4月から本格運用が始まった「こども誰でも通園制度」が本格始動。保護者が働いていない家庭でも、6か月〜3歳未満の子どもを月10時間だけ比較的低料金で保育園に通わせることができるというものだ。子どもの集団経験の場をつくるのが目的だ。

制度のしくみがやさしくわかる

この制度は、保育園に通っていない6か月〜3歳未満の子どもが、保護者が働いていなくても利用できるというものだ。手続きをすれば、月に最大10時間、1時間300円で利用できる。従来の一時預かりと比べて、実施主体や利用時間・料金、そして目的が異っているのだが、混同している人は多い。目的はあくまで「子どもが保育の場で集団生活を経験をすること」にある。

仕組み
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「子どもが経験を重ねる」ための通園

広島市の担当者は、この制度を「保育園で得られる経験を通じて、その子どもの成長を応援する制度」と説明する。保育園での集団生活や遊びの中で得る体験が、子どもの成長につながることを意図した制度なのだ。

広島市幼保給付課 濱田智範 課長
広島市幼保給付課 濱田智範 課長

短い時間でも、パパ・ママにとっての助けに

街の声では、保護者から「家事をゆっくりしたい」「買い物や1人時間を作りたい」といった使い方を期待する声があり、実際に利用した親からは「2時間でも自分の時間が作れて助かっている」という感想が出ていた。育休中に短時間だけ園を利用して、子どもが園の雰囲気に慣れるのに役立ったという声もあがっている。

実際に利用したことがある親
実際に利用したことがある親

実際の運用例 ── 園での流れと配慮

この制度は全ての園が行っているわけではない。広島市のとなり町・安芸郡府中町の「認定こども園つばめ」は、手をあげ、始めた園の1つだ。利用する際には実施にどういう流れなのだろうか。まず利用したい保護者は、国が用意した電子申請システムで利用登録を行う。そして、利用希望の施設を選んで面談をうける。「つばめ」は9時〜11時の2時間、月2日、定員5人で受け入れ、食事は提供しない形で、まずはスタートするそうだ。それほど慎重さが求められるし、既存の園にあらたな子供を受け入れるのは大変なことでもある。面談では性格やアレルギー、病歴などを確認する。子ども一人ひとりちがうため、配慮が必要だ。面談後、予約枠を確認し、予約を入れる。
なお、広島市内では、対象となる施設が約275のあるのに対し、実際にこの春はじめるのは、わずか66円だ。それだけ園には負担が大きい。

認定こども園つばめ 久保田貴八郎 園長
認定こども園つばめ 久保田貴八郎 園長

保育者の声と今後の工夫

比治山大学短期大学部 幼児教育科 七木田方美 教授が行った保育士対象の調査では、「保護者にとって良い精度」と考える回答が多い一方で、「保育者側には負担の不安を示す声」が多くあがった。七木田教授は、「子どもを主体にする方針を大切にしつつ、ICTやAIの活用などで事務負担を減らすことが保育の質向上につながるのでは」と話していた。現場の声を反映しながら、より使いやすい仕組みにしていく動きが今後求められる。

比治山大学短期大学部 幼児教育科 七木田方美 教授
比治山大学短期大学部 幼児教育科 七木田方美 教授

「こども誰でも通園制度」は、子どもに新しい経験を提供しながら、パパ・ママの「味方」になり得る制度だ。現場の負担や参加状況といった課題を解決し、負担を減らす仕組みを整えながら、園と家庭が協力して社会全体で子育てをするという観点での今後の展開が期待されている。

テレビ新広島

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