リゾナーレ熱海の春といえば、「海藻」。それが私たちの「当たり前」だった。けれど2026年、私たちはその看板を下ろす決断をする。選んだのは、静岡特産のガーベラを花火に見立てる挑戦。農園への直談判、ロスフラワーとの出会い、仲間との試行錯誤。リーダーを務める松岡さんが、数々の壁にぶつかりながら、未知の春を模索する現在進行形の物語。
「えっ、海藻やめるんですか?」-8割の不安と、2割のワクワク
「来年の春、海藻以外のテーマも考えてみない? 例えば、静岡県が誇るガーベラとか。」
2026年春イベント造成のキックオフ会議。その一言がすべての始まりだった。
リゾナーレ熱海の春といえば、「海の中のお花見」。
ホテル最上階『ソラノビーチ Books&Cafe』を本物の海藻で彩る、6年続く企画だ。プロジェクトのリーダーを務める松岡さんも、当然「今年も海藻だろう」と他人事のように構えていたという。
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本物の海藻100種類を装飾に使用した「海の花咲くリゾナーレ」(2025年)
だが会議では「海藻と、それ以外の両軸で考えてみよう」という話が持ち上がる。
(え、海藻やめるの…?)
その瞬間、頭が真っ白になった。
そこから、松岡さん率いるチームの奮闘が始まった。ガーベラを使う方向性は決まったものの、問題は「どう見せるか」。長年愛されてきた海藻に代わる景色を、自分たちの手で本当に生み出せるのか。
「お花畑では、熱海らしくないよね」
「ガーベラって、何かに似てない?」
議論を重ねてたどり着いたのが「花火」だった。日本では約500もの種類が栽培されているガーベラ。かたちや色も多種多様で、そんな種類豊富さが、熱海を象徴とする花火とリンクするというアイディアから発想。
熱海の象徴である花火を、色鮮やかなガーベラで表現する。コンセプトは“海から、空へ”。それは、リゾナーレ熱海が迎える新しい春のかたちだった。
「海藻を変えていいのか」という葛藤は消えなかった。「そもそも私は普段から花を飾るタイプじゃないし…」と、当時の心境を振り返り松岡さんは苦笑いする。自分へのツッコミが止まらない。それでも、空間いっぱいに咲く“花火”を想像すると、心が高鳴った。松岡さんは、その小さなワクワクを信じ、未知の挑戦へと踏み出した。
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リゾナーレ熱海スタッフ 松岡 遥名さん
予算の壁を飛び越える、泥臭い直談判
方向性は決まった。しかし、生花で空間を埋め尽くすには現実的な壁があった。理想の景色をつくるには、圧倒的な本数が必要だ。通常の仕入れでは予算に届かない。
「農家さんに直接聞いてみよう。」
そこから、彼女の「泥臭い仕入れ大作戦」が始まった。
ひたすら農家を検索し、片っ端から連絡。まだ実施すら確定していない段階での相談に、戸惑いもあった。心の中の冷静な自分が「なんて迷惑な電話をしてるんだ!」と全力でツッコミを入れてくる。それでも、熱意だけを信じて行動した。
そんな中、「一度おいでよ」と声をかけてくれた農家との出会いがあった。 ハウス一面に広がるガーベラの景色。その中で提案されたのが、規格外の“ロスフラワー”の活用だった。規格外という理由で市場に出ないだけで、美しさは変わりはない。
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ガーベラ農家さんからお話しを聞く、松岡さん
「この花たちに新しい舞台をつくりたい」-その瞬間、企画は単なる装飾ではなく、地域の花の価値を広げる挑戦へと意味を深めていった。
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規格外のガーベラ
「どのように花火を表現する?」-正解のないアイディア出し
体感、高さ、視線の流れ。会議では何度も議論が交わされた。
「花火は見上げるものだよね。」
「なら、球体にしてみるのは?」
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使用する素材を並べて検討した、フラワーボール試作品
連想ゲームのような会議を繰り返す日々。迷いそうになるたび、先輩たちが議論を前へ進めてくれたという。
「私はおんぶにだっこ状態でした(笑)」
また生花を使うということで、様々な栄養剤を試し、どうすればガーベラを美しく長持ちさせられるか試行錯誤も。
熱海の花火らしいパステルカラーを再現するため、淡い色味を厳選。頭上に浮かぶフラワーボールや、光の余韻を表すフラワーカーテン。細部までこだわり抜くうちに、空間の完成図が見えてきた。
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完成したフラワーボールとフラワーカーテン
一番「ワクワク」しているのはきっと私
「実は、もともと花に全く興味がなかったんです。」
この企画をきっかけに、自宅に一輪のガーベラを飾ってみた。すると、不思議な変化が起きたという。
「ガーベラのために掃除しよう、と思った自分に驚きました(笑)」
花には、誰かの日常を一瞬で変える力を持っている。そのことを、松岡さんは自分自身の体験を通して確信した。扉の向こうに広がるのは、ガーベラで描く“花火”。それは、海藻から始まった春を超えて生まれる、新しい熱海の景色だ。
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