全ての始まりは一本の電話から
株式会社ティアは東海エリアを中心に全国に展開する葬儀社です。サステナビリティの取組みを開始したのは数年前のこと。何をしていこうかと模索する中で、現場スタッフから上がったのは『通夜・葬儀で使うロウソクを活用することはできないか』という声でした。
我々ティアグループで承る葬儀は年間26,000件以上にのぼります。儀式の中で使うロウソクは式ごとに新しいものをお出しするため、使い切れなかったロウソクは廃棄していたのが現状でした。
このロウソクを活用する術がないか、と検討していたものの、具体化しないまま日々が過ぎました。
そんな中、ティアに入った一本の電話。それは、お寺様から「使用済のロウソクを譲ってほしい」という依頼でした。
早速お寺に訪問し、ご住職夫婦にお話を伺ったところ、廃ロウソクを活用したキャンドルアートを制作されている娘さんがいるとのこと!これが、当時小学校4年生で地域のお祭りなどにキャンドルアートを提供していたKicoさんとの出会いでした。
キャンドルワークイベントの開催に挑戦!
このご縁を機に、各会館スタッフに呼びかけを行い、使用済ロウソクの回収をスタートしました。Kicoさんに回収したロウソクを提供すると同時に、Kicoさん、お母さまの協力のもと、社内の内定者交流会の一環として廃ロウソクを活用したアップサイクルキャンドル作りのワークショップを開催!牛乳パックを使ったキューブ型のキャンドルは参加してくれた内定者の方たちの個性があふれ、大いに盛り上がる時間となりました。
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「スケッチグラム®︎」との出会い
これを皮切りに、ティアの会館でお客様向けのキャンドル作り体験イベントを開催しながら、他に何かできないものか、と欲がふつふつと湧いてきました。そんな中、ある異業種交流会で出会ったのがスケッチグラム®︎でした。
スケッチグラム®︎は、アール・ブリュット(障がい者アート)作家をはじめとする多様な表現者の感性を、商品開発やデザイン、プロジェクトを通じて社会につなぐ取り組みです。
スケッチグラム®︎を推進する担当の方に、廃棄ロウソクの新たな使い道について話をしたところ、障がい者アートをデザインに用いた缶入りアップサイクルキャンドルの提案をいただきました。
試しにサンプルを作り、個性豊かで温かなアール・ブリュットデザインを合わせてみたとき、その可愛さ、素敵さに感激したことをまるで昨日のように覚えています。これはぜひ多くの方に手に取ってもらいたい、と強く思いました。
本商品を輝かせるアーティストとの出会い
スケッチグラム®︎では、多くの障がい者アーティストが在籍し、様々な作品を提供しています。アーティストの個性があふれる沢山のアート作品の中から、缶の蓋に載せた時に映えるデザインを迷いに迷いながら選び、yuikoさん、chabiさんの作品に行きつきました。モザイク画を得意とするyuikoさんのはっきりした絵と柔らかな印象のchabiさんの絵は、並べてみてもとてもバランス良く見えました。
yuikoさんは自閉スペクトラム症、chabiさんは幼少期の虐待による後天的な知的障害と共に生きています。お二人の命あるものに対するまなざしの優しさから生まれる作品はどれも温かく、鮮やかに描かれています。
本商品の売上の一部は、お二人に還元させていただいています。chabiさんからは「自分がこんな風に社会に役に立てているという実感が何よりも嬉しい。」との声をいただきました。
この取り組みが障がい者アーティストと社会をつなぐ役割を持っていることをあらためて認識しました。
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マルシェでの販売、そして……
資材の調達や生産体制の整備など様々な試行錯誤の末、なんとも素敵な缶入りキャンドルの商品化に至りました。缶の蓋を彩るデザインはyuikoさんのキリン、chabiさんのハチドリデザイン。それぞれ、ラベンダーとローズの香りを楽しめるアロマキャンドルです。
2025年10月より、商品の販売と取組PRを兼ね、エシカルツキイチマルシェなどの名古屋市内のマルシェを中心に出店してきましたが、ここでまた欲が出てきました。それは、「もっと多くの方に商品のことを知ってもらいたい!」という思い。
そこで、より多くの方に手に取っていただくべく、ECサイトの立ち上げに至りました。2026年3月末に開設後、コンスタントに受注をいただきながら、少しずつではありますが、確実に商品の認知は拡大しています。
◆アップサイクルキャンドルECサイト◆
https://www.tear.co.jp/sustainability/upcycledcandle/
売上は、遺児支援団体「あしなが育英会」に寄付
ティアの承る葬儀の中には、愛する子どもを遺し旅立つ方の式もあります。どれほどの無念と心配を抱え旅立ったのかと思うと、「我々ティアとして何らかの形で支援ができたら」という思いが強くありました。そこで、以前より支援をしていた一般財団法人 あしなが育英会への支援を拡大する、という形で本商品の売上を寄附させていただくことになりました。
あしなが育英会は、病気や災害、自死などで親を亡くした子どもたちや、障がいなどで親が働けない家庭の子どもたちを奨学金、教育支援、心のケアで支える民間非営利団体です。
子どもたちが自分の人生を切り開いていく一助になることを願っています。
今、思うこと
最後になりますが、今、心から思うのは、この取り組みが様々な方との縁、協力によって初めて成り立つものであること。廃棄ロウソクが手元にあるだけでは、このような商品化には至れませんでした。アップサイクルキャンドルに取り組んでいるKicoさん、アールブリュットという付加価値を与えてくれたスケッチグラム®︎、素敵なデザインを提供してくれたyuikoさん、chabiさん、廃棄ロウソクの回収に協力してくれる社内のスタッフなど、多くの方との関りの中でこの商品が世に出たことを忘れず、これからも真摯に取り組んでいきたいと考えています。
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