「神にもすがりたい…」現場からはそんな声が聞かれました。
去年、記録的な不漁で、28年続いた「生鮮カツオ」の水揚げ量日本一の記録が途切れた宮城県気仙沼市で、専門家が今シーズンの水揚げ量の予測を発表しました。
5月13日、気仙沼市の神社で行なわれた「大漁祈願祭」。地元の水産関係者などが出席し、気仙沼港に所属する漁船の大漁などを祈りました。
関係者が切に願うのは、去年まで、水揚げ量「28年連続日本一」を誇っていたカツオの豊漁です。
気仙沼漁協 齋徹夫組合長
「本音を言うと『神にもすがりたい』というのが偽らざるところではありますけども。去年のようなことがないように揚がってもらえれば」
気仙沼市魚市場の年間の水揚げ金額は、おととしおよそ225億8千万円でしたが、去年はそこからおよそ65億円減少しました。
その原因は、「生鮮カツオ」の記録的な不漁です。
去年の水揚げ量はおよそ4372トンと前年の1割に留まり、28年続いた日本一の記録は途切れました。
こうした中、開かれたのが、今シーズンのカツオの水揚げの見通しを専門家が説明する会議です。
示された見通しは…
漁業情報サービスセンター 水野紫津葉さん
「昨年よりは水揚げが増加すると予測が出ました」
「漁業情報サービスセンター」によりますと、4月に伊豆諸島の付近で小型のまとまった群れが確認されましたが、これは去年、見られなかったということです。
今後は秋にかけて北上し、気仙沼にも「戻りガツオ」として水揚げされる見込みで、年間の水揚げ量は、去年より3倍ほどの「1万トン」ほどになると予測しました。
また、燃料価格の高止まりを受けて、漁船が、漁場に近い港に水揚げすることが予測されることから、三陸沖に漁場が形成されれば、さらなる水揚げ量の増加につながるとの見方も示されました。
気仙沼市で廻船・魚問屋を営む小野健商店 小野寺健蔵社長
「気が休まる思いですが、今まで何十年も市場に携わっていて、やはり実際に来てみて終わってみないとわからない。それが現実ですよね。期待を持てるというか期待したいと思います」
漁業情報サービスセンター 水野紫津葉さん
「まだ漁場が伊豆(諸島)の南になっていますので、その漁場がどのくらい北にあがってくるのかというのが一番のポイントになってくると思いますので、船の動きを今後も追いかけたい」
「漁業情報サービスセンター」によりますと、気仙沼市のカツオの初水揚げは例年よりやや遅い6月中が予測されています。
また去年の不漁を受け、加工会社などの引き合いが強まることから、取り引き価格は例年より高くなることが見込まれています。
日本一奪還への期待感が高まりますが、こうした中、気仙沼市は去年の記録的なカツオの不漁を受けて、地元の関連業者を対象とした「支援金制度」を整備しています。
支給額は1社あたり最大50万円で、4月末までの受け付け期間に121件の申請があったということです。
去年のカツオの水揚げ終了時期を踏まえると、今年も11月以降には、再び日本一になるのか判明するとみられます。