「eモータースポーツ」それは、レーシングゲームを使って世界各国のドライバーと競うeスポーツのひとつ。時間による環境の変化や、タイヤの摩耗に燃料管理までリアルとの親和性が高いのが特徴だ。世界で活躍する選手のなかにはeモータースポーツとリアルモータースポーツの二刀流もいる。リアルとバーチャルの間に壁はない。そこに目を付けたのが福島県郡山市にある企業。クルマ好きの社長が決めた選択とは?

■地質調査をする企業
2026年で創業55年を迎えた山北調査設計は、インフラ整備などに欠かせない「地質調査」を専門とする会社。赤外線カメラを搭載したドローンを使い空から調査も行っているという。
2026年4月、郡山市街地にクマが出没した際には、ドローンでクマの行方を捜索した実績もある。
社長の林英幸さんは「地域に根差した会社として、皆さんが働ける場所や、技術を使って県民に貢献できる企業を目指しています」と語る。

■社長のもう一つの“顔”
一体どこにeスポーツとのかかわりがあるのか?会社の一室に案内されると、そこにはeモータースポーツの設備が整えられていた。
「国際規格のレースでもやれるぐらいのものは揃えました」という林社長。実は、三重県の鈴鹿サーキットなど日本中のサーキットを知る“サーキットユーザー”だという。
さらに、全国最大級のミーティングやイベントを開催するだけでなく、編集した動画をアップし発信するクルマ系YouTuberという“顔”もある。
林社長は「ここで練習しておけば、本当に走った時に既視感は半端ないです」という。
最大限引き出されていたのは、リアルとほとんど変わらない環境だった。

■eスポーツ選手を社員に
林社長がeモータースポーツの魅力を初めて肌で感じたのは、2025年9月のこと。
企業対抗の全国大会に参加し、好成績を収めるなかで、ある思いが膨らんでいったという。
「高校生や社会人のドライバーが頑張ってくれて、年間ランキング7位という好成績を収められた。であれば、これからそういう人たちをどんどん育てていきたい」と会社としてeスポーツの選手枠で社員のリクルートをしたという。
林社長は「会社の仕事も覚えていきながら、eスポーツの方も設備を優先的にどんどんと使って訓練していただきたいなというのが本当の思いです」と語る。

■トップ選手も苦労する練習環境
2026年9月に名古屋市で開催される、アジア地域最大級の大会で日本代表に選ばれた國分諒汰選手は福島県会津若松市出身。そのほか、福島県内には世界クラスのeモータースポーツ選手が多く住んでいるが、課題になっていたのが“練習環境”だった。
その話を聞いた林社長は「うちの会社は仕事の技術も若い人たちへの応援も、誰もやってないことに、まずは挑戦してみようと思った」という。「若い人たちの中でどんどん競技人口増えているという情報も入ってきたので、そういう方たちを応援して、全国・世界に羽ばたくような選手の応援をしていきたいというのが、この導入のきっかけ」と語る。

■若手選手を応援
元々、サッカー選手などスポーツ選手を支援していた山北調査設計。林社長は、リアルモータースポーツ選手も支援したいと考えたというが、事故など危険性が伴ってくるのが現実だった。そんな安全面を解消できるのが、eモータースポーツだったという。
「eスポーツになったことでケガしない死なない安心感がある。そういう子たちの応援をしていきたい」と林社長はいう。

若者たちの「可能性」を掘り出す山北調査設計。熱い思いを持った選手にぜひ来てほしいと話し、現在eモータースポーツ選手枠の採用を受け付けている。

福島テレビ
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