【原竹】
「核のゴミ」の最終処分場の選定をめぐり、玄海町を対象とした文献調査が始まって10日で2年です。
核のごみの議論は、今後どう進んでいくのでしょうか?
高レベル放射性廃棄物。いわゆる「核のゴミ」。
原子力発電で出た使用済み核燃料は、約95%は再利用されますが、約5%は放射線を発する廃液として残ります。
これを、溶かしたガラスと一緒に固めたものがガラス固化体。
高レベル放射性廃棄物と呼ばれるものです。
玄海原発3・4号機を1年運転すると単純計算で約50~70本が発生するとされています。
このガラス固化体は安定した状態ですが、強い放射能を持っていて、安全なレベルになるまでに数万年かかります。
これを長期間保管する方法として考えられているのが地層処分です。
地層処分とは地下300メートル以上にガラス固化体を保管する方法で、火山の近くや活断層の近くなど、環境が不安定な場所に計画されることはありません。
そして2年前の5月。
【玄海町 脇山伸太郎町長】
「特定の地域だけの問題でないと考えている。玄海町での取り組みが、日本社会にとって欠かせない最終処分事業への関心が高まるのにつながり、国民的議論を喚起する一石となればとの思い」
玄海町の脇山町長が「文献調査」受け入れを表明。
火山や断層、鉱物資源などについて文献やデータから調べる作業が続いています。
【原竹】
処分場選定のプロセスはこのようになっていて、現在、玄海町で進んでいる文献調査はこの段階になります。
調査を行っているNUMOは文献調査の期間を「2年程度」としていて、取材に対し「いつ調査結果を示すのかお教えすることはできない」としつつ、「対話の場は継続的に行っていく」としています。
【キャスター】
文献調査の結果が良ければ次の概要調査に進むんでしょうか。
【原竹】
その点に関しては、山口知事と玄海町の脇山町長の意見を聞き、その意見に反して次の段階に進むことはありません。こちらをご覧ください。
5月、山口知事は改めて概要調査を受け入れない考えを示しました。
【山口知事】
「玄海町で実施されている文献調査についてはこれまでと同じです。佐賀県は十分国のエネルギー政策に貢献をしていると思っておりますし、やはりこの課題については国全体で、都市部も含めて議論をしながら、国が考えていく課題だというふうに思っています」
【原竹】
一方、玄海町の脇山町長は概要調査について「文献調査の結果を見ながら自分の責任を果たさなくてはならない」「住民の安心につながる結論を出したい」としていて、賛否を問う住民投票が行われる可能性もあります。
一方、総務省は6月初め、原発の建て替えに関する方針を福島原発の事故から15年経ち初めて数字で示しました。
経済産業省は今後、電力需要の増加や中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりから2040年代までに2~5基、2050年までに11~14基の建て替えが必要だとしています。
また、国のエネルギー基本計画では、原発を運営する電力会社が同一であれば、違う敷地内での建て替えが容認されています。
例えば九州電力では、玄海原発1・2号機の廃炉に伴い、鹿児島県の川内原発の敷地内に原子炉の建て替えが可能となります。
九州電力も長期経営計画の中で次世代革新炉の開発・設置に向けて検討を進めるとしていて、より安全性の高い原子炉への転換が進みそうです。