冤罪の可能性がある場合に裁判をやり直す再審に関する法改正をめぐり、法務省は5月7日、自民党の法務部会と司法制度調査会に再修正案を示しましたが了承は得られませんでした。

刑事訴訟法の再審規定をめぐっては、法律の不備が指摘されていて審理の長期化などが課題となっています。

中でも長期化する要因の1つが、裁判所の再審開始決定に対し検察が不服を申し立てることができる抗告制度です。

1966年に清水市(当時)で1家4人が殺害された強盗殺人放火事件では、一度は死刑が確定した袴田巖さんの再審開始決定が2014年に出されましたが、検察が抗告したことで実際に裁判が始まるまでに更に9年あまりの歳月を要しました。

7日に法務省が示した再修正案では、抗告の原則禁止を法律の付則に盛り込む一方、十分な理由がある場合は例外的に認めるとしていて、議論は3時間超に及びましたが党内の了承は得られず、弁護士資格を持つ柴山昌彦 元文部科学大臣は「検察側の再審開始決定に対する不服申し立てについて付則に閉じ込め、検察の一存による抗告が温存されるように読めることは極めて問題」と指摘しています。

また、同じく弁護士資格を持つ稲田朋美 元政調会長も「十分な理由ということであれば、検察が『十分な理由がある』と言えば抗告できるのは恣意的になる可能性がある」と苦言を呈しました。

会議の終了後、袴田さんの姉・ひで子さんは浜松市中央区で取材に応じ、「役所というところはスッキリしたことをやらない。どこかに抜け道みたいなものを作る」と述べた上で「(部会のメンバーには)とにかく頑張ってほしい」と改めて抗告の禁止を強く求めています。

テレビ静岡
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