最悪で死者1万8000人と想定されている首都直下地震について、政府は新たな基本計画を公表しました。
新たに加わった目標の1つが在宅避難です。
対策の鍵になるマンション防災の取り組みを取材しました。
東京・江戸川区の大規模マンション「なぎさニュータウン」。
夕方、管理人が不在となった時間帯に始まったのは夜間訓練です。
集まったのは、お年寄りを含むこのマンションの住民。
訓練に初めて参加する人もいます。
防災会の会長:
きょうは夜間訓練ということで、夜、地震が起こったときに災害対策本部を立ち上げるということで集まっていただきました。
訓練のシナリオは平日の夜、大地震が発生。
これまでの訓練で主要メンバーだった人たちは帰宅困難で来られないという設定からスタートします。
備蓄倉庫にしまってある「災害対策本部 立ち上げ手順」と書かれたアクションカードだけを頼りに普段、マンションの自治会で防災を担当していない人たちが中心となって行う訓練です。
なぜ今、マンションでのこうした訓練が行われているのか。
12日、閣議決定した新たな防災対策基本計画。
その中で、政府は避難所に人が集まりすぎることを防ぐ在宅避難を推奨しています。
その対策の1つが、マンション防災。
住民だけで、いかにスムーズに避難ができるのか。
取り組みを行っている住民たちを取材しました。
真っ暗な会議室に備品を持ち込みライトをつけていくと、手作りの対策本部ができてきました。
順調に作業を進めますがトラブルも。
無線機の設置がうまくいかなかったり、設置した電気が急に切れることも。
開始から、約30分。災害対策本部は住民の手で立ち上がりました。
訓練後に行った反省会では、ガイドラインについて今よりも分かりやすく掲載してほしいなどの意見が交わされました。
こうしたマンション防災はここだけではありません。
中央区勝どきのタワーマンションでは、屋内階段をひたすら上るイベント、その名も「健脚さんチャレンジ」。
地震でエレベーターが長期間止まったと想定し、43階・804段を上り切れるかに挑む防災訓練です。
有事の際の体験をしてもらい、防災意識の向上につなげる狙いです。
さらに、別のマンションでは警察や消防が駆け付けられないケースを想定して、ベランダにある隣の部屋との間の仕切り板を蹴破る訓練も。
政府の新しい基本計画では、年1回以上防災訓練を行うマンションの割合や、食料を3日分以上備蓄している家庭の割合をいずれも100%にすることを目指しています。
在宅避難が増えることで地震のあとも自宅やマンションにとどまれる人を増やし、避難所の過密やそこでの体調悪化、災害関連死のリスクを少しでも減らすことが狙いです。
首都直下地震に備える一歩は、住民同士の自助や共助への備えから始まっています。
山崎夕貴キャスター:
住民たちが自分たちの手で防災に取り組む姿が印象的でしたけども、政府が掲げる大きな目標は首都直下地震での死者数を半数以下とすることです。具体的な対策については感震ブレーカーを2035年度までにおおむね設置すること。
そして、家具の固定率を今後10年で100%に。そして食料と飲料水の3日分以上の備蓄を今後10年で100%にすることを目指すというものです。
榎並大二郎キャスター:
目指すうえでは私たち一人一人の行動が鍵になるわけですから、いかに明日、災害があるかもしれないと自分ごとにできるかっていうのが大事だと思います。