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2026年4月、私たちピープル株式会社(本社:東京都中央区|取締役兼代表執行役:桐渕真人|東証スタンダード 7865)のベビートイが一斉にリニューアルしました。


今回は、店頭で、このブランドが赤ちゃんとパパ・ママにどんなふうに声をかけようとしているのか……「パッケージ」と「売場」の話をしようと思います。


Baby curiosity®のパッケージを手に取っていただくと、こんな言葉が目に入ります。

「なめなめ」「じーっ」「なになに?」「ばたばた」……。


商品名ではありません。赤ちゃんが、そのおもちゃで遊ぶときに見せる姿を、音にしたものです。わたしたちはこれを「オノマトペ」と呼んでいます。


今回は、Baby curiosityの「“言葉に”チーム」で、パッケージを考えたり売場のあり方を企画している青木千怜と、商品開発を担当している三井勇輝、そしてパッケージや商品のデザインを手がけてくださったアートディレクターの鈴木友唯(ゆい)さんに、お話を聞きました。

青木千怜


三井勇輝


アートディレクター 鈴木友唯(ゆい)さん

「泣く子もケロリ!」から「じーっ」へ

以前のピープルのベビートイのパッケージには、商品ごとにこんな一言が大きく踊っていました。


「泣く子もケロリ!」(魔法のラトル)

「少しの間、遊んで待っててほしいから」(集中ドームミラー)


このおもちゃで「育児中のパパ・ママの”困った!”を解消します!」という呼びかけの言葉です。

実際にそのコピーを頼りに選んでくださった方もたくさんいらっしゃいました。嘘でも大げさでもない、私たちがまじめに積み重ねてきた言葉です。


ですが、Baby curiosityでは、このキャッチコピーを、ゼロから考え直すことにしました。


というのも赤ちゃんの好奇心を真ん中に置き直したとき、パッケージで真っ先に伝えるべきなのは、親御さんに便利ですよ、ということではなく、赤ちゃんが何に夢中になっているかなのではないか…?と考えるに至ったからです。


そしてたどりついたのが、冒頭でご紹介した「なめなめ」「じーっ」のようなオノマトペ(※物事の状態を象徴的に表した音のこと)たちなのでした。


前述した「魔法のラトル」の新しくなったパッケージには大きな「じーっ」という文字が踊ります。

ラトルを振ると、中のビーズがシャカシャカ動く。その音と動きを、赤ちゃんがじーっと見つめる。その姿をそのまま表現したものです。


「少しの間、遊んで待っててほしいから」というコピーも、多くの人に愛されてきた言葉です。それを生み出した人たちへの感謝を込めつつ、Baby curiosityではそっと脇に置いて、赤ちゃんのほうを向いた「まじまじ」という言葉で表現することにしました。

オノマトペは、もともと社内にあった共通認識

実はピープルの社内には、「オノマトペ」に対するゆるやかな前提のようなものが、共有されていました。


Baby curiosityの兄弟ブランドに、1歳以降のお子さん向けの「1curiosity(ワンキュリオシティ)」があります。こちらはすでに、「フム・フム」「モギ・モギ」のような、音で遊びを表した商品名が採用されています。


フム・フムとモギ・モギ


「オノマトペは、子どもの行動、好奇心を表す言葉として、なんだかいいな…という共通認識が、ピープルのなかにはなんとなくあった気がしています」

青木は、そう振り返ります。


さらに、Baby curiosityのパッケージには、もう一つ共通点があることに気づきます。

オノマトペのすぐそばには、必ず赤ちゃんがそのおもちゃで遊んでいる写真があります。そして写真のそばに、ピンクのもこもこした吹き出しが。なかには「〜したい!」「〜が気になる!」といった、赤ちゃんの欲求のような短い言葉が入っています。


