プレスリリース配信元:一般社団法人日本リカバリー協会
~休養学の普及・リカバリー市場拡大が回復意識を後押しか~
一般社団法人日本リカバリー協会(事務局:神奈川県厚木市、代表理事:片野秀樹)は、一般社団法人日本疲労学会、株式会社ベネクスと共同で、2017 年から全国10~14 万人(20~79 歳 、男女各5~7 万人)に対して行っている健康及び生活状況に関するインターネット大規模調査「ココロの体力測定」を、2026 年5 月に実施。その結果から「元気な人」、「疲れている人(低頻度)」、「疲れている人(高頻度))を抜粋し、「日本の疲労状況」としてまとめました。

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【調査サマリー】
■元気な人は22.6%に微増も、疲労者は77.4%となった。
■女性の疲労者は79.1%で、男性75.7%を上回った。
■20~40代の高頻度疲労は約5割と深刻な状況となった。
■女性20~40代の高頻度疲労は50%超で推移している。
■睡眠6~8時間未満は50.1%で横ばい傾向となった。
■「役割があり休めない」意識は27.3%で前年より改善している。
■疲労対策への自己投資意識が拡大、2023年比で1.35倍に上昇。
※人口換算は、総務省統計局の令和8年4月20日公表【2026年(令和8年)4月1日現在(概算値)】の20~79歳9133万人を採用し、性別・年代別に係数化を行い算出した。
出典URL:https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html
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■一般社団法人日本リカバリー協会 会長 渡辺恭良 (一般社団法人日本疲労学会 理事長も兼任)コメント
今回、日本リカバリー協会が実施した2026年の調査では、日本社会における慢性的な疲労課題が、依然として非常に大きな社会テーマであることが改めて明らかになりました。一方で、「元気な人」がわずかではありますが増加したことは、日本人の中で回復への意識や行動が少しずつ変化し始めている兆しとして注目しています。現代社会では、疲労は単なる身体的な疲れではなく、情報過多、人間関係、将来不安、働き方の変化など、さまざまな要因が複雑に重なり合うことで生まれています。特にコロナ禍以降は、オンとオフの境界が曖昧になり、「常に頭が働き続けている状態」が日常化している人も少なくありません。その結果、十分に休んでいるつもりでも、回復実感を得にくい人が増えていると考えられます。今回の調査では、睡眠時間そのものには大きな変化が見られなかった一方で、中途覚醒は増加傾向にあり、長く眠ることだけではなく、十分に回復できることの重要性がより高まっていることがうかがえました。疲労対策は、睡眠時間だけでは解決できない時代に入っていると言えるでしょう。
また今回、特に印象的だったのは、「疲労対策に対する自分のお金投資」が年々増加している点です。2023年から比較すると、疲労対策への投資意識は1.35倍まで上昇しており、日本人の中で疲労は我慢するものから、対策するものへと価値観が変化し始めていることが感じられます。これは単なる消費行動ではなく、「より良く働きたい」「健康的に生活したい」「日常のパフォーマンスを維持したい」という、回復を重視するライフスタイルへの転換とも言えるでしょう。その背景には、リカバリーウェアや睡眠環境、温浴、コンディショニングサービスなど、回復を支えるソリューションが社会に浸透してきたことも大きいと感じています。以前は「疲れるまで頑張る」ことが美徳とされていましたが、今は「回復を前提にコンディションを整える」という考え方へと、少しずつ社会がシフトし始めています。
日本リカバリー協会では、こうした変化を一過性のトレンドではなく、新しい社会インフラづくりの入り口だと考えています。今後は日本疲労学会や脳体力振興協会をはじめとする関係団体や企業・自治体・教育機関と連携しながら、「休養」を科学的・社会的に再定義し、日本人のリカバリーリテラシー向上に取り組んでまいります。そして、“疲れてから休む社会”ではなく、“回復を前提に設計する社会”への転換を通じて、より健康的で創造性の高い社会「Creative Wellness」の実現を目指していきたいと考えています。
「渡辺恭良 プロフィール」
神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 特命教授
理化学研究所生命機能科学研究センター 名誉研究員、大阪公立大学健康科学イノベーションセンター 顧問、大阪市立大学 名誉教授、一般社団法人日本疲労学会 理事長、一般社団法人脳体力振興協会 理事長、一般社団法人日本リカバリー協会 会長、Integrated Health Science株式会社 代表取締役CEO、株式会社ベネクス 最高技術顧問
