富山県内で7年ぶりに麻しん(はしか)の患者が確認された。全国では今年に入りすでに523人の感染が報告され、去年1年間の2倍近くに達している。流行拡大への懸念が高まる一方、専門家は「過度に心配する必要はない」と冷静な見方を示す。その根拠と、本当に気をつけるべきポイントとは何か。

「高熱が出て、身体に発疹」 はしかの典型的な経過

国立感染症研究所提供 はしかウイルス
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はしかは感染力が極めて強いウイルス性の感染症だ。県衛生研究所の大石和徳所長は、その特徴をこう説明する。

「非常に感染性の高い空気感染するウイルス。粘膜に炎症を起こす。カタル期という病気が起こる。熱が出てきて、一旦下がってからまた高熱が出てくる。そのあとに顔や体に発疹が出てくる」

まず発熱・鼻水・せきなどが現れる「カタル期」があり、いったん熱が落ち着いたのちに再び高熱と皮膚の発疹が広がるという二段階の経過が特徴的だ。

国立感染症研究所 提供
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感染力の強さも要注意で、手洗いやマスクだけでは予防できないとされている。空気感染するウイルスであるため、同じ空間にいるだけで感染するリスクがある点が、インフルエンザなどとは大きく異なる。

「実は集団免疫ができている状態」

全国的な感染者数の増加を受け、富山県内でさらなる患者が発生する可能性があるとして、県は注意喚起を行っている。しかし大石所長は、社会全体の免疫状況について次のように述べ、落ち着いた見方を示した。

「国民の95%は麻しんウイルスに対する抗体を持っている。『集団免疫』ができている状態。通常の感染者が起こす病気よりも程度が軽い。感染しても外にウイルスを排出する量は少ない」

資料
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はしかは小児を対象とした定期予防接種が長年実施されており、社会全体ではすでに高い免疫保有率が確立されている。集団免疫の状態にある現在では、かりに感染が起きても重症化しにくく、他者へ広がるリスクも抑えられていると専門家は見る。

海外渡航者は要注意 「2回接種の確認を」

一方で、特に注意が必要な人がいる。海外で感染し、帰国後に発症するケースが多いことが、国内での患者発生の一因となっているからだ。

大石所長はこう呼びかける。

「ワクチン接種歴を調べてもらいたい。2回接種が確認できない人、渡航先がウイルスのまん延している国など、接種を受けてから渡航する。そういう流れを作れればいい」

定期接種では2回の接種が推奨されているが、自分の接種歴を把握していない人も少なくない。海外渡航を予定している場合は、出発前に母子手帳や医療機関で接種履歴を確認し、2回接種が完了していなければ接種を受けてから渡航することが重要だ。

まずは「自分の接種歴の確認」から

国立感染症研究所 提供
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富山県内での7年ぶりの患者確認は、決して対岸の火事ではない。ただし、闇雲に不安を抱く必要もない。大石所長が示すように、国民の大多数がすでに抗体を持ち、集団免疫が機能している現状がある。

今すぐできる行動は、自分と家族のワクチン接種歴の確認だ。特に海外渡航を控えている人にとっては、この確認が感染予防の第一歩となる。富山県も注意喚起を続けており、不安な点は最寄りの医療機関や保健所に相談することをすすめる。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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