「オノマトペだけだと、正直、何のことかピンと来ないこともあるんです。でも、そこに赤ちゃんが夢中になっている写真があって、ピンクの吹き出しで『〇〇したい!』と書かれていると、『ああ、うちの子、これよくやる!』と、パパ・ママにイメージしてもらいやすいので」


おもちゃを選ぶのは、基本的には大人です。でも、その大人が棚の前で思い浮かべるのは、自分の子どもの日々の姿。パッケージは、その「うちの子」と目の前のおもちゃをつなぐ仕掛けになっている、というわけです。

「はなす」という動きのすごさに気づかされた「つぶごのみ」

パッケージに載るオノマトペだけでなく、Baby curiosityでは、商品名も新しく考え直したものがいくつかあります。


その一つが、指先の知育シリーズで長く愛されてきた「ちいさいもの大集合」。これは、Baby curiosityでは「つぶごのみ」という新しい名前になりました。


このおもちゃに選ばれたオノマトペは、「ぐい~ぱっ!」。


指先の知育シリーズはもともと遊びながら指先を使うことで、赤ちゃんの発達を促そうというものでした。


これまでは何かを「つまむ」動作=「なにかができる」ということで、そちらにスポットが当たりがちだったのですが、丁寧に赤ちゃんを観察してくなかで、「はなす」という動きも、実はすごいことだったということに私たちは気が付いたのです。


ぐいっ、と握って、ぱっ、とはなす。


はなすほうは、まだ意外と語られてこなかった動きでした。


「赤ちゃんが、自分の意志で『はなす』って、実はものすごい達成なんです。その瞬間を音にしたくて、『ぐい~ぱっ!』にしました」(青木)


オノマトペを選ぶ作業は、商品の魅力を整理する作業でもありながら、同時に赤ちゃんのすごさを言語化する作業ともいえるのかもしれません。

ピンクは「成長していく色」

Baby curiosityのパッケージは、全体が淡いピンク色のグラデーションで統一されています。


このピンクは、なんとなく「赤ちゃんっぽいから」という理由で決まったものではなくて、意図があるそうです。


「1curiosityのロゴは、赤が基調になっています。これは、Baby curiosityで赤ちゃんと一緒に遊んでくれたご家族が、お子さんが大きくなったらそのまま1curiosityのほうに自然につながってくれたらうれしい。そのつながりを、パッケージの色でも表現したかったんです」(三井)


ピンクから赤へ、少しずつ色が濃くなっていくグラデーション。

そこに、0歳の赤ちゃんが、どんどん好奇心を育てながら1歳、2歳へ成長していく姿を重ねているそうです。


「グラデーションそのものにも意味があって。赤ちゃんの好奇心って、ひとりひとり違うし、同じ子でも昨日と今日で変わっていきます。だから、色も一律のピンクじゃなくて、移り変わる。そんな意味を込めました」(三井)


パッケージの色ひとつにも、「赤ちゃんの好奇心は動き続ける」というメッセージが、そっと仕込まれています。

赤ちゃんへの「まなざし」と「情熱」を形に

このブランド全体のデザインをしてくれたのが、アートディレクターの鈴木友唯(ゆいさん)さんです。


ゆいさんは、ピープル赤ちゃん研究所のデザインなどからご一緒させていただいていて、今回Baby curiosityの立ち上げにおいては、パッケージやロゴのデザインに加え、おもちゃそのもののデザインにも関わっていただきました。


「長く親しまれてきたピープルのベビートイのパッケージを一新する、というお仕事でしたので、気を引き締めつつ取り組ませていただきました。ピープルさんの想いを受け取りつつ、デザインに落とし込んでいくのがとても楽しいお仕事でした」(ゆいさん)

最初のオリエンテーションでゆいさんが受け取ったのは、ピープルチームから赤ちゃんへの「まなざし」だったそう。



「ピープルの皆さんの、赤ちゃんへのまなざしと想いがとても好きで、最初のオリエンの時に、その情熱がとても伝わってきました。その情熱に応えられるような、長く愛されるデザインにしていきたいなと思って、つくっていきました」(ゆいさん)

