栃木県で起きた強盗殺人事件で、事件を主導したとみられる48歳の男が公開手配されました。
フジテレビ解説委員・上法玄解説委員と見ていきます。
29日、公開手配されたのは住居・職業不詳の益田和彦容疑者(48)です。
この事件では、これまでに指示役の夫婦と実行役の少年4人がすでに逮捕されていますが、益田容疑者は事件を主導した人物とみられ、警察が強盗殺人の疑いで逮捕状を取って行方を追っていました。
――益田容疑者は海外に逃亡しているということですが、警察はなぜこのタイミングで公開手配に踏み切ったのでしょうか?
フジテレビ解説委員・上法玄解説委員:
警察はこれまで益田容疑者の足取りを追ってきましたが、いま現在の正確な所在がつかめていないので広く情報収集をする必要性が出てきたといえます。
益田容疑者の潜伏先の国には日本の捜査権が当然及ばないわけですから、日本警察の代わりに現地当局に益田容疑者を逮捕して日本に送り返してもらわなければいけません。今後、国際手配することも検討していると思います。
では、公開手配された益田容疑者は、今回の事件にどのように関与しているのか。
ここまで分かっていることとして、捜査関係者によりますと、益田容疑者は秘匿性の高い通信アプリで「カズ」と名乗っていたということです。
また事件前から知人関係だったとみられる竹前海斗容疑者に、報酬を与えると示したうえで、「ルパンやる?」と事件参加を持ちかけていました。
「ルパン」というのは隠語で、窃盗を意味するということです。
――益田容疑者が主導したとみられるということですが、そもそも主導したというのはどういうことなのでしょうか?
フジテレビ解説委員・上法玄解説委員:
益田容疑者は手配されましたが、この事件を計画し実行犯と実行犯の指示役だった夫婦を集め、実際に犯行を実行させた、いわば現場監督だと思われます。
警察は当然、益田容疑者よりさらに上の立場の人物が指示を出していた可能性もあるとみて調べています。
――そして益田容疑者は事件後に中国を経由し、東南アジアに逃亡しているとみられていますが逮捕に向けて、どんな捜査が行われるのでしょうか?
フジテレビ解説委員・上法玄解説委員:
まず、益田容疑者が渡航に使ったパスポートについて返納命令を出します。そして失効をさせます。失効してしまえば、その国で益田容疑者は不法滞在者になるので、現地の当局が逮捕できる流れになってきます。
ただ現地当局も、いま現在抱えている事件がありますので、それらより優先して益田容疑者の逮捕のために動いてもらう必要があります。
現地警察とこうした交渉を行うのが、警察庁から現地の日本大使館に派遣される警察アタッシェです。
現地の警察当局が早期に益田容疑者の逮捕に動くかどうかは、その国との従前からの関係性にもよりますが、粘り強い交渉が必要になります。
ちなみにこの事件をめぐっては、実行役の16歳の少年の4人の一部が、「数百万円の報酬をもらえる予定だった」と供述しているんですが、ただ、実際には報酬を受け取っていなかったとみられています。
――今後、捜査のポイントとしてはどういったことが考えられますか?
フジテレビ解説委員・上法玄解説委員:
まず犯罪事実の立証のため、誰がどういう役割だったのかを具体的に解明することです。取り調べで上がってきた話を丁寧に裏付けていく必要があります。
また、益田容疑者の背後にさらに上の立場の人間がいないか、突き上げ捜査が重要になってきます。
トクリュウという組織の特徴というのは、たたいてもたたいても次から次へ犯罪に手を染める、新しいグループが湧いてきて消えないという、もぐらたたき状態だという点にあります。
犯罪グループを誰が作り出しているのか、その実態解明まで到達できるかは、まさに今後の捜査が鍵になるといえると思います。