富山市議会の6月定例会が11日に開会し、来年10月からの家庭ごみ有料化に向けた条例改正案と、4億1800万円あまりの補正予算案が提出された。注目は指定ごみ袋の導入だけでなく、「燃やせるごみ」を「燃やすしかないごみ」に改める名称変更案も含まれている点だ。ユニークな取り組みの背景には、「すごい劇的な効果があった」という先行自治体の実績がある。
1リットルあたり1円、不法投棄対策も同時に
今定例会に提出された条例改正案では、有料の指定ごみ袋に1リットルあたり1円の手数料を課す方針が示されている。あわせて補正予算案には、不法投棄防止対策を呼びかける看板の設置費などとして1500万円が計上された。

ごみ処理にかかる経費は、燃料費や人件費の高騰を受けて近年増加傾向にある。富山市はこうした状況を踏まえ、昨年度から家庭ごみ有料化について検討を重ね、実施方針を策定してきた。
議会内では賛成意見が多い一方、不安定な中東情勢の影響で指定ごみ袋の価格が高騰している現状を踏まえ、この時期の導入を疑問視する声もあり、今定例会での論戦が注目される。
「燃やすしかないごみ」、全国で広がるユニークな名称

今回の実施方針には、「燃やせるごみ」という呼び名を「燃やすしかないごみ」に変更するという案も盛り込まれている。実は全国の自治体でこうした個性的な名称が広がりを見せている。

例えば長崎県島原市は「どがんしてん燃やすしかなかごみ」。地元の方言を盛り込んだインパクトのある名称だ。徳島県徳島市は「分別頑張ったんやけど、燃やすしかないごみ」と名付け、「頑張ったんやけど」という言葉の中に分別への意識を自然と呼び起こす工夫がある。

全国で最初に「燃やすしかないごみ」という呼称を導入したのは、福岡県柳川市だ。2021年にこの名称へ切り替え、その効果は数字にはっきりと表れた。
柳川市では5年でごみが20%減少
柳川市生活環境課の樺島貴信課長は、導入のきっかけをこう語っている。

「誰もが毎日目にするごみ袋自体をメッセージツールにできないかと思った。(導入で)すごい劇的な効果があった。(導入以前の)5年前と比べると、20%ほど(ごみの量が減った)」

ごみの量が5年間で20%も減少したというのは、名称変更だけの話ではない。柳川市では名称変更と同時に、可燃ごみ袋の値段をそれまでの倍に引き上げ、一方でプラスチック・ペットボトルの袋は半額に引き下げた。「分別すれば得をする」という仕組みをセットで設計したのだ。
樺島課長はこう続ける。「ルールを厳しくするとか、値段を一方的に上げるというだけでは、なかなか分別、ごみの減量は浸透しない、長続きしない。どういったことをすれば皆さんの協力が得られるのか、少しずつ実践してきた」。
市民の関心を高め、行動を変えるための仕組みを丁寧に積み上げてきた姿勢が、柳川市の成果につながっていた。
全国平均を10%上回る富山市のごみ排出量

富山市のごみ排出量は、2023年度の実績で市民一人1日あたり527グラム。これは全国平均を10%上回っている数字だ。有料化と名称変更という二つのアプローチが、富山市民の分別意識や排出量にどう影響を与えるか、柳川市の事例は一つの目標となりそうだ。
家庭ごみは、私たちの日常生活に身近な問題のひとつだ。今定例会での議論の行方とともに、指定ごみ袋を手にするたびに「燃やすしかないごみ」という言葉が意識を変えるきっかけになるかもしれない。
(富山テレビ放送)
