家計にも、環境にも、優しい取り組みです。長野県伊那市で5月9日、家庭で不要になった子供用品をゆずりあうイベントが開かれました。物価高の影響もあってか、多くの家族連れでにぎわいました。
■子供用品を無償で譲り合い
子供服に、チャイルドシート、鍵盤ハーモニカも。
5月9日、伊那市役所にさまざまな子供用品が集められました。
4回目となる市主催の「学用品・子供用品シェアリング」です。
事前に申し込んだ市民が、家庭で不要になった物品を持ち寄り、希望者に無償で譲り合います。
■「大切に着た服、引き継いで」
こちらの姉妹が持ち寄ったのは―
衣類を持ち寄る・妹(5):
「(どんな洋服を並べた?)95サイズとか90サイズとか100。(新しく着る人には?)よろこんでもらいたい」
お気に入りだった黒いスカートや、ワンピースも。
衣類を持ち寄る・姉(小4):
「家の中でおままごととかする時によく着ました。大切に着たから、また引き継ぐみたいな感じでうれしい。遊園地とか動物園とか、休みの日に毎日着てほしい」
3人で服を並べる原さん親子は前回、「もらう側」で参加し、今回は「ゆずる側」でも参加します。
衣類を持ち寄った・原さん:
「前回来て、すごくいいなと思って、うちにもいっぱい着られない服があったな、出そうと思って待ってました。今、いろいろ物価高で高いので、手軽に、予備としてでもいいので使ってもらえたら」
取り組みは好評で、これまでで最も多い53組が持ち寄りました。
会場は、サイズやジャンルもさまざまな子供用品でいっぱいに。
■開場と同時に約300人が殺到
その頃、会場の外では「もらう側」の行列ができていました。
担当者:
「11時になりましたので開場したいと思います」
時間になると待っていた約300人が一斉に会場内へ。
ベビーカーや大型の遊具などは1家庭1点です。
■高価なベビーカーも「物々交換で」
初めての出産を控える女性は、希望通り、ベビーカーを手にしました。
出産を控える女性:
「きょうはベビーカーをゲットしました。すごい助かります、高いので」
乗り心地をチェックする親子も。
母親:
「ディズニーランド行くのでこれが便利かなと。すごく助かります。(購入は)万単位かかりますもんね。うちもいらなくなったチャイルドシートを出したところで。で、こっちをもらって、物々交換で」
狙いの品を選ぶ人もいれば、あちこち見比べて掘り出し物を探す人も。
母親:
「物も無駄にならずに使えるのは環境にもいいですし、市でもこういう取り組みをやってくれてありがたい」
■物価高の中「少しでも家計が楽に」
こちらの母親は1歳の娘の物を中心に選びました。
母親:
「(上が)息子なので、男の子のものばっかり(おさがりで)着てることが多いので女の子のものを着せてあげたいなと。子供用品だけじゃなくて食品も上がってきちゃっているので、服はなるべく節約したい」
お兄ちゃんはプラレールをゲット。
兄:
「たのしかった。走らせてあそぶ」
3児の母:
「すごく助かります、すぐ大きくなっちゃうし、無料でもらえるのはありがたい。少しでも家計が楽に」
男児(8)の母:
「140とか150(サイズ)をもらって、出したのは120、130ですね。譲り合いってことですごくいいことだと思う」
■開始30分でほとんど空に
残った子供用品は、提供した人が持ち帰る仕組みですが、開始からわずか30分でほとんどなくなっていました。
朝、服を並べていた原さん親子は―
衣類を持ち寄った・原さん:
「(持ってきたものは?)きれいに全部、もらってもらって。よかったです。すごくうれしいです。どこかで使ってもらえていると思うと」
子供たちも、欲しいものを手に入れることができたようです。
兄(小3):
「鬼滅(の刃)のノートをもらいました。あと動物の図鑑」
妹(小1):
「折り紙の本。いろいろ作ってみたい」
■「温かい気持ちがつながり合う」
譲り合いの気持ちで成り立つ「シェアリング」。
環境にも、家計にも優しく、「あげる側」も「もらう側」にもうれしい取り組みです。
伊那市 地域創造課・仲村啓助さん:
「物価高の時代ですので、こういう形で地域の中で物が循環する取り組みが広がっていくといい。物の循環だけじゃなくて、温かい気持ちがつながり合う、巡り合うような地域を目指していければ」
伊那市は、今後の開催も検討していて、5月26日から29日には、日用品や食品、野菜などを譲り合う「シェアウィーク」を開く予定です。
(会場:伊那市役所)