噂の現場を取材、「モクゲキ」。今回のテーマは「札幌市営地下鉄の延伸」です。
ここ数年の大雪やバスの運転手不足などで、地下鉄を郊外まで延ばしてほしいという声が高まっています。
前回は東豊線・福住駅から清田区方面へ延伸する案をお伝えしました。
今回は東西線・宮の沢駅から手稲区方面への延伸です。
新たなプランが発表されました。
「地下鉄東西線の延伸は交通の利便性向上だけではなく、地域の活性化、そして防災機能の強化、さらには将来のまちづくりにもつながる大変重要な取り組み」(地下鉄東西線手稲区延伸期成会連合会 平川登美雄会長)
5月31日、札幌市手稲区の北海道科学大学で開かれた「手稲区延伸を望む会」。
地元選出の国会議員や期成会のメンバーら約80人が参加しました。
大学のプロジェクトチームからは新たな地下鉄延伸案が発表されました。
それは…「高架式膜構造シェルター」。
「コストを少しでも削減する方法がないかと考えた時に、トンネルを掘る方法に比べると『高架式膜構造シェルター』でやると2割~3割コストを削減できる可能性がある」(北海道科学大学 苫米地司理事長)
北海道科学大学の苫米地理事長によりますと、一部区間を高架式にして「膜構造」という方法でシェルターを造ります。
「膜構造」は「つどーむ」の屋根にも使われているもので、太陽の光を通し、大雪にも耐えられます。
高架橋には太陽光パネルも設置。
1キロ400憶円かかる地下鉄延伸の建設費は、最大3割削減できる可能性があるということです。
「手稲というのは先があるんですよ。JRでまっすぐ行くと小樽があってその先には石狩。そういう意味で手稲を拠点として石狩・小樽が交差している。手稲までの地下鉄延伸は札幌西部の開発にとっては絶対必要」(苫米地 理事長)
「樽川通りと下手稲通りが交わるこの交差点付近、北海道科学大学も近いこの場所のあたりに地下鉄東西線を延伸し、新駅を建てる案が浮上しています」(八木隆太郎フィールドキャスター)
期成会らが求めるのは東西線の終点・宮の沢駅から西へ6キロ延伸し、新たに2つの駅を建設する案です。
一つ目の駅はJR手稲駅に接続。
終点となる駅は北海道科学大学の周辺に。
病院や運転免許試験場へのアクセスも向上します。
「賛成です。手稲まで伸ばしてもらえるとすごく助かります」
「大変だよ、冬になったら。地下鉄速いでしょ」(いずれも手稲区民)
「(手稲は)病院、ていねプール、安いスーパーもあるので家族で行けるのは大きい」(西区民)
JR手稲駅の1日の乗客の数は約1万3000人で、利用者は北海道内で4番目の多さです。
しかし大雪が降るとJRの運休やバスの遅れが相次ぎ、地元の住民には「冬の通勤・通学は不便だ」という声が根強くあります。
6月1日、地元選出議員らは片山さつき財務大臣へ地下鉄延伸の補助金増額などを求める要望書を提出しました。
片山大臣からは「皆で考えていきましょう」と前向きな回答が得られたといいます。
札幌市は2026年度、地下鉄をはじめとした公共交通のあり方を調査するため1000万円の予算を計上しました。
期成会が札幌市に提出した署名は3万6000人分。
地元では今後、活動をさらに強化していく方針です。
地下鉄東西線・手稲延伸のカギはどこにあるのか。専門家に話を聞きました。
呉工業高等専門学校の神田教授は「大学や病院、免許試験場など、公共交通機関を使う若い世代が利用する施設がある地域で魅力がある。建設方法などコスト削減の議論はこの時代必須だ」とした上で、「札幌市が点と点ではなく、全体の面としてどういったまちづくりを目指すのか打ち出すことが大事だ」と指摘しました。