最終的にたどり着いた淡いピンクは、ゆいさん自身にとっても思い入れのあるカラーになったといいます。


「優しく温かいピンクが、ピープルの皆さんのおもちゃや赤ちゃんへの想いにピッタリのカラーになったと思います。ただ、カラフルなおもちゃ売り場でもきちんと目立つ存在になるように、というところは難しいポイントでもありました」(ゆいさん)


ゆいさんご自身も、3歳のお子さんを育てるママでもあります。


「今回、おもちゃのデザインにも関わらせていただいたのですが、3歳の息子が赤ちゃんの時に好きだったかたちや、よく見ていた色などを思い出しながら作っていきました。普段は映像や平面のデザインがメインなので、おもちゃのデザインをするのは、また違う脳みその使い方をしている感じがして、とても刺激的で楽しかったです。自分のデザインしたおもちゃに、赤ちゃんたちがどんな好奇心を抱いてくれるのだろうーーとても楽しみです!」(ゆいさん)


ピープルチームの「想い」を受け取ったゆいさんが、その想いをパッケージのかたちに変えて、子どもたちのもとへ届けていく…。Baby curiosityのデザインの裏側に流れているのは、たくさんのそんな小さな思いなのです。

 売場に「でっかい鏡」がある理由

Baby curiosityの売場づくりも、ちょっとだけ普通のおもちゃ売場とは違ったものになりました。


店頭用の什器のど真ん中に、大人の頭ぐらいのサイズの半球型のミラーが、ぼんとついています。


初めて見た方は「なんだこれ?」とたぶん足が止まることでしょう。



実はこの売場、その「なんだこれ?」がねらいなんだとか。


「大人のフックになることを目指しました『なんだこれは?』と大人の好奇心をまずちょっとくすぐり、立ち止まったパパ・ママに、赤ちゃんと一緒に鏡をのぞきながら『うちの子の好奇心はどれかな?』っていう選び方をしてほしいと考えたんです」(青木)


売場はお客様とおもちゃが直接出会える貴重な場です。その場所を、ただ商品を陳列する棚にするのではなく、「赤ちゃんの好奇心を親子で発見する場所」に変えたい。そのためのスイッチとしての試みが、大きな鏡の配置なのです。

伝えたいのは「このおもちゃで赤ちゃんがどうなるか?」

Baby curiosityのパッケージを並べると、書かれているのは、「このおもちゃで何ができるか」ではなく、「このおもちゃで赤ちゃんがどうなるか」という共通点に気が付きます。


「5分静かに」でも「何way遊べる」でも「どんな赤ちゃんでもハマる」でもなく、「なめなめ」「ぐい~ぱっ!」「じーっ」というオノマトペであり、赤ちゃん自身が、そのおもちゃのまえでどんな姿を見せるかです。



おもちゃ売場の棚の前で、パパやママが「あ、うちの子これよくやる!」と思わずつぶやく瞬間を、Baby curiosityではたくさん増やしたいと思っています。

そのために、オノマトペを選び、写真を決め、ピンクの吹き出しの言葉をひねり、色に意味を込め、売場の真ん中に鏡を置きました。


さて、ここまで、パッケージと売場の話をしてきました。


でも、そもそもこの「赤ちゃんの好奇心」を、どうやって見つけているのかという話には、まだあまり触れてきませんでした。


次回は、Baby curiosityを支えているもう一つの柱、赤ちゃん観察と商品開発の現場のお話をお届けします。


「あれ、魔法のラトルの魅力って、実は『あの音』じゃなかったかもしれない」──そんな、開発の現場で起きた気づきの話から始められたらと思います。


👶Baby curiosityの商品は全国のベビー用品専門店、玩具専門店、量販店、百貨店などを中心にお取り扱いいただいています(2026年6月時点)。店舗によって取扱商品・在庫状況が異なりますので、ご確認の上ご来店ください。






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