士うな丼』。炭火で焼いた大きなウナギが2尾、特製タレをたっぷりとかけて縦型に盛り付けられたその姿は、まさに富士山のようにそびえ立つインパクト満点の一品だ。ごはんは600グラム以上で、お茶碗4〜5杯分にも相当するというから驚きだ。

ふじさん富山店の大野誠司さんは、焼き方へのこだわりをこう語る。

「一般的には"焼く"というイメージが強いが、ウナギを"揚げ焼き"で調理。身の中に含まれる脂をゆっくりと焼きながら引き出して、ウナギの脂を利用しながら身と皮を焼き上げる」

この「揚げ焼き」という手法によって、外は香ばしく、かむとフワフワとした食感が生まれる。使用するウナギは、高級ウナギとして知られるニホンウナギだ。

ごはんにも妥協はない。大野さんが様々な富山米を食べ比べした末に選んだのが、上市産コシヒカリの「つるぎ米」だ。ウナギの蒲焼きとの相性を徹底的に追求した結果の選択である。

「和食の中のウナギの価値を大切にし、縦型にして盛り付けすることで、ビジュアル的にも楽しんでほしい。最新のウナギの道を歩んでいけたらいいなと思っている」と大野さんは話す。

そのビジュアルはSNS映えもすることから、若い女性からの注文も多く、グループでシェアして楽しむ客も多いという。ごはんはおかわり自由とあって、がっつり食べたい人にも、みんなでワイワイ楽しみたいグループにも対応できる店だ。

宇奈月温泉で「リフレッシュ」したウナギ 黒部市「北洋の館」

もう一方の注目店は、黒部市生地にある「北洋の館」だ。地元の水産会社が営むカフェギャラリーで、人気メニューが「湯遊うなぎの鰻重」である。

「湯遊うなぎ」とは、宇奈月温泉の温泉水につけて仕上げたウナギのことだ。浜名湖(静岡県)から生きたまま運ばれてきたウナギを、宇奈月温泉の源泉をウナギに適した温度まで冷やした水の中で4〜5日間泳がせる。

北洋の館の松野均さんはその効果をこう説明する。

「宇奈月温泉に入ると体がリフレッシュする。ウナギもリフレッシュして、味も変わる」

さらに、温泉水の中にはユズも一緒に入れる。温泉水とユズの相乗効果によって、ウナギの身が柔らかくなり、臭みがなく、さっぱりとした味わいになるという。実際に食べた印象も「確かにさっぱりしていますね。身もしっかり柔らかい」と、その仕上がりは折り紙付きだ。

この湯遊うなぎは、黒部の新たな名物として注目を集めており、北洋の館だけでなく、宇奈月温泉の宿でも味わうことができる。

「本当はこのウナギ、宇奈月の温泉に入って食べるのが一番だと思う。山で味わい、かつ海でも味わうと。そういうイメージで黒部を散策してもらえるとありがたい」と松野さんは語る。黒部の山と海、そして温泉という地域の豊かな自然資源が一皿に凝縮された、まさに地域ならではの一品といえそうだ。

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富山市と黒部市、それぞれ異なる個性を持つ2店だが、共通しているのは素材と製法への真摯なこだわりだ。揚げ焼きで脂を引き出す炭火仕上げと、温泉水とユズで臭みを抜くという独自の手法。暑さが本格化するこれからの季節、富山でウナギを味わいながら英気を養ってみてはどうだろうか。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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