1976 年京都大学医学部卒業、1980 年京都大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。京都大学助手、大阪医科大学講師、大阪バイオサイエンス研究所研究部長、大阪市立大学大学院医学研究科教授、理化学研究所分子イメージング科学研究センター長、同ライフサイエンス技術基盤研究センター長等を経て、現職。
編著書に、疲労の科学(講談社)、危ない!「慢性疲労」(NHK 出版)Fatigue Science for Human Health(Springer)、脳と疲労(共立出版)、抗疲労食(丸善出版)、おいしく食べて疲れをとる(丸善出版)、おもしろサイエンス「疲労と回復の科学」(日刊工業新聞社)など多数。原著英語論文536報、ほか英語・日本語総説・著書等471報、計1,007報。国内外特許出願148件、h-index = 81
獲得代表研究費等:https://research-er.jp/researchers/view/75103
■一般社団法人日本リカバリー協会 代表理事 片野秀樹 コメント
今回の調査結果を見て、私が特に注目しているのは、日本人の「休養に対する行動」が少しずつ変わり始めている点です。これまでの日本では、「疲れていても頑張る」「休む前にやるべきことを優先する」という価値観が強く、休養はどちらかというと後回しにされがちでした。しかし今回の調査では、疲労対策への自己投資意識が年々高まっており、「回復するために時間やお金を使うこと」が自然な行動として受け入れられ始めていることを感じています。これは、単なる健康ブームではなく、日本人の生活設計そのものが変化し始めているサインではないでしょうか。以前は、「限界まで頑張ってから休む」という考え方が一般的でしたが、今は「疲れる前に整える」「パフォーマンスを発揮するために回復する」という考え方へと少しずつシフトしています。私は、この変化こそが、これからの日本社会にとって非常に重要だと考えています。
現代の疲労は、身体だけの問題ではありません。情報量の増加、常時接続社会、コミュニケーションストレス、将来不安などによって、脳や感情が休まりにくい状態が続いています。そのため、単に睡眠時間を確保するだけでは回復しきれず、「何をすると自分が回復できるのか」を知ることが重要な時代になっています。日本リカバリー協会が提唱する「休養学」は、まさにそのための考え方です。休養学では、休養をただ止まることではなく、活力を取り戻すための行動として捉えています。睡眠だけでなく、運動、栄養、親交、娯楽、造形・想像、転換など、多面的な回復行動を組み合わせながら、自分自身に合った休養スタイルを見つけることが大切だと考えています。
近年では、リカバリーウェアや睡眠環境、温浴、コンディショニングサービスなど、回復を支える選択肢も大きく広がってきました。これは、「疲労は気合いで乗り切るもの」という時代から、「回復を設計する時代」への転換とも言えると思います。今後は、企業の健康経営や教育現場、地域づくりなどにおいても、“回復できる環境”そのものを社会全体で整えていくことが重要になるでしょう。日本リカバリー協会では、今後も休養学の普及を通じて、「休むことへの罪悪感」を減らし、「回復することは前向きな行動である」という文化を広げていきたいと考えています。そして、疲れてから休む社会ではなく、元気を維持するために休養を活用する社会の実現を目指していきたいと思っています。
「片野秀樹 プロフィール」
博士(医学)
一般社団法人日本リカバリー協会代表理事
株式会社ベネクス執行役員
東海大学大学院医学研究科、東海大学健康科学部研究員、東海大学医学部研究員、日本体育大学体育学部研究員、特定国立研究開発法人理化学研究所客員研究員を経て、現在は日本疲労学会評議員、博慈会老人病研究所客員研究員、日本未病総合研究所未病公認講師(休養学)も務める。編著書に『休養学基礎:疲労を防ぐ!健康指導に活かす(メディカ出版)』、著書に『休養学:あなたを疲れから救う(東洋経済新報)』、『今さら聞けない 休養の超基本(朝日新聞出版)』、『マンガでわかる休養学(KADOKAWA)』などがある。
■元気な人は22.6%へ微増も、疲れている人は77.4%、慢性的な疲労状態が続く日本社会
男女総合(20~79歳)の疲労状況を最新の2026年データで見ると、「元気な人」の割合は22.6%となり、前年2025年の21.4%からわずかに変化しました。一方で、「疲れている人(高頻度)」は39.9%、「疲れている人(低頻度)」は37.5%となっており、両者を合わせると77.4%の人が何らかの疲労を感じている状況が続いています。
推移を見ると、2023年から2025年にかけては「疲れている人(高頻度)」が38.6%→39.8%→41.5%と上昇傾向にあり、2025年には過去最高水準を記録した状況で、2026年は39.9%へやや変化したものの、依然として4割近い人が高頻度で疲労を感じる状態にあります。また、「元気な人」の割合は2023年以降、21~22%台で横ばいが続いており、日本社会全体として疲れていることが当たり前化している実態がうかがえます。

