神奈川県川崎市で、まるで”海賊船”のような外観を持つ遊覧船の行政代執行による解体作業が17日から始まりました。
解体されているのは「アニバーサリークルーズ号」と呼ばれる全長24.7メートルの遊覧船で、かつては東京・千葉・横浜などを航行し、客を乗せて営業していたそうです。
約8年前からこの場所に留まり続けてきましたが、工場の船が川を行き来するたびに、遊覧船の存在が危険視されるようになりました。
川崎市は船の所有者・運航会社・桟橋の所有企業に対してたびたび警告を発し、撤去の指示を出してきましたが、「費用が出せない」という回答で、去年2月には強風で船が傾いたこともあり、行政代執行に踏み切りました。
撤去費用は3330万円ほどかかるということです。
■橋下氏 代執行は「最終手段」 府知事時代の保育園イモ畑撤去は「申し訳ない」
このような行政代執行ついて、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した弁護士で元大阪府知事の橋下徹氏は、「最終手段です。やるかどうか、本当に悩みます」と言及。
自身の府知事時代の経験を振り返り、税金によって一旦、撤去費用を負担することなどから判断が難しいことを説明しました。
また府知事時代に収穫間近の保育園のイモ畑を撤去し、批判を浴びたことを振り返り、「園児に申し訳なかった」と反省する一面も見せました。
■「回収不能になり得る」3330万円の費用はどこへ
【橋下徹氏】「(所有企業などが撤去費用を)払えない場合は、回収不能ということになってしまう。
会社が存在しているので『そこにやらせたらいいじゃないか』と思われるでしょうが、日本の法律では強制的に連れて行って働かせることはできない。
資産があるなら回収できますが、資産も何もないとなれば、結局回収不能ということにもなり得る」
■「8年を5年にするか3年にするか」行政代執行は”最終手段”
なぜ8年間もの間、放置が続いたのか。その背景について、橋下氏はこう説明します。
【橋下徹氏】「行政代執行をやってしまうと税金でまず費用を負担しなければならない。だからできる限り会社の方にやらせようという交渉をする。行政代執行をやるにはものすごい手続きを踏まなければならない。最終手段です」
また、所有権の問題にも触れ、「ルール違反であったとしても、所有権は向こうの会社のもの。日本の場合、違法駐車の車でもいきなり撤去はやらない。時間をかけるというのは、民主主義の国のある意味いい面でもあり、悪い面でもある」と語りました。
■橋下氏の苦い経験 収穫控えた保育園のイモ畑を行政代執行で撤去
橋下氏自身も、自治体の長として行政代執行を経験しています。2008年、大阪府知事時代のことです。
当時、建設が進む国道(第二京阪道路)の予定地にあった保育園のイモ畑を行政代執行で撤去した際、わずか2週間後に園児たちのイモ掘りが予定されていました。
橋下氏は当時、「工事が2週間遅れると7億円の通行料の損が出る。なぜ2週間早くイモ掘りをしなかったのか」と発言し、大きな批判を受けました。
番組でその一件を振り返った橋下氏は、「確かに園児の皆さんには本当にかわいそうで申し訳なかった。収用する日は決まっていたのに、その直前にイモ掘りが始まった」と経緯を説明。
自らの発言については「それにしてもこういう言い方はなかったよね」と苦笑いしながら認めました。
「2週間前に電話してイモ掘りしてくださいねって言ってくださいよ」と突っ込まれると、「ほんまやね。その時の知事のときはそんなこと考えてなかった」と素直に振り返る一幕もありました。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年6月17日放送)
