気になる疑問やニュースのナゼを解き明かす「どうなの?」です。

長引く中東情勢の影響で多くの企業などから聞かれているのは、ナフサなどの供給が不足する不安です。

一方でFNNの調査によりますと、中東情勢がもたらす生活への不安について、「どちらかといえば」も合わせて約8割の人が「不安に思う」と答えています。

そこで、19日は「インク危機も在庫ある。ナフサ不足実際は?」について見ていきます。

中東情勢の問題を受けて、特に耳にすることが多くなったナフサですが、一体どのようなものなのでしょうか。

ナフサとは、ガソリンや灯油などと同様に原油から精製される石油製品のひとつで、ナフサからいろいろな化学品が作られます。

どんなものが作られるのかというと、電化製品や文房具などで使われるプラスチック。
更に、タイヤやスニーカーなどの靴底で使う合成ゴム。
そして、洗剤やシャンプーなどの合成洗剤、インクやペンキなどの塗料といった、さまざまな製品のもとになるものといえます。

遠藤玲子キャスター:
ここ最近までナフサの存在すら知らなかったのに、改めて私たちの生活に欠かせないものが、これだけ多く作られていると感じますね。

榎並大二郎キャスター:
特に塗料についてはメーカー側の対応が大きく話題になりましたね。

この塗料が「将来的に足りなくなるのでは」と企業の間に懸念が広がり、その結果、私たちの身近な商品にも影響が出始めています。

カルビーは「ポテトチップス のりしお味」など、一部商品でパッケージを白黒にすると発表しています。

またカゴメは、トマトケチャップの一部商品について、パッケージを当面の間印刷部分を減らし透明にするデザインの変更。
日清製粉ウェルナは、パスタの束ねるテープに表示していたゆで時間の表示をなくすということです。

また、ふるさと納税のさとふるは、包装ラベルの価格上昇で商品価格を抑えるために、返礼品のお米のラベルをなくすなどといった変更が起きているということです。

榎並大二郎キャスター:
カルビーの白黒のパッケージは、この番組でも速報でお伝えしましたが、インパクトがありましたね。

三宅正治キャスター:
企業としては苦肉の策なのかもしれませんが、これだけ話題になったら売り上げにもいい影響がありそうな気がします。白黒になった瞬間、買う人が増えるなと思いました。

企業側としてはインクの使用量を減らして安定供給を続けていく狙いがあるといいます。

一方で、政府は原料となるナフサについて「中東以外から輸入するナフサを、中東情勢が緊迫する前と比べて3倍にする」と述べ、ナフサ由来の化学製品の供給について4月末に「年を越えて供給できるようになった」と説明しています。

カルビーなどの企業が対応を公表した後も政府は、あくまでナフサについては日本全体で「必要な量は確保されている」との立場を一貫しています。

その一方で政府は、供給の偏りや流通の目詰まりが発生していることが課題だとみています。

遠藤玲子キャスター:
目詰まりといわれても消費者の私たちには実際に見えないので、問題がどこにあるのか実感として分からないですね。

足りているはずのナフサがなぜ足りないのか、ナフサの取引実績もある石油コンサルタントの柳本浩希さんに、今起きている問題点を解説してもらいました。

柳本さんによりますと、在庫の出し控えと需要の集中が起きていて、これが原因なのではということでした。

ナフサが加工されて塗料として販売されるまでの仕組みでは、石油化学メーカーからさまざまな中間業者を経てメーカーのもとに届きます。

現在も順次、新しいナフサが入ってきていますが、中東情勢の影響で価格が上昇していて、以前と比べて2倍近くになっているといいます。

ところが、現在流通しているのは価格が上がる前のものも含まれているため、途中の原料としては現在価格上昇をしていません。

すると何が起こるかというと、今後の価格上昇を見越して一部の中間業者の中には、安いうちに早く買いたいというところがあり、供給が増えて供給が偏ります。

また、高く販売したいということもあり、在庫の出し控えをしようとするところがあり、結果的にこれが目詰まりを起こし、全体量が足りていてもナフサが全体には行き届いていない現状があるのでは、とみています。

――最近中東情勢の影響で商品の値上げのニュース入ってきていますが、これからさらに私たちの生活に影響が出てくることもあるのでしょうか?
柳本さんによると、現在入ってきているナフサがいきわたるのが7月から8月ごろの見込みで、近い将来には我々にも価格上昇の波が来るとしています。

ということで専門家を取材すると、塗料などものによっては出し控え、そして買い占めが起きている可能性もあり、近い将来、価格上昇も避けられないのではということも分かりました。

榎並大二郎キャスター:
企業の間の競争なども起きているということもあると思いますが、こういった問題があると、しわ寄せが来るのは中小企業だったりすることがしばしばあるわけで、そうしたことが起きないように中小企業をどう支援するか、その在り方をよく議論してほしいなと思います。