3日、和歌山県古座川町に新しい防災気象情報の運用が始まってから、初めてとなる「レベル5氾濫特別警報」が発表されました。
関西テレビ「newsランナー」は、樋口諒記者が現地から中継でその実態を伝えました。
■駐車場が増水して見えなくなっています
役場の駐車場は、当時まだ完全に水に浸かっている状態でした。本来は川沿いに位置するその駐車場も、増水した古座川の水に覆われていました。
【樋口記者リポート】「3日朝、レベル5氾濫特別警報が発表された古座川です」
取材時点でも、川は茶色く濁った水が流れ続けていました。
駐車場には大きな木が散乱していました。その理由は、駐車場より上にある石垣のあたりまで水が押し寄せたということです。
■午前4時40分、水位はピークに
時系列を振り返ると、事態の急変ぶりが浮かび上がります。
台風が来て雨が降り続いた3日、午前4時40分ごろに水位はピークに達し、氾濫が確認されました。
気象庁が「レベル5氾濫特別警報」を発表したのは、午前5時35分のことです。
これは、5月末に運用が始まった新しい防災気象情報のもとで、全国初となる発表でした。
古座川町はその後、川沿いにある16地区、862世帯、1672人に対して「緊急安全確保」を発令。直ちに命を守る行動を取るよう求めました。
水位が上がる見込みがなくなったと判断された後、特別警報はレベル2注意報へと引き下げられました。
■「川からあふれた水が腰のあたりまで」
夜が明け、川沿いに暮らす住民たちは後片付けに追われていました。
ある男性の車は、川からあふれた水に浸かっていたといいます。「ここまで水入ってたんで、水路で高さ半分くらいしか来てないので、今回はいけるかなと。2時間、3時間の間に状況が一変してた」と男性は振り返りました。
樋口記者が周辺の住民へ取材を続けると、「川の水が溢れて腰のあたりまで水が来た」という場所もあったことが明らかになりました。
古座川町によると、今回の台風による人的被害はなかったものの、床下浸水は5件確認されました。
役場では、川が氾濫することを事前に予測し、車を避難させていたため水没を免れていました。
■「前の方が分かりやすいんちゃう?」新警報への戸惑いも
新しい防災気象情報に対する地元住民の受け止めは、まちまちでした。
台風や大雨が多い地域であるため、住民の防災意識は全体的に高いです。
新しい防災気象情報で”レベル4”までに避難しなければならないことを理解し、早めに避難した人も多くいました。
一方で高齢者の多い地域という特性もあり、これまでの経験をよりどころに自宅にとどまった人も少なくなかったといいます。
災害の多い地域であっても知識にばらつきがあるという課題が見えました。
(関西テレビ「newsランナー」2026年6月3日放送)