突然風が強まった、3日午後2時半ごろの東京・お台場。
あまりの風の強さに傘をさすのを諦め、ずぶぬれになる学生たちの姿もありました。
台風6号が勢力を維持したまま首都圏に接近。
朝から降り続いていた雨が、午後になると吹き荒れる強風が加わり、荒れ模様の天気となりました。
列島を横断し3日、首都圏を襲った台風6号。
東京・霞が関では道路が冠水。
東京都心では12時間で173.5mmの雨が降り、6月の観測史上最多を更新しました。
茨城・鉾田市では、木が風で倒れ、電線に引っかかっていました。
電線が木を支えているような状況です。
東京・品川区ではレベル4の大雨危険警報が発表されるなど、新たな防災気象情報の運用開始後、東京で初めてレベル4危険警報が出されました。
一時、東京、神奈川、千葉の約150万人に避難指示が出る中、避難行動を巡る課題も見えてきました。
山の斜面が崩れ茶色い土砂が流れ出ていたのは、静岡県の河津町です。
土砂崩れが起きたのは、伊豆急行の今井浜海岸駅から500メートルほど離れた踏切付近。
午前11時ごろ、線路内に土砂が流入しているのが確認されました。
台風接近により終日運転を取りやめていたため被害はありませんでしたが、現在も復旧のめどは立っていないということです。
午前0時過ぎ、突風が吹き付け視界がかすむほどの強い雨となった三重・熊野市。
沖縄や九州、四国地方に大雨をもたらした台風6号は、3日午前4時半ごろに和歌山県南部に上陸。
濁流が住宅に迫っていたのは和歌山県を流れる古座川です。
古座川では氾濫が発生したとして一時、5段階の警戒レベルで最も高いレベル5氾濫特別警報が発表されました。
JR浜松駅前は、傘が役に立たないほどの土砂降りとなりました。
静岡・下田市では、コンビニの店内が水浸しに。
店員は「あっという間に水位が上がってきて本当10分、20分だったよね。ドアの隙間からバンバン流れてくるのを止められなくて、ただぼう然と見ているだけ。(水が)ちょうど満潮に重なって入ってきた」と話し、総出で水のかき出し作業に追われていました。
そして、台風6号は勢力を維持したまま首都圏に接近しました。
東京・足立区の北千住駅では雨漏りが発生。
電光掲示板の裏側から激しく雨が落下し、その下では駅員が大量のバケツを置いて応急処置に当たっていました。
JR上野駅では、停車中の電車の車内にまで雨水が浸水。
JR川崎駅前では至る所で冠水が発生。
くるぶしほどまで冠水した歩道を歩く男性や、交差点では車が通るたびに歩道にまで雨水が波のように押し寄せていました。
東京都心では12時間の降水量が6月の観測史上最多を更新するなど記録的な雨量となり、都内では河川が氾濫する恐れが高まりました。
午前8時、川の水位が警戒水位を超えたのは、東京・杉並区を流れる善福寺川。
消防などが警戒する中、時間とともに水位はどんどん上昇していき、川の危険水位を示す目盛りが1メートルに迫るほどです。
善福寺川は氾濫する恐れがあるとして、警戒レベル4の氾濫危険警報が発表されました。
さらに、都内では目黒川や神田川、そして世田谷区や三鷹市などを流れる野川、仙川で、相次いでレベル4氾濫危険警報が出されました。
レベル4は5段階のうち2番目に危険度が高く、対象地域では全ての住民が危険な場所から避難する必要があります。
東京・品川区では、立会川の水位が上昇。
午前9時半ごろからレベル4の大雨危険警報が発表され、一時、区内全域に避難指示が出されました。
取材班は、品川区内に開設されている自主避難施設に向かいましたが、取材時点で避難している区民はいませんでした。
品川区防災課・鈴木秀直さん:
(Q.避難してきた区民)今日の朝お見えになられて、そのまま帰られた方が1名いらっしゃいます。
今回の台風6号は、新たな防災気象情報の運用開始後、東京で初めてレベル4危険警報が出されたケースとなりました。
品川区のホームページを見ると、区内に出された避難指示については、「危険な場所にいる人は全員速やかに避難しましょう」「安全な場所にいる人は避難場所などに行く必要はありません」と記載。
一方、区民からは「(Q.区の全域で避難指示)ちょっと驚きました。それほど問題もないかなということで自宅にいた」など、避難すべきかの線引きについて戸惑う声も聞かれました。
防災システム研究所の山村武彦さんは、今後への課題が見えたと指摘します。
防災システム研究所・山村武彦さん:
大規模な氾濫もなく被害も出ていないこともあって、ほとんどの人が避難をしなかった。次回また危険警報を発表しても皆が逃げなくて、避難行動につながらずに逃げ遅れてしまう可能性もありますから、今回の台風6号の発表の仕方、タイミング、的中率の検証をしっかり行うべきだと思う。
内閣府防災担当は、「あらかじめ自分の住んでいる土地と周辺の河川との関係などを認識しておくことが重要。住んでいる地域の地形に関心を持つなど、日ごろの行動に防災の視点を組み込んでほしい」としています。