「昨年は問い合わせが例年の4倍ぐらいはあった。ことしは、静かになっています」

こう話すのは神戸市で米を生産する小池農園こめハウスの小池潤取締役。

価格高騰の「令和の米騒動」からたった1年で、状況は一変しました。

■”令和のコメ騒動”から1年 店頭価格はいま

2026年5月14日、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」が大阪市内のスーパーマーケットに確認したところ、5キロあたりの米の価格は次のとおりでした。

・コシヒカリ(新潟県産):4,525円

・にじのきらめき(滋賀県産):3,866円

・はえぬき:3,866円

・ブレンド米:3,866円

・ブレンド米:3,758円

ことし2月の取材時、新潟県産コシヒカリは4,849円でした。スーパーの社長は「4月末から5月ごろには3,000円台に値下がりするのではないか」と見立てていましたが、5月14日時点でコシヒカリはまだ4,000円台にとどまっています。

ただ、ブランド米を除けばほぼ全銘柄が3,000円台に入ってきました。5キロあたりの平均販売価格は3,796円まで低下しています。

■「近年で最も高い水準」 277万トンの民間在庫

価格が下がっている背景には、需給の大きな変化があります。

農林水産省が発表したデータによると、2026年3月末時点での米の民間在庫量は277万トン。近年で最も高い水準にまで増加しているのです。

政治ジャーナリストの岩田明子氏は政府関係者への取材からこう指摘します。

【岩田明子氏】「在庫が割と余り始めているという話でした。コシヒカリは人気があるので高値で止まっています。石破内閣のときに増産で大転換しましたけれども、こうなることも予想はできた」

わずか1年前、消費者や飲食店・病院などがコメの確保に奔走していたのとは、まるで別の景色だ。

■田植え前の農家 「とれるまで値段が分からない」

神戸市の小池農園でも、種まきから3日目の苗が育ち、来週からの田植えを控えています。

しかし、農家にとってこの時期は不安と隣り合わせです。小池取締役はこう訴えます。

【小池農園こめハウス 小池潤取締役】「農業の場合だと、取れるまで値段が分からない。コメだと、田植えから取れるまで半年かかります。その間はおよその値段が決まらない状態」

同じ仕事をしても、需要次第で報酬が3割、5割と変動しうると言います。そうした構造的な不安定さが、農家の経営を直撃しているということです。

■三重苦 需要減・燃料費高騰・袋の価格高騰

さらに米農家が直面しているのは、次の”三重苦”です。

・米離れとも言われる米需要の長期的な減少

・重機などの機械燃料費の高騰

・米袋の価格高騰

コストは上がり続ける一方で、収入の見通しは立てにくい。昨年の「コメ不足」から一転、今度は「コメ余り」が農家の経営を圧迫しつつあります。

田植えを目前にした今、小池取締役が口にした言葉が重くのしかかります。

【小池農園こめハウス 小池潤取締役】「もしかしたらこのまま価格が暴落してしまうのでは」

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年5月14日放送)

関西テレビ
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