俳優の大東駿介さんが、訪れた街のうんちくや、まだ地元住民にも知られていないような魅力を探す「発見!てくてく学」。

今回訪れたのは、神戸・元町エリア。

1868年の神戸港開港をきっかけに、異国からさまざまな文化が取り入れられてきた神戸。中でも地元に根付いているのが、日本屈指の「洋食文化」だ。

元町駅の周辺だけでも10軒以上の洋食屋が集まり、おいしそうな香りが街を包んでいる。

大東駿介さん:神戸の洋食自体が独自の進化をしているんですか!

今回は、神戸っ子たちお気に入りの洋食屋を徹底リサーチしながら、神戸洋食のルーツにも迫る。

■創業113年の洋服店で”推し洋食屋”を聞き込み

まず大東さんが立ち寄ったのは、元町商店街にある洋服店「KOBE ZAC-ZAC」。社交ダンス用のドレスなどが並ぶ113年の歴史がある店だ。

神戸の洋食について尋ねると、店主からすぐに返ってきたのは「一平さん」という洋食屋の名前だった。

「グリル一平」は1952年に神戸・新開地で開業し、4店舗を展開する老舗洋食屋。

おすすめメニューは「オムライス」とのこと。ケチャップベースのソースが「一平さんらしい」味だと教えてくれた。

グリル一平のオムライス
グリル一平のオムライス
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■ミセスコンテスト出場者も太鼓判の「グリル十字屋」

続いて声をかけたのは、40代以上の女性の知性や美しさを競う大会「ミセス日本グランプリ」に出場したメンバーのみなさん。

話を聞くと、みなさん60代以上で、中には78歳の方もいるということで大東さんも驚きだ。

大東駿介さん:嘘でしょ!なにこのエネルギー。

そんな素敵な方々がおすすめしてくれたのは「グリル十字屋」。

1933年に神戸旧居留地に開業した老舗洋食店だ。

女性:『昔ながら』の感じですかね。安心感がある。

モデルウォーキングの先生と一緒に訪れ、「きらびやかな世界に初めて触れた場所」だったと懐かしそうに語ってくれた。

みなさんパワフル!
みなさんパワフル!

■大正創業「伊藤グリル」で神戸洋食のルーツを知る

聞き込みの後、大東さんが向かったのは、元町商店街のすぐ近くにある老舗洋食店「伊藤グリル」。

1923年(大正12年)に開業し、現在は四代目オーナーの伊藤亨治さんが腕を振るっている。

神戸洋食のルーツについて伊藤さんに尋ねると、大きく2つのパターンがあるという。

伊藤亨治さん:船のコックをしていて、その方々が陸に上がって店を開業するというパターンと、もう1つは、ホテルで修行された方がそのまま開業する。

神戸港に集まる船の料理人たちが陸に上がり洋食を広めたこと、そして旧居留地で外国の人々をもてなしてきた旧オリエンタルホテル出身の料理人たちが独立したこと。この2つの流れが、神戸洋食の礎を築いたのだ。

伊藤グリルの初代も、船のコックだったそうだ。

神戸洋食のルーツは2つ?
神戸洋食のルーツは2つ?

■103年受け継がれるビーフシチューと炭火焼きステーキ

伊藤グリルの名物は、開業当時から続くビーフシチューと、三代目が始めた炭焼きのステーキの”二本柱”だ。

大東駿介さん:思ってたのと全然違う。シチューっていうから、ああいうシチューやと。美味しい!これが『神戸の洋食』か!

伊藤グリルのビーフシチューはスープ状ではなく、旨みが凝縮された煮込み料理だ。
船の中では一度火を入れたら再び使えるため、煮込み料理が重宝されたのだという。

続いて登場した炭火焼きステーキは、3代目がGHQのコック時代にアメリカからの物資の安価な肉を七輪の炭火で焼いたところ、大好評だったことがきっかけで生まれたメニュー。

大東駿介さん:口の中にまず香りが飛び込んでくる。鼻に香りが抜けた瞬間に、この肉の脂がじゅわっと。恐ろしい食べ物やな!

103年もの間、進化しながら受け継がれてきた伊藤グリルの洋食。そのバトンを次に受け取るのは、五代目候補の息子・麟太郎さんだ。

麟太郎さん:地元のみんなに愛されるような、またこの味をいろんな地方の人にも知ってもらえるような、そういうお店にしていきたい。

炭火焼きステーキ
炭火焼きステーキ

■同じ名字に運命を感じた「グリル大東」

伊藤グリルを後にした大東さんは、元町エリアから続くトアロードへ。

そこで目に飛び込んできたのは、なんと自分と同じ名字の洋食店「グリルDAITO」だった。

大東駿介さん:そりゃ気になるわ!

2022年にオープンしたグリル大東は、店主の大東文彦さんとソムリエの妻・沙織さんが営むお店。定番の洋食からワインに合う大人のメニューまで、幅広い料理が楽しめる。

大東さん夫婦がオーナー「グリルDAITO」
大東さん夫婦がオーナー「グリルDAITO」

■「大東の味を継ぎたい」叔父と叔母に感動

実はこの店にも、神戸洋食のルーツが息づいている。

文彦さんの祖父・大東八郎さんは、「太平洋の女王」と呼ばれた豪華客船・浅間丸でコックを務めた人物。

その技術を基に1932年にオープンした「ハイウェイ」というレストランは、神戸を代表する洋食屋の1つとして人気を博していた。

大東文彦さん:叔父がまだ現役で三宮で洋食屋をやっているんですけど、80過ぎてるんですけど。たまたま食べに行ったときに、改めて叔父・叔母の姿に感動というか尊敬というか。

何十年も続けてる姿にめちゃめちゃ感動して。『大東の味』を継いでいけたらなという気持ちになって。

大東文彦さん
大東文彦さん

■揚げないコロッケと肉汁あふれるハンバーグの”大東家の味”

グリルDAITOの人気ナンバーワンメニューは、ハンバーグとカニクリームコロッケ「浅間丸風」のセット。

カニクリームコロッケは、船の上では油調理が難しかったことから、揚げずにオーブンで焼くスタイル。柔らかすぎないギリギリの濃度のベシャメルソースとカニを合わせている。

大東駿介さん:これはもう『大東のカニクリームコロッケ』やわ。めちゃくちゃ美味しい。大東の宝やで!

かつて「ハイウェイ」に通っていたお客さんがグリルDAITOを訪れ、当時の思い出を語ってくれることもあるそうだ。

大東文彦さん:僕の料理を召し上がったときに懐かしいなり、当時のこと思い出したなりって話を聞くと、始めて良かったなっていう気持ちになる。

大東駿介さんは2つの洋食店を巡り、こう振り返った。

大東駿介さん:船の中で限られた空間で、喜んでもらう料理人の意地みたいなプライドみたいなものが根源にあって。自分も同じ料理で挑戦してみたい、本当にこの料理で勝負したいんだっていう意志が見事に繋いでいってるのが、それが『神戸洋食』にあるんだなと分かりました。

ビーフシチューにステーキに、ハンバーグにカニクリームコロッケ…今回も食べ過ぎた大東さんだった。

(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」2026年5月21日放送)

「大東の宝!」と太鼓判を押した人気メニュー
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