夏山シーズンの始まりまで約2カ月を切った日本一の山「富士山」。
閉山中も多くの人でにぎわいを見せる一方で、相次いでいるのが遭難事故です。
5月3日には、9合目付近で休憩していた中国籍の男性が数百メートル下に滑落し、救急搬送されました。
さらに横殴りの雪が吹き付ける3月にも外国籍の男性が遭難し、静岡県警の山岳遭難救助隊が出動しました。
吹雪の中でも聞こえてくる隊員の荒い呼吸音が救助活動の過酷さを物語っています。
閉山中でも遭難が相次ぐ富士山。
11日の会見で、富士宮市の須藤秀忠市長は「自己責任になっていない。遭難したら助けてもらえればよいというのはとんでもない話」と述べ、怒りをにじませました。
さらに、遭難が起きた場合に出動せざるを得ない救助隊側のリスクについても、「もし二次遭難が起きれば、隊員の家族や上司は我慢できない。怒りになってくる。冗談じゃない」と述べました。
そうした中、7月の山開きを前に、静岡県では公式アプリを使った入山の事前登録の受け付けがスタート。
登山のルールやマナーを事前に学習でき、入山料4000円の決済も可能です。
加えて、2026年からはマップ機能を活用し、現在地の高度や山小屋までの所要時間なども確認できるようになりました。
登山の安全が叫ばれる中、長野県でも事故が相次いでいます。
11日早朝、北アルプスの蝶ヶ岳で60代の女性が滑落し死亡。
鹿島槍ヶ岳では、71歳の男性が10日から行方不明になっており、11日の捜索でも見つかっていません。
さらに戸隠連峰では10日、46歳の女性医師が滑落し死亡する事故も起きています。
そうした中、長野県警は緊迫する雪山での救助映像を公開しました。
5月3日、標高3000メートルを超える奥穂高岳で撮影された映像には、ヘリから遭難者のもとへ向かった救助隊が「ケガは額と他に痛いところある?」などと男性に声をかける場面がみられました。
71歳の男性が下山中に約100メートル滑落し、首の骨を折るなどの重傷を負いました。
各地で山の事故が相次ぐ中、富士山登山は一部の登山口を除き7月1日からスタート。
十分な安全意識を持ったうえでの登山が求められます。