北海道旭川市で女子高校生が橋から転落し殺害された事件。主犯格とされる内田梨瑚被告(23)の7回目の裁判で被告人質問が行われ、内田被告は法廷で様々な表情を見せた。
■「女子高校生を亡くした責任はすべて私にある」遺族へ宛てた手紙
弁護側の証拠調べから始まった4日の裁判。内田被告は初公判のときと同じ白いシャツを身にまとい出廷した。
冒頭では内田被告が女子高校生の遺族にあててつづった手紙が読み上げられた。
「私の身勝手な行動により女子高校生を亡くしてしまい申し訳ございません」から始まった手紙には、内田被告の後悔や反省の言葉がつづられていた。
「怖い思いをさせてごめんなさい。痛い思いをさせてごめんなさい。つらい思いをさせてごめんなさい。苦しい思いをさせてごめんなさい」
「女子高校生を亡くしてしまった責任はすべて私にあります」
2026年1月5日に作成されたこの手紙は遺族に受け取られることはなかった。
■弁護人に止められるまで遺族に頭を下げる「人生を奪ってしまった」
被告人質問が始まると、1つ目の質問で内田被告の様子に変化が…
Q事件から2年以上経ち逮捕からも2年以上たちましたが、これまでどう過ごしてきましたか
「取り調べ中はやっていないことをやっていないと訴えることに必死で、女子高校生の気持ちを考えられませんでした。取り調べが終わって拘置所に移ってひとりの時間を過ごしていくうちに女子高校生をなくしてしまった責任と…」
ここで言葉に詰まった内田被告。20秒ほどの沈黙が続き、法廷内の視線が内田被告に集まった。
すると、静かな法廷に内田被告が鼻をすする音が響いた。
「女子高校生を亡くしてしまった責任と向き合えるようになって、それからは被害者への思いが深まり、反省と謝罪の日々を送ってきました」
涙をぬぐう場面もあり、質問には言葉を選びながらゆっくりと答えた。
Q遺族に謝罪できていませんよね?伝えたいことはありますか?
「私の身勝手で非常識な言動によって女子高校生を再三傷つけ、苦しませ、これからの人生を奪ってしまい、本当に申し訳ございません。これからも自分の罪と向き合ってまずは自分にできる償いを見つけていって、受刑生活を真面目に努めます」
言い終わると証言台から立ち上がり、遺族の方を向いて頭を下げた。
弁護士から「さあ、席に」と促されるまでの25秒ほど、動くことなく頭を下げ続けた内田被告。法廷で遺族に直接謝罪の意を示すのは初めてだった。
■検察官からの質問に態度豹変…無言が続く場面も
質問者は弁護側から検察側へ。いきなり鋭い質問が飛ぶ展開となった。
Qなんで泣いたんですか
「…」
Q質問は聞こえましたか
「…」
1分ほどの沈黙。答えが返ってこないことにしびれを切らした検察官が新たな質問を投げかけると、内田被告は「はい」とだけ答えた。
弁護側の質問で涙を見せていた場面とは対照的に、検察側の質問には短い受け答えが続いた。
最後にもう一度、涙の理由について問われると、「自分がどのような気持ちで女子高校生を思っているか話すことで自然と涙が流れました」と説明した。
■『梨瑚さんの証言は全部嘘』と話した共犯者に対し「事実と違うことを述べている」
女子高校生の母親の弁護士からは、共犯者(内田被告から”舎弟”と呼ばれ当時19歳だった女・懲役23年が確定)の証言や、殺人の実行行為に関する質問が続いた。
これまでの証人尋問で、共犯者は「梨瑚さんの調書は全部ウソ」と発言したのに対し、内田被告は「事実と違うことを述べている」と述べ、”舎弟”の証言を真っ向から否定した。
「(共犯者は)橋の上で女子高校生に殺意を持っていました。でも私は殺意を持っていませんでした。2人で一緒にいて同じ行動をしていて、同じ場面を見ていたのに、私と考えが違うはずがないと思っていたんだと思います」
3日の裁判では「殺意があったと言われるのは当然」と話していた内田被告。
この日、改めて殺意について問われると…
「女子高校生に対する殺意は全くありません。橋の上で落下させてもいません。ですが女子高校生を死なせてしまった、その結果は、私が合流して苦しめた結果だと思っています」
殺意と実行行為について改めて否認した。
被告人質問を終えた7回目の公判。裁判は次回6月8日に結審する見通しだ。