石川さんパレットが去年の秋から温めてきたビッグプロジェクト「町野応援!田んぼプロジェクト」がいよいよ動き出した。ももいろクローバーZの「あーりん」こと佐々木彩夏さんが総合プロデューサーを務め、自らも所属するアイドルユニット「LumiUnion」がタッグを組み、地震と豪雨の二重被害から立ち上がる輪島市町野町を応援していこうというものだ。
「アイドル活動で町の役に立ちたい」——LumiUnionとは
LumiUnionは、2019年に結成された8人組アイドルグループである。「アイドル活動で町の役に立ちたい」という発想のもと、東日本大震災の被災地・福島県浪江町を中心に全国各地で笑顔の輪を広げてきた。

そんな彼女たちが訪れたのが、輪島市町野町。地震と豪雨による二重被災からの復興を目指す住民の皆さんに笑顔を届けにやってきた。しかし、田んぼを訪れると、そこはいまだ災害の痛手が残ったままだった。
佐々木さんはこう振り返る。
「来る前は、(地震から)1年9カ月も経ってたら、もうちょっと今まで通りの生活に戻ってたりするのかな……って勝手に思っちゃってました。」
こうした中、来年の米作りを目指す住民・山下桂子さんから、こんな提案が持ち上がった。
「なかなかね、田んぼ作るの大変なので、協力していただいて、お米作っていくっていうのをやってもらいたいなと思うんですけど。」
これに対し佐々木さんたちは、
「私たち、お力になれることがあればぜひ!よろしくお願いします!。」
と元気よく応じた。
ということで、いよいよ春から本格スタートと行きたいところだったのだが——なんと去年の年末、LumiUnionが今年4月末での活動終了を発表したのだ。
「4月29日をもって活動が終了」——それでも町野に来た理由

こうした中、今月10日にメンバーの皆さんが町野に来てくれた。去年の10月以来の再会である。佐々木さんは活動終了についてこう語った。
「ちょっと私たちが4月29日をもって活動が終了してしまうことになっちゃいまして、急なお知らせだったんですけれども、でも最後まで皆さんと楽しく過ごせたらなと思っております。」
そんな多忙な時期に町野を訪れた理由について、メンバーの千浜もあなさんはこう説明した。
「まちのテラスのグランドオープンが本日ということで、お邪魔させていただくことになりました。今回こうやって8人で町野町にお邪魔することができてとってもうれしいので、みんなで一緒にグランドオープンをお祝いしたいなと思ってます。」
続けてメンバーの雪月さんも、
「前回よりもさらに皆さんに笑顔を届けられるように頑張りたいなと思います!」
と力強く語った。
「寝てないです。30分くらいです」——「まちのテラス」グランドオープンの裏側
「まちのテラス」は、町野町粟蔵にある仮設商店街である。去年の年末から順次お店がオープンし、営業を始めていた。そしてこの日、最後にオープンするのが「こめとわとベーグル」だ。

2023年、輪島市城兼にある海を見下ろす高台にオープンした、自家製の米粉を使用した人気のベーグル店だったが、能登半島地震で高台の崖が大規模崩落。国の修復工事完了までおよそ3年かかる見通しだ。
仮設商店街での再開を決めたものの、ベーグルの製造機械は買い替えが必要なため、現状でも作れる米粉スイーツとドリンクを準備し、何とかこの日のグランドオープンに間に合わせた。

前日は何時ごろ寝たのかと問われた山下桂子さんは、
「寝てないです。30分くらいです。やっぱりお待たせしていた方とか、あと仮設商店街の他の店舗の仲間の人も『いつからするんや』っていう感じで皆さん待ってて下さったんで、ようやくできるようになって、ちょっとホッとしてます。」と話した。
改めて店を再開できる気持ちを問われた山下祐介さんは、
「被災ぶりで楽しみなところもありますね。まずは皆さんにご挨拶じゃないけれど、『久しぶり』って、また顔を見られたらいいかなと思います。」と穏やかに語った。

午後2時の記念式典には地元町野の住民をはじめ、LumiUnionのファンも全国から詰めかけた。佐々木さんはこう言葉を贈った。
「大事なグランドオープンという皆様にとってとても大切な1日に私たちも参加させていただけて、とても嬉しく思っております。ご縁を大切にしていきたいなと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。まちのテラスグランドオープンおめでとうございます!」

グランドオープンを記念して、4店舗それぞれのお店にメンバーが売り子として参加し、商品をアピールした。
能登半島地震以来の再開を果たした『こめとわとベーグル』では佐々木さんたちがお手伝い。こうしてファンの皆さんと「売り子」という形で接することが今まであったかと問われると、佐々木さんは、「ないです。このルミユニオンの活動ならではですし、お会計とかさせていただくのは初めてです。社会経験させていただいて、レベルアップしました。」と笑顔で話した。
山下祐介さんは、この日の様子を振り返り、「今日だけじゃなくて、明日も明後日も1カ月後も2カ月後もまちのテラスとして今日みたいな晴れやかな楽しい時間が過ごせる場にしていけたらなと思います。」
「大人になったらライブに行きたい」——町野公民館ミニライブが生んだ感動

夕方には町野公民館でコンサートも開催された。放課後に駆けつけた子どもたちもLumiUnionの歌声に歓声を送った。ファンとの距離がこれだけ近いのは異例なことである。「町野を元気に、笑顔にしたい」——メンバーたちの思いは、町野の皆さんにしっかりと伝わったようだ。
コンサートを聴いた子どもたちはそれぞれこう語った。
「楽しかった!」
「元気もらえました!」
「(町野に来てくれて)うれしかったです。」
「大人になったらライブに行きたいなと思います。」

メンバーの田中咲帆さんは、
「初めてアイドルのライブを見るよという人もペンライトを持ってくださって楽しいライブでした! ありがとうございました!」
と喜びをあらわにした。
町野の皆さんの人柄についてメンバーの千浜もあなさんは、
「前回来た時も町野の皆さんの温かさに私たちも励まされたんですけど、今日も保育園の子が花束をくれたりだとか、ライブを楽しんでくださる姿を見て私たちも元気が出ました!」と話した。
佐々木さんはこう続けた。
「(前回も)伺ってはいたんですけどもライブという形では本当に初めてだったので、私たちの本来の姿というか、アイドルとして一番できるのは歌うこと、歌って踊ってパフォーマンスを見て笑顔になっていただくことだと思うので、本来の姿で皆さんに笑顔になっていただけたのはすごくうれしかったなと思います。」
引き続き町野を応援してくれるかという問いに、佐々木さんは迷わず答えた。
「はい、もちろん! 何かお力になれることがあればぜひ協力させていただきたいなと思っています!」

LumiUnionの皆さんは笑顔あふれるグランドオープンを演出してくれた。金沢ライブの前日ということもあり、多くのファンが前日に石川入りして町野を訪れ、まちのテラスの各店舗では売り切れが続出するほどのにぎわいとなった。
実は29日、LumiUnionは福島県浪江町でラストライブを行った。その後はあーりんこと佐々木彩夏さんが引き続きさまざまな形で町野を盛り上げる力になってくれるとのことで、田植えや稲刈りといった「町野応援!田んぼプロジェクト」の本格的な歩みはこれから始まる。「まちの応援プロジェクト」の続報に、引き続きご期待いただきたい。
(石川テレビ)
