日本中に衝撃を与えたポテトチップスの“白黒”パッケージ。石油製品の供給は今後、どうなるのか?
高市総理は「5月は現時点で約6割の原油の代替調達が実現できる見込み」と話しますが…取材を進めると、政府の温度感と実社会との間にズレがあることが見えてきました。
■「GWからプリンを出せてない...」嘆く洋菓子店
取材したのは、奈良市の洋菓子店。
ナフサ由来のプラスチック製の容器が入手できなくなり、地元の牧場とコラボした名物のプリンが作れなくなってしましました。
【パティスリーカラク・岩崎能久店主】「プリンカップなんですけど、今月から業者から入らないといわれている。ゴールデンウィークからプリンを出せていない」
プリンはカップを液体を流して、型として利用するため、カップがないと商品の製造そもののができないのです。
■フィナンシェやマドレーヌにも影響か
さらに、影響は焼き菓子にも…
【パティスリーカラク・岩崎能久店主】「これから業者的にも欠品すると言われているのはフィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子の袋です。
今後の中東情勢によっては納品難しくなるといわれている。秋冬まで中東情勢が解決していなかったらもっと苦しくなると思います」
■「供給量は変わっていないが値段が上がっている」印刷業界の団体
石油を精製して作られるナフサは商品のパッケージに使われるインクの原料にもなっていて、カルビーは「中東情勢が緊迫化する中、商品の安定供給を最優先する」としています。
さらにカゴメも14日、ケチャップのパッケージに表示されているトマトのイラストを減らすと発表。
印刷業界の団体はその原因について「インクに使われる溶剤の供給量はあまり変わっていないが、値段が上がっている。コストを抑えるために色を減らしたのではないか」と話します。
■箕面市のごみ袋 緑→黒 印字変更
大阪府箕面市では、一部の指定ごみ袋について、秋ごろから順次、印字を緑色から黒に変更します。
緑色のインクが手に入りにくくなっているためで、今後1年間のごみ袋の供給自体は目途が立っているということです。
【大阪府箕面市・原田亮市長】「この先はどうなるかっていうのは、戦争の状況なんかも見極めないと不明瞭なところが多い。安定供給できるように、違うところから供給を確保するとか、対策を国の方にも求めていきたい」
■真空パックの袋が入手できず「冷凍弁当」がピンチ
さらに取材を進めると、ナフサ不足が「障害者の雇用」が危ぶまれる事態が起きていることがわかりました。
「冷凍弁当」をホテルや大学などに販売する兵庫県西宮市のミレニアムダイニング。
「冷凍弁当」を入れる真空パックの袋がナフサ由来で、先月下旬から急に出荷制限がかかり、必要な数が手に入らなくなりました。
【ミレニアムダイニング・重森貴弘社長】「冷凍のお弁当の場合、必ず透明の袋にお弁当を入れて、パウチして送らないと、出荷ができない」
■冷凍弁当の製造支える障害者にも影響か
真空パックの袋は代替品を探し対応していますが、この状況が続くと、冷凍弁当の出荷そのものが難しくなり、従業員の雇用を継続できるか、不安を感じています。
【ミレニアムダイニング・重森貴弘社長】「障害者の方がお勤めしていただいてるんですね。(冷凍弁当は)『きょうは何個作るよ』という計画生産ができるので、非常に冷凍の弁当と障害者の方とマッチングしている。その方の仕事がなくなっちゃうのが一番不安ですね」
■いちばん大きな影響は7月から8月か
石油産業に詳しい専門家は、「ナフサ由来製品は生産・流通過程が複雑で、すぐに供給不足を解決することは難しく、今後、様々な製品のさらなる値上げなどが想定される」と指摘します。
【桃山学院大学経営学部・小嶌正稔教授】「おそらく7月から8月ぐらいに、いちばん大きな影響が出るかと思います。本当に足りてるんだったら買えますから。しかし、あっても買えないような状況があるのが現在の状況です」
フェーズが変わったとも言える“ナフサショック”。
政府と社会の温度感のズレは今後、埋まっていくのでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年5月15日放送)