創業約50年、岩手県宮古市大通の中華料理店「紅梅食堂」は、まちなかで長く愛されているまさに町中華。東日本大震災や2度の台風を乗り越え、その味を守ってきました。
店を切り盛りするのは、娘の佐藤美香子さんと母・陳小夜子さんの2人、母と娘で老舗の味を守り続けています。
メニューの一つ「五目焼きそば」は、ほんのり塩味を利かせたあんにショウガの風味が加わり、香ばしい香りが広がります。
娘の美香子さんによると、「五目焼きそばにはハクサイやニンジン・ピーマン・玉ねぎ・キクラゲ・干しシイタケを使用。若い人からお年寄りまで幅広い世代に人気で、酢をかけて食べる人もいる」ということです。
こげ目をつけた麺は香ばしさも楽しめます。
また、具材や味付けのこだわりについて美香子さんは次のように話します。
佐藤美香子さん
「野菜は薄めに切って味が馴染みやすくしている。味付けは塩をベースにしてあっさりとした仕上がりにし、何かを加えても食べられるようにしている」
母・小夜子さんが卵料理を作るときに使うのは、大きくて重い中華鍋です。
熟練のワザで卵を裏返し、絶妙な食感に仕上げてできるのは「天津丼」です。
あんの甘酸っぱい香りとしょうゆの香ばしさ、卵のふわふわトロトロ感も楽しめ、ご飯が進みます。カニ、シイタケやタケノコも入っていて食べ応えがあります。
この天津丼だけは、必ず母の小夜子さんが作るということです。
佐藤美香子さん
「中華鍋で卵をひっくり返すのも苦手、甘酢を作るのも酸っぱ過ぎてもだめ。長年かけて作り上げた味かな。だから“幻の天津丼”と言っている。お客さんには、おばあちゃんがいないときは、できないとはっきり言う」
目指すのはアットホームな町中華です。
佐藤美香子さん
「おしゃべりをしていくお客さんもいる。悩みを打ち明けてきたり。ストレスがたまらない店と言うお客さんも。みんなに楽しんでもらえる店にできたらなと」
宮古市の「紅梅食堂」は、老舗の味とともに地域に癒やしを提供しています。