カルビーは「ポテトチップス」や「かっぱえびせん」、「フルグラ」などの14商品について、カラーのパッケージからインク色を減らした“白黒”の2色に変更すると発表しました。
店頭では今月25日の週以降、順次、変更される予定です。
中東情勢の緊迫化によりインクなどの調達が不安定になっていることから、商品の安定供給を最優先にした当面の対応だとしています。
これを受けて関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した社会学者の古市憲寿氏が「政府は石油もナフサも『大丈夫』としか言わないけど、今は大丈夫でも、秋や冬が大丈夫か分からない」と指摘。
「カルビーという民間企業がある種の注意喚起みたいな形で白黒にしたことは、すごい意味がある」と主張しました。
■「家帰ったら違う味だった、ということがあるかもしれない」
今回のカルビーの商品パッケージの“白黒”化は、商品の中身や品質への影響はないということですが、見た目の変化は大きいものです。
関西テレビの藤本景子アナウンサーは、スタジオで率直な感想を語りました。
【関西テレビ 藤本景子アナウンサー】「びっくりですよね。こんな身近なものにまで影響が来たのかっていう驚き。
なんとなく色で無意識に手に取ってたところがあると思うので、すべてが白黒になった場合、よく見ないと。
私、うすしお派なんですけど、家帰ったら違う味だったっていうことがあるかもしれない」
のりしお、うすしお、コンソメパンチ…パッケージの色の違いで、味を識別していた消費者にとって、表示をきちんと見ないといけません。
■「この宣伝効果、めちゃめちゃでかい」
一方、タレントの土田晃之氏は「長期な目線で見て全部白黒だったら困りますけど、そんなに長くないんだとするならば、めちゃめちゃいいと思いますよ」と発言。
その理由として挙げたのが、白黒パッケージが持つ”希少性”です。
【土田晃之氏】「カラフルなお菓子売り場に白黒があれば、『なんだこれ』ってなる。今日、朝からずっとポテチのニュースをやってるじゃないですか。
この宣伝効果、めちゃめちゃでかい。スーパーで白黒で見つけたら、『これニュースでやってたやつだ』と思って、多分手に取ると思う」
逆説的ながら、白黒パッケージが一種の”レアアイテム”として消費者の目を引く可能性を指摘しました。
■「カルビーって民間企業ですけど、これはある種の注意喚起」
社会学者の古市憲寿氏は、カルビーの今回の判断に、より深い意味をがあるのではと話します。
【古市憲寿氏】「これ、カルビー最高ですよね。批評性があるのもいい。ナフサは世界のどこかにはある。でも、それが目詰まりを起こしかねないということで、こういうことをすると思う」
古市氏はさらに続けます。
【古市憲寿氏】「政府は石油もナフサも『大丈夫』としか言わないけど、本当に分からない。今は大丈夫でも、秋や冬が大丈夫か分からない。カルビーって民間企業ですけど、これがある種の注意喚起みたいな形で白黒にしたことは、すごい意味がある」
加えて、日本の“商品パッケージ文化”について問題提起も。
【古市憲寿氏】「日本のいろんなもののパッケージって、カラフルすぎると思う。目立とう目立とうとするばかりに、色鮮やかすぎて逆におしゃれじゃない。全部白黒にしたほうが、スーパーもおしゃれになるんじゃないですか」
ここから話は広がり、インターネット通販などで販売されている、商品ラベルのないペットボトル飲料を例に「こういうことをきっかけに、過剰包装やカラフルなパッケージをいっそやめてもいいんじゃないか」と古市氏は主張しました。
■農水省がカルビーをヒアリング その真意は?
一方、農水省はこの“白黒化”をきっかけに、カルビーにヒアリングを実施しました。中東情勢悪化後における包装印刷に関連する原料調達の実態を聞き取るためだとされています。
佐藤官房副長官は「印刷用インクやナフサは、現時点で日本全体で必要量は確保されているという認識。関係省庁が関係企業との意思疎通に努めている」と発言しました。
しかし、このヒアリングの目的についても、スタジオでは鋭い議論が交わされました。
【古市憲寿氏】「ヒアリングって、本当にどこで困っているか聞きたくて政府はやっているのか。それとも、足りてるはずなのにこんなことやって危機を煽るんじゃないよって、恫喝みたいな意味も込めているのか」
古市氏のこの発言に対し、元フジテレビ解説委員でジャーナリストの風間晋氏は「個々の企業にとってみれば、政府が何を言おうと、必要なときに必要な場所で必要な量を手に入れられなかったらもうお話にならない。不足以外の何者でもないので、民間企業の危機感は強い」と発言。
信用調査会社の帝国データバンクによると、全国のメーカー15万社のうち、およそ3割にあたる4万7000社近くがナフサ関連の取引を持つといいます。
■「政府を信用しましょう」「信用できないでしょう!」
なお高市総理は4月30日、「中東以外からのナフサ輸入量が5月には情勢緊迫化前の水準に比べ3倍になる」と説明。
ナフサ由来の化学製品の供給について「年を越えて継続できる見込みとなった」と述べ、政府として”大丈夫”というメッセージを打ち出しました。
これに対し、風間氏は冷静に語ります。
【風間晋氏】「どこにあるか分からないわけですから。大体、官僚の皆さんは『全部アンダーコントロール』と言いたがる。『安心してください』って言いたがるけど、必ずしもそうでなかったというのは歴史が証明している」
ここに古市氏が問いかけます。
【古市憲寿氏】「でも風間さん、本当に足りると思います?エネルギー含めて、今年の秋や冬まで」
【風間晋氏】「政府を信用しましょう」
【古市憲寿氏】「信用できないでしょう!」
中東情勢の混迷が続く中、身近なところにもその影響が出てきています。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年5月13日放送)