えん罪被害者を救う唯一の道となりうる、裁判のやり直し“再審”。
この制度を見直すための議論がきょう=13日、いよいよ大詰めを迎える。
いまも続く冤罪被害の連鎖を断ち切る、その転機となるのだろうか。
(2026年5月13日午後5時現在の内容。)
■稲田元防衛大臣を中心に自民党議員の反発も
修正に次ぐ修正を重ね、まもなく示される政府の再審法改正案。
再審制度は、冤罪被害者を救済する唯一の道でありながら法律の整備が不十分なために、裁判所が開始を決定しても検察が不服申し立て=抗告を繰り返すことで時間がかかり救済が遅れることが長年、指摘されてきた。
【自民党・稲田朋美元防衛大臣】「不誠実なの!」
法務省は当初、「不服申し立てを維持する案」を示しましたが、一部の自民党議員の反発を受け、「原則禁止」とする修正案を提示。
しかしそれが、法律の付随的要素を記載する「付則」に記載する案だったため、議員側は、法律の核となる「本則」に明記することを最低条件として議論は持ち越しとなっていた。
政府側は、13日、議員側の意見を取り入れ検察の不服申し立ての原則禁止を「本則」に盛り込んだ再度の修正案を会議で示す方針を固めた。
15日の閣議決定を経て今国会に提出される見通しだ。

■「(再審で)無罪になった人たちがこんな思いをすることなく」無実を訴えながら病死した阪原弘さんの長男
再審をめぐっては、袴田巌さんが逮捕されてから再審無罪の確定までに58年。
滋賀県日野町で起きた強盗殺人事件では、最高裁で開始が決まるまでに逮捕から38年かかり、無期懲役が確定していた阪原弘さんは無実を訴えながら2011年に病死した。
【阪原弘次さん】「多くの(再審で)無罪になった事件の人たちがこんな思いをすることなく、徹底的に善処してやっていただきたい。そのための法律であってほしい」

■今も繰り返されている“冤罪”
冤罪は「昔の話」ではない。今も繰り返されている。
【山岸忍さん(2021年)】「いきなり、逮捕状を持ってこられたんですよ。こうやって無理に捏造していくもんなんやと」
こう話すのは7年前、21億円を横領したとして大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、裁判で無罪が確定した「プレサンスコーポレーション」の元社長・山岸忍さん。
山岸さんは、「違法な捜査が冤罪を作り上げた」として国に損害賠償を求める裁判を起こしている。

■「検察なめんなよ」捜査の見立てに沿う供述を引きだす取り調べの実態
その中で明らかになったのは、当時の部下から捜査の見立てに沿う供述を引き出す取り調べの実態だった。
【大阪地検特捜部(当時)検事】「なめんじゃないよ!いい加減なこと言っちゃダメだろ!なんでそんないい加減な説明するんですか!失敗したら腹切らなきゃいけないんだよ。命かけてるんだよ。検察なめんなよ」
このような取り調べを受けた当時の部下は、事実ではない山岸さんの事件への関与を認める供述をしたのだ。

■「“有罪は勝ちで無罪は負けである”という検察の一種の企業風土」を指摘 “再審法”の改正に携わってきた鴨志田弁護士
今も続く冤罪を生み出す構図。
法務大臣が諮問した専門家会議の委員として“再審法”の改正に携わってきた鴨志田弁護士は、冤罪のリスクがある以上、被害者を確実に救済するには実効性のある法改正が必要だと話す。
【鴨志田祐美弁護士】「冤罪は、人間である以上、誰でも間違えるという部分と、検察官の体質“有罪は勝ちで無罪は負けである”という一種の企業風土みたいなものがしみついている中では、当然これからも起こっていく。
大事な証拠が眠ったまま(裁判を)3回繰り返しても、そりゃ間違いますよね。そうやって有罪が確定していってるケースが現実にたくさん起きている」
「再審は、最後に救える場所なのに、そこのルールがスカスカだった。それが今の問題になっている」と鴨下弁護士は言う。
今国会での成立も見えてきた“再審法”改正案。冤罪被害者の早期救済を確実なものにするために、どこまで制度を整備できるのだろうか。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年5月13日放送)

