高岡市議会の16日の本会議で、高岡駅南側の土地取得をめぐる質問が相次いだ。「言い値で買ったのではないか」—そんな市民の疑念が議場に持ち込まれた一方、当の出町市長が答弁に立つことはなかった。

8億6000万円、用途も決まらないまま

問題となっているのは、前市長時代の昨年3月に高岡市土地開発公社が取得した高岡駅南側の土地だ。取得額は8億6000万円。出町市長自身がすでに疑問を呈していた案件で、焦点は2点ある。

ひとつは、用途が決まらないまま購入に踏み切ったこと。もうひとつは、評価額を1億円以上上回る価格での取得だ。
16日の本会議では質問に立った議員7人のうち4人がこの土地取得を取り上げた。
「価格交渉を重ねた」でも「議事録に記録なし」
市長政策部の日名田尚明部長は、取得の経緯についてこう説明した。

「本市の今後のまちづくりにとって大変重要な土地であるという考えは現在も変わらない。前の所有者から売却を検討している旨が示され、権利関係の複雑化を回避しておくことが不可欠と当時、判断に至った」
また価格交渉についても、「少しでも抑えるために価格交渉を重ねていく中で、最終的に8億6000万円での取得となった」と述べた。
ところが、総務部の山本真弘部長は別の事実を明かした。

「当時の高岡市土地開発公社理事会の議事録を確認したところ、本件に関して議論された記録は無かった」
交渉の経緯を説明しながらも、意思決定機関である理事会での議論が記録に残っていない—この矛盾が、議会での疑念をさらに深めることになった。
「言い値で買ったのでは」市民の声が議場へ
新高岡愛の植野佳奈議員は、市民から届く声をこう代弁した。

「この高額な価格設定は所有者の意向をどこまでくんだものなのか、市民負担の検討が二の次にされ、言い値で買ったのではないかとの疑問の声が大変多く届いている。市民が納得できる価格交渉があったのか」

同志会の水口清志議員も「当該、土地の取得に至った経緯について伺います」と正面から問いただした。
しかし、これらの質問に対して出町市長が自ら答弁に立つことはなかった。市長自身が疑問を呈してきた案件でありながら、なぜ説明に立たないのか。17日も、市長の認識と説明責任を問う質問が予定されている。

2005年の合併以降、質問議員が最多に
今定例会で質問する議員は20人にのぼり、2005年の市町村合併以降で最多となっている。土地取得問題への関心の高さが、議会全体の活性化にも影響していることがうかがえる。
この日、質問に立った議員の一人はこんな私見を口にした。
「本来しなくてもいい議論に時間を費やしているのかもしれません」
8億6000万円という市民の税金が絡む問題だけに、説明責任を果たすべき場面での沈黙は重い。17日の本会議で、出町市長がどのような姿勢を見せるかが注目される。
(富山テレビ放送)

