プレスリリース配信元:サイボウズ株式会社
2024年問題から2年、事務負担の軽減には課題が残る事務負担・情報伝達ミスは若手定着・工期遅延への影響が懸念される
サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久、以下サイボウズ)は、建設業従事者(現場責任者・経営・管理職など)を対象に、現在の業務効率化の実態に関する調査を実施しました。時間外労働の上限規制施行による「2024年問題※2」から2年。法制度対応は進行している一方で、実務レベルでの変化はどこまで及んでいるのか。事務作業の時間や業務量の変化、手戻りの要因やITツール導入と活用進捗など、建設業界における業務効率化の実態を調査いたしました。調査では、63.6%の建設業従事者が「現場情報の一元化で手戻りが減ると思う」と回答しており、情報の集約・共有基盤の整備が、業務の正確性と効率性の両立に向けた重要な論点となり得ることが示唆されます。
※1:必要な情報の所在がわからない状態
※2:2024 年 4 月施行「働き方改革関連法」時間外労働の罰則付き上限規制(原則・月 45 時間、年 360 時間)の適用により生じた諸問題
調査結果サマリ
- 建設業従事者の約6割が、2024年の残業規制導入前と比べて「事務作業の量は変わっていない」と回答(60.3%)
- 2人に1人が、事務作業に「1日2時間以上」費やしていると回答(54.4%)
- 46.7%が月1回以上の手戻りを経験。手戻りの要因最多は「口頭・電話のみの指示」
- 建設業従事者の3人に2人が、必要な情報を「誰が持っているかわからない」「どこにあるかわからない」という「情報迷子※1」状態に(63.7%)
- 5割以上が、「事務作業の負担」や「情報の伝達ミス」は「ミスの発生」「働き方改革への対応限界」「若手離職」「工期遅延」に影響すると回答
- ITツールを導入している建設業従事者(n=499)のうち、42.5%が「現場への定着が不十分」
- 建設業従事者の63.6%が、「現場情報の一元化で手戻りが減ると思う」と期待
主な調査結果
1. 建設業従事者の約6割が、2024年の残業規制導入前と比べて「事務作業の量は変わっていない」と回答
2024年(残業規制導入前)と比較し、現在の事務作業の全体量がどう変化したかという問い(単一回答・n=1000)に対して、建設業従事者の60.3%が「特に変化はない」と回答しました。「減った+どちらかと言うと減った」との回答は計26.1%にとどまり、事務負担の削減は依然として伸び悩んでいる実態が示唆されます【図1】。
【図1】2024年(残業規制導入前)と比較して、現在の事務作業の全体量は どのように変化しましたか。(単一回答・n=1000)
事務作業で非効率が発生する原因について、最も根本的な原因を一つ選んでもらったところ(単一回答・n=1000)、建設業従事者の20.6%が「担当者が少なく、一人に業務が集中している(属人化)」、同時に17.3%の方が「慢性的な人員不足」が原因であると回答しました【図2】。

【図2】あなたが考える、事務作業の非効率の「最も根本的な原因」を一つ選んでください(単一回答・n=1000)※ご自身は事務作業の非効率はない/感じていない方も、ご経験や周囲の事例からお答えください
2. 建設業従事者の2人に1人が、「1日2時間以上」※3を事務作業に費やしていると回答。現場責任者では“二重入力”負担も顕在化
「事務作業(例:書類作成、写真整理、図面確認、連絡、報告など)」に費やす時間を尋ねたところ(単一回答・n=1000)、建設業従事者の2人に1人(54.4%)が「1日2時間以上」※3と回答し、一定の比重を占めている実態がうかがえます【図3】。※3:残業中の時間も含めた、1日全体の合計

【図3】1日の中で、どれくらいの時間を「事務作業(例:書類作成、写真整理、図面確認、連絡、報告など)」に費やしていますか。1日あたりの時間数について、直近1週間の平均的な傾向でお知らせください。(単一回答・n=1000)※残業中の時間も含めた、1日全体の合計でお知らせください。
なお、事務作業において現在負担に感じている業務について尋ねたところ(複数回答※4)特定の業務に負担が集中しているというよりも、複数の業務負担が拮抗して存在している実態がうかがえました【図4】。その中でも、上位項目は「関係各所からバラバラでくる確認や催促の電話等」が31.5%でトップとなっており、「手書きのメモやデータをExcel等へパソコンで打ち直す」いわゆる"二重入力"も29.6%と同水準で続いています。