総務省統計局の人口推計をもとに20~79歳人口を換算すると、2026年の「元気な人」は2077.4万人、「疲れている人」は7055.6万人【「疲れている人(低頻度)」3429.2万人、「疲れている人(高頻度)」3626.4万人】となりました。前年2025年と比較すると、「元気な人」は1972.0万人から105.4万人増加し、「疲れている人(高頻度)」は3775.6万人から3626.4万人へと149.2万人減少しています。

【参考】
※2017年から2020年までは20~69歳の為、過去7年間の比較は年齢を統一して比較をしています。
20~69歳の疲労状況の推移を2017年から見ると、2017年時点では、「元気な人」は24.2%、コロナ禍を経た2021年には「元気な人」が19.3%まで減少しました。最新の2026年データでは、「疲れている人(高頻度)」は44.4%と前年からやや改善したものの、依然として20~69歳の約2人に1人が“頻繁に疲労を感じる状態”にあります。また、「元気な人」は19.3%と、コロナ前の2017年(24.2%)と比較すると依然として低水準にとどまっています。

■女性の約8割が疲労を実感、男性より高い疲労状態が継続
次に男女別で比較すると、「疲れている人(高頻度+低頻度)」の割合は、男性が75.7%【高頻度38.8%、低頻度36.9%】、女性が79.1%【高頻度41.0%、低頻度38.1%】となり、女性の方が3.4ポイント高い結果となりました。また、「元気な人」の割合は男性24.3%に対し、女性は21.0%にとどまっており、女性の方が元気を実感しにくい状態にあることもうかがえます。特に注目すべきは、「疲れている人(高頻度)」の割合で、女性は41.0%と男性の38.8%を上回っています。

■20~40代で高頻度の疲労が約半数超、若年・現役世代ほど深刻な疲労状況
2026年の年代別疲労状況を見ると、年代が上がるほど「元気な人」が増え、「疲れている人(高頻度)」が減少する状態が今年も見られました。最も「元気な人」が多かったのは70代で38.4%、次いで60代が29.9%となっています。一方で、「疲れている人(高頻度)」は70代で18.4%、60代で28.1%と比較的低い水準でした。対照的に、現役世代では20~40代の疲労状況が深刻で、特に20代は「疲れている人(高頻度)」が54.1%と全年代で最も高く、「元気な人」は13.9%に留まりました。30代も「疲れている人(高頻度)」52.0%、40代でも48.9%と、約半数が慢性的な疲労を抱えている状況となっています。また、50代でも「疲れている人(高頻度)」は41.3%と依然高い水準なのが分かります。

■全年代で女性の疲労傾向が高水準、特に20~40代女性は高頻度の疲労が半数超
2026年の年代別疲労状況を男女で比較すると、全年代を通じて女性の方が「疲れている人(高頻度)」の割合が高く、「元気な人」の割合が低い傾向が見られました。特に20~40代ではその差が顕著で、20代女性の「疲れている人(高頻度)」は55.0%、30代女性は55.7%と、いずれも半数を超える結果となりました。一方、同年代男性は20代53.3%、30代48.5%となっており、特に30代では女性の疲労割合が大きく上回っています。
また、「元気な人」の割合を見ると、20~40代女性はいずれも11~13%台に留まり、男性の16~18%台を下回る結果となりました。40代でも女性の「疲れている人(高頻度)」は51.8%と過半数を超えており、働き盛り・子育て世代の女性における疲労の深刻さがうかがえます。


