県議会の議員らによる高額な海外視察が問題視されている福岡県で、渦中の人物が記者会見を行いました。
“福岡県議会のドン”と呼ばれる蔵内勇夫議長(72)です。
福岡県議会・蔵内勇夫議長:
実は…あの契約事項にタッチをしておりませんでしたのでよく分かりませんでしたが、我々からどこに泊まりたいとか、どのホテルがいいとか、そういったことは一切申し上げることはございません。
時折、表情を崩しながら会見に臨んだ蔵内勇夫議長。
自身も海外視察を繰り返してきた蔵内議長は、「私あの…“海外旅行”は続けますと、その考え一切変えることはございません。あっ…“海外旅行”じゃありません“海外活動”です」と釈明を重ねました。
批判の的にさらされている“海外活動”とは一体どのようなものだったのでしょうか。
その一例として“ハワイ視察”を見てみます。
エメラルドグリーンの海が広がるワイキキビーチのまさに目の前。
2025年1月の視察では、県議4人と同行職員らがホノルルにあるこの高級リゾートに宿泊しました。
その料金はスタンダードで1泊11万4600円。
国家公務員などの旅費支給を定める法律では、総理大臣の基準額でホノルル1泊7万5000円と定められていて、県議らの宿泊額はそれを大幅に超えています。
旅行アナリスト・鳥海高太朗さん:
シェラトン・ワイキキは、例えば新婚旅行であったり、奮発して泊まるホテルの一つ。(Q.出張で使うホテルはどんなところ?)一泊200ドル、約3万円で泊まれる所も多くある。
このハワイ視察でかかった費用の総額は1190万円余り。
県議1人当たりに換算すると約300万円となります。
こうしたハワイ視察は2022年から2026年1月まで少なくとも7回行われていて、うち4回はシェラトン・ワイキキに宿泊していました。まるで定宿です。
さらに、県議らが視察した異国の地はハワイだけではありません。
例えば、2024年にはタイ・フランス・韓国・オーストラリア・エジプトなど11回の視察を実施。
FNNの調査では2024年1月から2026年までに、約1億5000万円の公費を使って少なくとも18回の海外視察が行われた一方、県議会が公開している視察報告書はわずか2件のみです。
また別の調査によれば、現在議長の蔵内氏も2023年からの3年間で合わせて12回海外視察に参加しているということです。
加えて福岡県議会の海外視察が高額と批判されるようになった理由の1つは、業務を委託する旅行会社との契約方法にあります。
入札方式ではなく特定の業者と個別契約を結ぶ「随意契約」を結んだ後、当初の契約額から大幅に増額しているのです。
例えば2024年1月のハワイ視察では、旅行会社との委託契約額が最終的に7.7倍以上にアップ。
こうした契約方法に対して批判が高まり、県は6月に見直す方針を明らかにしています。
高額な海外視察に自ら度々参加してきた県議会のトップは何を語るのか。
蔵内議長は会見の冒頭、用意した文章を読み上げました。
福岡県議会・蔵内勇夫議長:
(Q.海外視察の“契約”について)契約については議会は全く権限がありません。議員は関与していなかったので、その内容については私には分かりません。
契約の透明性確保や海外視察の報告について、今後、力を入れていく必要があるとする一方、繰り返される海外視察そのものについては必要性を強調しました。
また、遅くとも2024年から続いてきた視察費用の大幅な増額についての質問には「実は…あの契約事項にタッチをしておりませんでしたので、よく分かりませんでしたが…、物価高による飛行機代が極めて高くなったこと、またホテル等の宿泊費、円安もありますし、またこれに最近ではイランの紛争もかなり影響を及ぼしていると」と回答しました。
そして、ハワイ視察での1泊11万円の宿泊代が高額すぎるのではないかと問われると「高額だと思います。しかしそのホテルに着いてはじめて部屋が提示されます。私たちの方からどのようなホテルがいいとか、どのホテルに入りたいとか、そういったことは一切言ったことはございません。特段、特別な部屋ではなかったと思います」と述べました。
その上でたとえ高額だとしても、将来的に福岡の発展に必ずつながる視察だとの考えを強調。
そして「私あの…“海外旅行”は続けますと、その考え一切変えることはございません。あっ…“海外旅行”じゃありません“海外活動”です」と話しました。
この会見から一夜が明けた12日、福岡県の服部誠太郎知事は会見そのものを「議長のおっしゃったこと、いちいちについてコメントは差し控えさせていただきます」と評価しました。