福岡市民の憩いの場、大濠公園。ゴールデンウィークを迎えたこの時期、園内では、大量の『外来生物』である“ミドリガメ”が文字通り、甲羅干しに現れ、訪れた人達の注目を集めている。専門家は、むやみに触ったり近づかないよう注意を呼びかけているが、なぜ、これほどまでに数が増えたのか?
福岡の一等地で大量の“甲羅干し”
総面積39万8000㎡のうち、22万6000haが池となる福岡市中央区の大濠公園。

この日、園の実態調査に同行した。既に、陸に上がっているカメを見つけた『西鉄グリーン土木』の岩下幸広部長は、早速、池に網を入れる。引き上げた網の中から出てきたのは、カメ。

捕獲されたカメには釣り針が掛かっていた。「これは利用者の方から『釣り針が掛かったカメがいる』と連絡があったものですね」と言いながら岩下さんは、手早く釣り針を外してやる。

「このカメは、ケガがあるので、一旦、持ち帰って様子を見ますが、基本的には自然に戻します」と話す。
あえての『条件付き』
園が捕獲調査を進めるのは、顔の赤いラインが特徴の『ミシシッピアカミミガメ』。

耳慣れた名前では『ミドリガメ』とも呼ばれている。

このカメは、アメリカ南部やメキシコが原産地で、日本の生態系に影響を及ぼす可能性があるとして、2023年6月に環境省が『条件付き特定外来生物』に指定した。

条件付きとなったのは、『生態系への深刻な被害を抑えるため』と『いきなり全面的な飼育禁止にすると、野外に放す人が増え、かえって生態系被害が拡大する恐れがある』と国が判断したためだ。

気付けば池の周りには、辺りを埋め尽くすほど大量のカメが姿を見せていた。天気が良い日は、文字通り、甲羅を乾かす様子が見られるという。物珍しさもあってか、カメの周りには大勢の人達が足を止めている。

「かなり爪は鋭いので、素手で触るとケガをする恐れがある。口も鋭いので、噛まれたら大ケガをする可能性があるので触ったらダメです」と『西鉄グリーン土木』の岩下幸広部長が注意を促す。
園の利用者から、「向こうの公園に卵を産んでいる」との話を聞き、園内を探してみると、確かに水中に卵のような物体を見つけた。

その周辺の陸上には、卵の殻のようなものも確認できる。

「縁日で“すくった”カメを池に?」
大濠公園に住みついた原因について、『マリンワールド海の中道』の魚類課、川野夢冴士さんは、一般論とした上で、「縁日の‟カメすくい“で飼ったカメが大きくなり、池に放った可能性がある。大濠公園の豊かな自然環境が、カメの繁殖に繋がったのでは?」との見解を示した。

その上で、自然のカメは、「基本的に人に危害を加えることはないが、ばい菌を持っていることがあるので、極力触らない方がいい」と注意を促した。

大濠公園によると、「少なくとも20年前には、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)が住み着いている」とのことで、現在は、少なくとも数百匹が園内にいるとみられている。

福岡県では、園側と協議しながら、「適切な駆除方法を検討して、公園の環保全を図る」としている。
(テレビ西日本)