■睡眠時間は2025年から大きな変化なし、6~8時間未満が約半数を占める結果に
疲労状況に深い関わりを持つ睡眠時間の状況を見ると、2026年は「5時間未満」20.4%、「5時間以上6時間未満」23.1%、「6時間以上8時間未満」50.1%、「8時間以上」6.3%という結果となりました。前年2025年と比較すると、「5時間未満」は20.9%から20.4%へわずかに減少し、「5時間以上6時間未満」は23.0%から23.1%、「6時間以上8時間未満」は49.8%から50.1%と微増。「8時間以上」は6.3%で変化は見られませんでした。全体として、睡眠時間の分布は前年とほぼ同水準で推移しており、日本人の睡眠習慣に大きな改善傾向は見られない結果となりました。一方で、依然として約2割が「5時間未満」という短時間睡眠の状態にあり、慢性的な睡眠不足が継続している実態もうかがえます。

■「自分には役割があって休めない」は27.3%、休みにくさは続く一方で、意識にはわずかな改善も
「自分には役割があり、休めないと感じるか」という意識について見ると、2026年は「休めない」が27.3%、「どちらとも言えない」が42.3%、「休める」が30.3%という結果となりました。前年2025年と比較すると、「休めない」は28.0%から27.3%へ0.7ポイント減少し、「休める」は29.2%から30.3%へ1.1ポイント増加しており、休める意識にはわずかな改善状況が見られました。また、「どちらとも言えない」も42.7%から42.3%へ微減しており、全体としては少しずつ休養への理解が進み始めている様子もうかがえます。一方で、「休めない」「どちらとも言えない」を合わせると69.6%となっており、依然として多くの人が自由に休みにくい感覚を抱えている実態は続いています。

■疲労対策への自己投資意識が拡大、2023年比で1.35倍に上昇
疲労対策に対する自己投資意識の推移を見ると、「疲労対策に対する自分のお金投資」を行っている人は、2026年で32.6%となり、2025年の27.4%から5.2ポイント増加しました。また、2023年の24.2%と比較すると、2026年は1.35倍まで上昇しており、この数年で疲労に対してお金をかけて対策するという意識が大きく広がっていることが分かります。近年では、リカバリーウェア、睡眠関連サービス、温浴、サウナ、コンディショニング、セルフケア用品など、“回復をサポートする市場”も拡大しており、日本人の健康観が「治療」だけでなく、「未然に整える」「回復を習慣化する」方向へ変化し始めていることがうかがえる結果となりました。

【ココロの体力測定 2026調査概要】
調査名: 「ココロの体力測定 2026」
期間: 2026年5月
SCR調査対象: 全国の20~79歳の10万人(男女各5万人)
方法: インターネット調査
SCR調査項目: 10問
※疲労度合項目:厚生労働省「ストレスチェック」B項目を基に独自加工して、点数化
※サンプル数は男女各5万人で、各都道府県500サンプル以上を確保し、その後人口比率(都道府県、年代、有職割合)でウエイト修正した。
【一般社団法人日本リカバリー協会 概要】
所在地:神奈川県厚木市中町4-4-13 浅岡ビル4階
会 長:渡辺恭良(神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科特命教授、理化学研究所名誉研究員、大阪公立大学健康科学イノベーションセンター顧問、大阪市立大学名誉教授、一般社団法人日本疲労学会 理事長、一般社団法人脳体力振興協会理事長、Integrated Health Science株式会社 代表取締役CEO)
副会長:水野敬(神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 特命教授、大阪公立大学健康科学イノベーションセンター 特任教授/副所長、一般社団法人日本疲労学会 理事/事務局長)
顧 問:大谷泰夫(神奈川県立保健福祉大学 理事長、元内閣官房参与)
松木秀明(東海大学 名誉教授、健康評価施設査定機構 理事)
田爪正気(東海大学 健康科学部元教授)
代表理事:片野秀樹 博士(医学)(博慈会老人病研究所客員研究員、Genki Vital Academy 顧問)
提携:ゲンキ・バイタルアカデミー(ドイツ)
URL:https://www.recovery.or.jp/
【リカバリーの定義】
心身の活動能力の減退した機能を回復し、休養をもって生理的・心理的資本である活力を蓄えて次に備えることである。
<報道関係者お問い合わせ先>
一般社団法人日本リカバリー協会 広報事務局
メール:info@recovery.or.jp
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