雪解けが進む初夏の立山室堂で、白いはずの残雪がところどころ赤く染まる不思議な光景が広がっている。「赤雪」と呼ばれるこの現象、今年は「ここ数年では一番」というほど鮮明に確認できるという。
「赤雪」現象が今年は特に鮮やか

標高2450mに位置する立山室堂。6月18日、その雪面には赤みを帯びた模様が点在していた。これは「雪氷藻類」と呼ばれる微生物が繁殖することで起きる現象だ。
立山カルデラ砂防博物館の福井幸太郎学芸員は、「雪の中に住んでいる『雪氷藻類』という生き物が普段より多く繁殖したために、雪が赤く染まっているように見えた」と説明する。
このメカニズムは、海で発生する赤潮と似ている。赤い色素を持った藻が日差しを受けて増殖することで、雪面が赤く見えるようになる。毎年6月ごろの雪解けの時期に見られる現象だが、今年はその規模が際立っている。
「ここ数年では一番」 なぜ今年は広範囲に?
福井学芸員は今年の特異性についてこう語る。「今年は確かにここ数年では一番。かなりはっきり赤雪が見られた。ひょっとすると今年の5月〜6月の雨が少なく、強い日差しを雪面が受ける環境が原因と考えられる」。
今年の立山では、5月の降水量が少なく日照時間が長かったことが記録されており、これが藻の繁殖に適した条件をつくり出したとみられる。雨が少なければ雪面が洗い流されず、強い日差しが長時間降り注ぐことで、藻はより活発に増殖できる。
観光客や登山者からの問い合わせが相次ぐ

この「赤雪」の発生で、観光客や登山者から立山自然保護センターへの問い合わせが相次いでいるという。センターのスタッフはホームページで「こんなに室堂の雪が赤く染まった年は、あまり記憶がない」という声を紹介している。
英語では「ウォーターメロンスノー(すいか雪)」とも呼ばれており、かすかにスイカの匂いがするとされている。立山自然保護センターのスタッフが確かめたところ、「野菜の青っぽい匂いがしたような気がした」とのことだ。
(富山テレビ放送)

