シーズン真っ只中のサクランボ。
長い期間保存するためのガスを使った新しい技術が事業化することになった。
より長く・そして遠く離れた海外でもサクランボを楽しめることになる。

真っ赤に輝くサクランボ。山形を代表する初夏の味覚。
収穫してからおいしく食べられる期間が短い果物だが、なんと「最大8週間」鮮度を保てるようになった。

この技術を開発したのは、家庭用や医療用などのガスを販売する山形酸素。

このサクランボは、どちらも67日・9週間以上保存された紅秀峰だが、見比べるとその差は一目瞭然。
普通に冷蔵庫で保存したものは色が黒く変色しシワシワに、一方は、変色もなく、つやつやなまま。

いったいなぜ、サクランボの鮮度を保てるのか。

山形酸素・柏倉将光執行役員新規プロジェクト担当
「大げさに言うと時を止める」

長期保存のカギとなるのは特殊なガス。
空気中にある成分の中からサクランボの保存に効果的なものを選び、ちょうどいい配分で調合されている。
専用の袋にこの「特殊なガス」で充満させると、「サクランボの時間」を止められるという。

山形酸素・柏倉将光執行役員 新規プロジェクト担当
「今までサクランボは収穫するとすぐに物流にのせなければいけなかったが、一時的に保管ができるので、例えば農家さんで倉庫に一度入れてから出荷するとなれば時間・人手の余裕ができると思う」

プロジェクトが始まったのは5年前。
何十通りもの成分の組み合わせを考え、2023年度からは県と鶴岡市の慶応義塾大学先端生命科学研究所の協力を得て研究を進めてきた。
2024年からは、イギリスやタイなど時間がかかる海外に輸送しても、鮮度や食味の数値に問題がないか検証を重ね、現地のバイヤーから高い評価を得た。

タイのバイヤー
「ジューシー」

そして2025年のイベントでは約2カ月保存されたサクランボの試食も行われた。

試食した人は
「すごい!50日?でも甘い」

技術は進歩を続け今年ついに消費者の手に届く。商品名は「TIME MAGIC」。
「最大8週間」鮮度を保てることで、これまで県全体の収穫量の1%未満にとどまっていた海外への輸出が、大きく増えるかもしれない。

山形酸素・柏倉将光執行役員 新規プロジェクト担当
「5年の時を経てようやく商品化。色々な人の協力を得ながらサクランボを届けることができる。さらに今回は海外に輸出することもあり、今まで届いていなかった、いわゆる『山形のサクランボ』が海外にある価値をしっかり伝えていきたい」

今年はシンガポールの富裕層をターゲットに、紅秀峰とやまがた紅王を合わせて80キロから100キロ、販売する予定で6月下旬から発送され、現地の百貨店に並ぶ。

国内は予約販売のみで、「紅秀峰」を100箱限定で販売。山形酸素は6月15日、国内販売向けの特設サイトを立ち上げ、29日から予約の受け付けを開始。7月中旬から順次、発送される。
今回は東南アジア・シンガポールだけの販売だが、今後は中東・ヨーロッパの富裕層へ広げたいとしている。

さくらんぼテレビ
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