【図4】現場の(直接業務(つくる仕事)以外の)「事務作業」について伺います。現在、あなたが「負担(時間がかかる・面倒)」だと感じているものをすべてお知らせください(複数回答・n=1000)
さらに役職別に見ると、「手書きのメモやデータを、Excel等へパソコンで打ち直す」と回答した割合は、作業所長・現場代理人・監理技術者などの現場責任者が38.7%(n=261)、経営・部長職以上の管理職が26.7%(n=150)となり、現場責任者が12ポイント上回りました。
※4:本設問は、現場で複数の業務負担が同時に発生している実態を踏まえ、複数回答(MA)の結果を用いて分析しています。
3. 46.7%が月1回以上の手戻りを経験。手戻りの要因最多は「口頭・電話のみの指示」
現場の作業をやり直す手戻りの発生頻度について伺うと(単一回答・n=1000※5)、建設業従事者の46.7%が「月1回以上の手戻り」を経験していると回答しました。また、その要因について伺うと(複数回答・n=724)、「指示・連絡が口頭や電話のみで行われ、内容が正確に伝わらないこと」が43.9%と、最も多い結果となりました。
次いで「承認や確認の返答を待つ間に、作業が止まること」が29.6%、「必要な情報が複数の手段(紙・メール・データベースなど)に分散していて、すぐに見つけられないこと」が25.4%と、口頭伝達だけでなく、承認待ちの時間ロスや情報の散在も手戻りの主要な要因となっている実態がうかがえます【図5】。
※5:1か月の発生頻度について、直近3か月の平均を回答

【図5】現場で「手戻り(二度手間)」が発生する原因として、当てはまるものをすべてお知らせください(複数回答・n=724)
4. 建設業従事者の3人に2人が、必要な情報を「誰が持っているかわからない」「どこにあるかわからない」という「情報迷子※1」状態。
仕事上で必要な情報が「誰が持っているかわからない」「どこにあるかわからない」と感じるかを尋ねたところ(単一回答・n=1000)、63.7%が「ある(よくある+たまにある)」と回答しました【図6】。半数以上の建設業従事者が、仕事に必要な情報が一元化されておらず、情報が散らばっている現状を課題として感じる「情報迷子」の状態にあると解釈できます。
【図6】「情報の管理・共有」について伺います。仕事上で必要な情報が「誰がもっているかわからない」「どこにあるかわからない」と感じることがありますか。(単一回答・n=1000)
5. 「事務作業の負担」や「情報の伝達ミス」が引き起こすリスク--5割以上が「ミスの発生」「働き方改革への対応限界」「若手離職」「工期遅延」に影響すると回答
「事務作業の負担」や「情報の伝達ミス」が引き起こすリスクについて聞きました(単一回答・n=1000)。「影響する(非常に影響する+ある程度影響する)」回答では、1位「ミスの発生(60.8%)」のほか、「働き方改革(上限規制)への対応限界(52.4%)」「顧客・施主との信頼関係の悪化や、対応品質の低下(51.9%)」、「若手社員の離職(51.4%)」、「工期遅延の発生(50.9%)」といった項目でも過半数を超える結果となりました【図7】。
【図7】「事務作業の負担」や「情報の伝達ミス」は、会社全体にどのようなマイナスの影響があると感じますか。それぞれについてお知らせください。(単一回答・n=1000)
このことから、事務負担や情報伝達ミスの増大は、業務上の「ミスの発生」にとどまらず、多面的なリスクにつながり得ることがうかがえます。
6. ITツールを導入している建設業従事者のうち、42.5%が「現場への定着が不十分」と回答。
事務作業の効率化を目的としたITツールやアプリの活用状況について尋ねたところ(単一回答・n=1000)、「導入し、活用している」は21.6%にとどまり、「導入しているが、十分活用できていない」が28.3%でした。さらに、ITツール導入者(n=499)に「事務作業の効率化における現在の課題」を聞くと(複数回答)、「ツールの活用が現場にまだ十分に定着していない」が42.5%と最も多く、次いで「情報の一元管理・集約という面では、まだ改善の余地がある」が29.1%と続きました【図8】。導入後も現場への定着と情報集約が課題として残っていることがうかがえます。

【図8】導入したITツールについて、事務作業の効率化における現在の課題をお知らせください。(複数回答・n=499)
7. 現場情報の一元化に期待高まる。建設業従事者の63.6%が、「現場情報の一元化で手戻りが減ると思う」と回答
「情報が一か所に集約されれば手戻りの削減につながるか」尋ねたところ(単一回答・n=1000)、63.6%が「そう思う(とても思う+ある程度思う)」と回答しました【図9】。多くの回答者が、情報の散在や確認のしづらさが手戻りの一因になっていると認識していることがうかがえます。
【図9】「案件・原価・図面・写真・連絡・報告」など、現場に関わる情報が一か所に集約されて、誰でもすぐに確認できる状態になれば、手戻り(二度手間)は減ると思いますか。 (単一回答・n=1000)
調査概要
- 調査主体:サイボウズ株式会社
- 調査名称:建設業界における業務効率化の実態調査(2026年)
- 調査対象:建設業の従事者(工務店・リフォーム会社・ハウスメーカー、ゼネコン、専門工事業※6の従事者、および従業員数6名以上企業の従事者)
※6:電気、管、塗装、内装、足場など、特定の分野の工事を専門に請け負う
- 有効回答者数:1000名
- 調査期間:2026年3月27日~2026年3月31日
- 調査手法:インターネット調査
- 実査委託先:楽天インサイト株式会社
引用について
引用いただく際は出所の明示をお願いいたします。
サイボウズ『建設業界における業務効率化の実態調査(2026年)』
kintoneとは
製品サイト:https://kintone.cybozu.co.jp/
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※商標・著作権表示に関する注記については、こちらをご参照ください。
https://cybozu.co.jp/logotypes/trademark/
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