「今、春キャベツが取れすぎている」

神戸市西区のキャベツ畑から、そんな驚きの声が届きました。

皮をむくと色鮮やかでみずみずしい春キャベツ。大豊作となれば、私たち消費者にとっては「安く買えるのでは?」と期待が膨らみます。しかし、キャベツ農家の木下真規さんにお話を伺うと、事態はそう単純ではないようです。

店頭価格が安くなるかと思いきや、これから先、逆に価格が上がる可能性すらあるというのです。一体、春キャベツの畑で何が起きているのでしょうか。

秦令欧奈アナウンサーの報告です。

■冬の温暖化が影響?一斉に収穫期を迎えた春キャベツ

神戸市西区のキャベツ畑を訪れると、背景には港のクレーン群が見え、のどかな風景が広がっています。ここで春キャベツを栽培している農家の木下さんによると、今年は「いつもの時期よりはたくさん取れてますね」とのこと。

通常、キャベツの収穫は時期をずらして1次、2次、3次と順番に行っていきます。しかし今年は、2次と3次のキャベツがいっぺんに収穫のタイミングを迎えてしまったというのです。

「大体今ぐらいから20日ぐらいまで3次を収穫するんですけれども、ちょっともう今年に関してはもう終わってしまってるっていう状況ですね」と木下さんは語ります。

なぜこのような前倒しが起きたのでしょうか。その最大の要因は「やっぱり冬場が温暖化の影響か、あったかかったっていうのが一番大きい」といいます。冬の気温が高かったことで生育が早まり、本来ならこれから収穫するはずだったものが、すでに完全に育ちきってしまったのです。

■生育が進みすぎて残されたキャベツたち

実際に第3次の収穫が終わった畑を見せていただくと、まだたくさんのキャベツが残っているように見えます。しかし、これらはすでに出荷できない状態なのだそうです。

「生育が進みすぎて、あとちょっと劣きゅうしてしまって、収穫できないものですとか、少し規格外、小さすぎて収穫できないものとかがまだ少し残ってはいるんですけれども、一応は収穫終了ですね」

暖かさによって急激に育ちすぎた結果、規格に合わず箱詰めできないキャベツが、採り切れずに畑に残されてしまっているという、農家にとっては非常に悩ましい状況が起きています。

■価格は下落から一転、高騰の可能性も

これだけたくさんのキャベツが前倒しで取れているとなると、気になるのは店頭でのお値段です。

実際、市場相場は少し下がっており、5月1日には1200円だったものが、5月7日には800円まで下がったといいます。

これを聞くと「これからは安く春キャベツが食べられる!」と喜んでしまいそうですが、木下さんは「そうはならないっていうのがやっぱり市場相場」と指摘します。

「収穫が今に前倒しになってしまってますので、本来収穫しないといけない時期、これからの時期に収穫がなくて、外相場が上がる可能性はやっぱりあるかと思います」

つまり、今たくさん出回っていて安くなっているのは一時的なものであり、これから先は「空白の時期」が訪れるため、逆に品薄となって価格が高騰する懸念があるのです。

■今が旬の春キャベツを美味しく

木下さんによると、春キャベツの魅力は「やっぱり肉質が柔らかいんで、生で食べていただいてすごく甘くフレッシュに食べていただくことできます」とのことです。

皮をむけば色鮮やかで、みずみずしい春キャベツ。天候の影響による収穫時期のズレや価格の変動には注意が必要ですが、今まさに美味しく食べられる春キャベツを、ぜひ食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年5月14日放送)

関西テレビ
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