気になる疑問やニュースの「ナゼ」を解き明かす「どうなの?」です。

総務省によりますと、15歳から34歳までの働いていない若者、いわゆる「ニート」はコロナ禍以降徐々に増加していて、2024年には約61万人となっているんです。

山崎夕貴キャスター:
近年、人手不足も叫ばれていますが数万人ずつ増えている状況なんですね。

一方で海外に目を向けてみますと、日本とは定義が少し違うんですが、イギリスでは16歳から24歳のニートが約100万人いるとされていて若者の8人に1人の割合だというんです。

このまま対策をしないと将来的にはさらなる増加も指摘されています。

10日の「どうなの?」は「若者怒りのブーイング 世界中でニート増加?」について見ていきたいと思います。

安宅晃樹キャスター:
5月、イギリス政府は若者の雇用に関する報告書を公表しました。その中で16歳から24歳のニートが101万2000人だと報告されたわけなんですね。ちなみに、2025年の山形県の人口に匹敵する数字なんです。
ニートの約6割が仕事を探していない状態で、一度も“就業経験がない”ということなんです。将来的には125万人以上に拡大する可能性があるというところで、イギリスとしてはやはり雇用支援などを行っているということです。

榎並大二郎キャスター:
ニートっていうと日本だと就労意欲がない人というイメージですが、イギリスはニートの定義を日本と違って職を探している人も含んでいるんですが、それでもすごい人数ですね。どうしてここまで増えてしまったのでしょうか。

安宅晃樹キャスター:
その要因についてイギリスの公共放送BBCによりますと、過去20年間で約160万件も求人が減少したと。特に若者は仕事不足に直面していて、仕事がAIにとってかわられる時代になっている。若者からすると「働いたことなく自信がない」といった背景があるというんです。
こういったAIと雇用の動きは他の国でも起きていまして、アメリカではこうした不満というのがあるわけです。アメリカのアリゾナ大学の卒業式で元グーグルのCEO(最高経営責任者)を務めたエリック・シュミット氏が講演したんですが、拍手喝采などのイメージではなく異例の事態となりました。
大企業の元CEOに向けられたのは歓声ではなくブーイング。そのスピーチの内容は「私たちはいま変革の瀬戸際に立っています。AIはあらゆる職業、教室、病院、研究所、人、交友関係に影響を与える。私は皆さんの多くがどう感じているか分かってる。恐怖が存在している」というものでした。ブーイングはAIについて触れた瞬間でした。若者がAIに対して抱く“負の側面”が浮き彫りになっているんです。
このスピーチは約15分間だったんですけれども、少なくとも8回大きなブーイングがありました。このAIの開発が雇用に対して悪影響を及ぼすとして、若者の間で危機感が広がっているというのです。
さらに、アメリカだけではありません。若者の失業が常態化しているインドでは、政権批判の動きにまで発展しているんです。
きっかけは5月のことですが、最高裁の長官が失業中の若者について“害虫のような若者たち”がいると、やゆするような発言をしたわけなんです。これに怒った若者が害虫の名前を使った架空の政治団体のSNSアカウントを作ったんです。すると若者を中心にフォロワーが集まって2276万人を突破。この数字、インド与党の公式アカウントの2倍以上になったんです。
先週末、大規模な街頭デモが行われました。インドの首都ニューデリーに集まったのは数百人の若者たち。害虫の名を冠した架空の新党が教育への不満を抱く若者たちを主導し、政府に対する初めての街頭デモを行いました。

榎並大二郎キャスター:
インドってもともとIT企業が盛んな国ですけど、このAIの普及で高学歴の若者でも仕事が見つけられないという状況なんですね。

三宅正治キャスター:
もともと不満があったところにその失言があったから、さらに火がついちゃったということなんでしょうね。

安宅晃樹キャスター:
様々な国でこうしたAIと雇用の不安という感情が起きていますが、今後どうなっていくのか国際情勢に詳しい専門家に聞きました。
経済産業研究所コンサルティングフェローの藤和彦さんによりますと、この海外で広がっているのは「ホワイトカラー」、事務作業や知識労働の職種のほうが仕事が少なくなる問題で、「ブルーカラー」の仕事、例えば力仕事の運送や建築業が高給取りになりつつあるという流れが、今アメリカなどであると。AIでは代替できない、人間にしかできない仕事に希少性が生まれていると指摘します。

三宅正治キャスター:
これ日本への今後の影響みたいなのは、どんなふうに指摘されているんですか。

安宅晃樹キャスター:
その点、藤さんは日本への影響は「比較的起きにくい」と指摘しています。その理由として、少子化で若者が減っていることから若者の売り手市場が続くのではと。また、IT技術をうまく活用しきれていない日本企業が多いことも理由の1つだといいます。

遠藤玲子キャスター:
少子化だからということで、それ自体がなかなかプラスに捉えられないんですけど、子どもを教育しているとAIの進化が早すぎて、どうやって子どもたちに将来についてこうしたほうがいいよとかガイドしてあげればいいか悩むんですよね。

榎並大二郎キャスター:
そういう学びの場だったり研修の機会をもっともっと提供してほしいし、そこに備えてほしいですよね。

安宅晃樹キャスター:
10日の「どうなの?」は「若者怒りのブーイング 世界中でニート増加?」について見ていきましたが、このニート増加の背景にあったのはAIの台頭によって今、世界中で若者の雇用不安の声が高まっているということ。
一方で、深刻な人手不足や少子化が続く限りは、AIを背景にした若者の失業というのは日本では起きにくいという専門家の指摘の声も聞かれました。

榎並大二郎キャスター:
海外と日本では雇用の在り方に違いがありますが、ただ今の諸外国の状況、対岸の火事としないでしっかり今のうちにできる対策を考えていってほしいと思います。