2026年4月26日、北海道西部の島牧村。
山深い林道の奥にある山中で、69歳の男性ハンターがヒグマに襲われた。
北海道で今シーズン初となるヒグマによる人身被害だ。
被害に遭った男性ハンターは、冬眠明けのクマを人里から遠ざけるための活動で、5人の仲間とともに山に入っていた。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」は現場にいた人物を取材。
「弾は命中したんですけどね。それでも絶命しなくて」
緊迫の瞬間が語られた。
■ハンターが振り返る緊迫の瞬間
すると、山中でヒグマを発見。1人が猟銃を発砲した。
銃弾は命中しましたが、それでもヒグマは倒れず、向かってきたのだ。
同じ現場にいたハンターが緊迫の瞬間を振り返る。
島牧猟友会・花田雄二さん:命中したんですけどね。それでも絶命しなくて、襲いかかったっていう感じ。
ヒグマは男性に覆いかぶさるようにのしかかり、腕を噛んだということだ。
その後ヒグマは駆除されたが、男性ハンターは顔などにけがを負った。

■「経験のないしぶとさ」体長2メートル、体重280キロの巨体
男性を襲ったヒグマは体長およそ2メートル、体重280キロ。
複数の銃弾を体に受けてなお向かってきたその執念に、花田さんは驚きを隠せない。
島牧猟友会・花田雄二さん:あれだけ弾を体内に受けてて、その人に向かってくるというクマは、あれだけしぶといのも私は経験ない。
さらに衝撃を受けたのが、駆除後に確認した体の脂肪の厚さだ。
島牧猟友会・花田雄二さん:体内についてる脂が結構厚かったので。この時期でこんなに脂肪があるって。

■苫前町では330キロの超巨大個体が…
島牧村の事件の翌日、北海道北西部の苫前町でも巨大ヒグマが捕獲されている。
体長2メートル15センチ、体重は330キロ。
冬眠明けで体重が落ちている時期に300キロを超えるヒグマが捕獲されるのは異例だという。
箱罠に入る瞬間は大人しく、暗闇の中をゆっくりと頭から入っていった。
しかし、人の姿を見た途端に凶暴性をむき出しにしたという。
北海道・苫前町猟友会 林豊行会長:いくら銃を持っていても近寄りがたい、そういう恐怖感は十分感じますね。

■専門家が指摘する「危険な連鎖」
なぜ冬眠明けにもかかわらず、クマたちはこれほど巨大なのか。
クマの生態に詳しい岩手大学農学部の山内貴義准教授は、「人工的なもの」を食べた可能性を指摘する。
岩手大学農学部・山内貴義准教授:冬眠が明けた後、山にはまだ高栄養な餌がないので、間違いなく人工的なものを食べた可能性が高いかなと。
去年の秋頃に人里の食べ物を覚えて大きく育ったクマが、冬眠から明けた今、さらなる脅威となって再び人里へ戻ってくる。
山内准教授はこの「危険な連鎖」に警鐘を鳴らしている。
また、銃弾を受けても向かってきたヒグマの異常なタフさについても、こう分析する。
岩手大学農学部・山内貴義准教授:やっぱり彼らは百戦錬磨というか、非常に鍛え上げられた体をしているので、内臓を撃たれて血がいっぱい出てたり、内臓の一部がはみ出ても結構動ける。

■「油断しないのが一番」ゴールデンウィーク以降、さらなる警戒を
山内准教授は、これからの時期に向けてこう警告する。
岩手大学農学部・山内貴義准教授:通常は4月、5月、6月って段々目撃情報が増えていきます。6月、7月はクマの繁殖期にあたるので、行動が一番活発化する時期なんですけども、人里を学習した個体が多いので、そういった個体のトリッキーな動きはなかなか読めないところはあります。油断しないのが一番かなと。
冬眠明けが早まり、個体が巨大化し、人里の味を覚えたクマが増えているというのだ。
番組に出演したノンフィクションライターの石戸諭氏は「クマは本当に災害並みに警戒しなきゃいけないし、対応していかなきゃいけない事態になるんじゃないか」と話した。
ゴールデンウィークを迎え、山や自然の中に出かける機会が増えるこれからの季節。クマとの遭遇リスクは、確実に高まっている。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年4月30日放送)

